2020.5.29(金)
2018年の台湾ドラマ、憤怒的菩薩「怒りの菩薩」を見ました。
主演は呉慷仁(ウー・カンレン)
テレビに映画にCMにと大活躍のイケメン俳優さんですが、私には「五月天MAYDAYのMVに出ているヒト」と言う印象が強いですw
演じている陶展文という人物は、陳舜臣の原作怒りの菩薩 (1962年)には出てこないんですよね。
陳舜臣の別の数編の小説に出てくる名探偵なんです。
それをこのドラマに登場させちゃったのはとっても良いアイディアでした。
ドラマを見た後もう一度原作を読み直したんですが、陶展文が出てこないのが逆に不思議な感じがしたくらいです。
剽軽で聡明で、女にもモテそう。長髪。
かなり際立ったキャラ設定です。
今後陶展文が登場する小説を読んでも、イコール呉慷仁(ウー・カンレン)にしか思えなくなりそうw
実は最初にこのドラマに興味を持ったのは、巫建和(ウー・ジェンハー)が出ているから。
私はこの人の声や話し方が、なんだか気になってしまうんですよね。
またあの声、話し方を違う役柄で聞いてみたいな、と。
なかなか味のある俳優さんだと思います。
それにしてもこのドラマ、タバコを吸うシーンがとても多いんです。
原作本は中古で買ったんですが、その本もタバコ臭くてちょっと嫌でした。
なんだかなあw
巫建和が演じている楊輝銘が原作での主人公です。
ところで、楊輝銘としてナレーションをしているもう一人の俳優さんがいます。
蔭山征彦さん。
そう、海角七號「海角七号・君想う、国境の南」でナレーションをしていた、日本人俳優です。
オープニングの美術の演出と共に、ノスタルジックな蔭山さんの日本語の語りが始まると、瞬時にドラマの世界に連れて行かれます。
原作での主人公楊輝銘(巫建和)と、原作には出てこない陶展文(吳慷仁)
原作では重要人物ではない劉文振(林志儒)もドラマでは大活躍。
台湾国内なら公視のサイトで見られるんですけどね。
日本からは見られないので、DVDを買いました。
ちなみにDVDもリージョンコードがあります。
帰国する時に台湾から持って来た、BDレコーダーがあって良かったです。
DVDを買おうと思ったのはドラマの評判と共に、俳優陣の豪華さ。
呉朋奉さんが出演しているのも魅力的だと思いました。
まさかDVDが届いた頃に逝去されてしまうとは…
賀一航さんも鬼籍の人。
ちょうど1年前でした。悲しい…
呉朋奉さんや賀一航さんの事を想うとしんみりしてしまいます。
ドラマの時代背景も戦後すぐの台湾。1946年。
暗い時代…
3件の殺人事件。
では、このドラマは「暗いドラマ」なのかと言うと、そうではありません。
許肇任監督も、ステレオタイプな「暗い時代」を描きたくはなかった、と言っています。
「遠巻きに見れば喜劇、近くで見れば悲劇」(フォーカス台湾)
このドラマでは、呉慷仁演じる陶展文の飄々とした雰囲気と共に、ユーモラスな空気も醸し出されています。