近田駅の「福山古墳ロード 案内板」現状レポート

当会がJR福塩線近田駅前に設置した「福山古墳ロード 案内板」にひび割れが生じているとの情報が寄せられましたので、調査に行ってきました。

場所は、JR福塩線近田駅を出てすぐ左側です。「福山古墳ロード」は2005年に福山市が公募した「ふくやまの魅力づくり事業」に当会が提案し採用されたもので、この案内板はその整備の一環として2007年に設置したものです。
近田駅

案内板の全景。案内板表面の印刷シートが劣化し、アルミ複合板から部分的に剥離しています。全体的に色あせが進んでいます。支柱の表面は酸化していますが、状態は比較的良好のようです。
案内板の全景

参考までに、今から2年前の2017年「ぶら探訪」実施時の状況。この時点では印刷シートに剥離は見られませんので、この2年の間に急速に劣化が進行したと思われます。

案内板裏面。支柱・フレームは錆が進行しており、特に水が溜まりやすい水平アングル部分には浮き錆が発生していました。中央のアングルが最も錆が進行していますが、幸いにも鉄面まで侵食されている部分はなく構造的に問題はないようです。
案内板裏面

アルミ複合板を直接ボルトで固定するという簡易的な設置方法ですので、案内板が風等により微妙なたわみを繰り返しボルト部分を起点に剥離が進んだ可能性が高いようです。
古墳ロード案内板

こちらもボルトを起点に案内板のシートの剥離が進行しかけています。
ボルトを起点に剥離が進行しかけている

部分的に浮き錆が発生していました。
部分的に浮き錆が発生している

案内板の左中央部から剥離が進行していて、説明文に判読できない部分が生じています(前後関係から文章は概ね類推できますが)。
剥離部分周囲も浮き気味で弾力性がなくなっていて、触れるとボロボロと崩れるので、今後も剥離が進行していくことが予想されます。
左中央部が最も剥離が著しい。

右中央部は左側に比べると程度はよいようです。シート全体としては色褪せ気味ではあるものの、判読に支障はないレベルです。
右中央部は左側に比べると程度はよい。

裏側。ボルトはステンレス(SUS304)のため、状態は良好でした。
ボルトはステンレス(SUS304)のため、状態は良好

トップは比較的状態がよいようです。
トップは比較的状態がよい。

下部のアングル材は、水が溜まりやすいためか比較的錆が発生しています。
下部のアングル材

中央水平のアングル材は最も錆が進行していますが、内部にまで侵食は進んでいない模様。
中央水平のアングル材

基部は現状では特に問題はなさそうですが、コンクリートは経年の割に劣化が進んでいるように見えます。
基部

案内板全体の状態としては設置(2007年)から12年が経過している割には良好のようで、周囲の水捌けがよく腐食しにくい環境であったこと、案内板が東西方向に設置されているため紫外線の影響がやや軽減されたことなどが理由として考えられます。

というわけで、現時点では案内板としての機能は概ね保っているものの、美観を損なっていますので、今後、劣化が更に進行する前に補修することを検討していきたいと思います。

【JR福塩線近田駅】

https://bingo-history.net/wp-content/uploads/2019/04/IMG_20190411_094043-1024x768.jpghttps://bingo-history.net/wp-content/uploads/2019/04/IMG_20190411_094043-150x100.jpg管理人事務局だより当会がJR福塩線近田駅前に設置した「福山古墳ロード 案内板」にひび割れが生じているとの情報が寄せられましたので、調査に行ってきました。 場所は、JR福塩線近田駅を出てすぐ左側です。「福山古墳ロード」は2005年に福山市が公募した「ふくやまの魅力づくり事業」に当会が提案し採用されたもので、この案内板はその整備の一環として2007年に設置したものです。 案内板の全景。案内板表面の印刷シートが劣化し、アルミ複合板から部分的に剥離しています。全体的に色あせが進んでいます。支柱の表面は酸化していますが、状態は比較的良好のようです。 参考までに、今から2年前の2017年「ぶら探訪」実施時の状況。この時点では印刷シートに剥離は見られませんので、この2年の間に急速に劣化が進行したと思われます。 案内板裏面。支柱・フレームは錆が進行しており、特に水が溜まりやすい水平アングル部分には浮き錆が発生していました。中央のアングルが最も錆が進行していますが、幸いにも鉄面まで侵食されている部分はなく構造的に問題はないようです。 アルミ複合板を直接ボルトで固定するという簡易的な設置方法ですので、案内板が風等により微妙なたわみを繰り返しボルト部分を起点に剥離が進んだ可能性が高いようです。 こちらもボルトを起点に案内板のシートの剥離が進行しかけています。 部分的に浮き錆が発生していました。 案内板の左中央部から剥離が進行していて、説明文に判読できない部分が生じています(前後関係から文章は概ね類推できますが)。 剥離部分周囲も浮き気味で弾力性がなくなっていて、触れるとボロボロと崩れるので、今後も剥離が進行していくことが予想されます。 右中央部は左側に比べると程度はよいようです。シート全体としては色褪せ気味ではあるものの、判読に支障はないレベルです。 裏側。ボルトはステンレス(SUS304)のため、状態は良好でした。 トップは比較的状態がよいようです。 下部のアングル材は、水が溜まりやすいためか比較的錆が発生しています。 中央水平のアングル材は最も錆が進行していますが、内部にまで侵食は進んでいない模様。 基部は現状では特に問題はなさそうですが、コンクリートは経年の割に劣化が進んでいるように見えます。 案内板全体の状態としては設置(2007年)から12年が経過している割には良好のようで、周囲の水捌けがよく腐食しにくい環境であったこと、案内板が東西方向に設置されているため紫外線の影響がやや軽減されたことなどが理由として考えられます。 というわけで、現時点では案内板としての機能は概ね保っているものの、美観を損なっていますので、今後、劣化が更に進行する前に補修することを検討していきたいと思います。 【JR福塩線近田駅】備後地方(広島県福山市)を中心に地域の歴史を研究する歴史愛好の集い