国民民主党代表選に立候補している同党共同代表の玉木雄一郎氏が、第三子に1000万円給付の「コドモノミクス」をぶち上げ、話題になっている。
国民民主党の代表選で公約としてぶち上げられても、そもそもの実現可能性はどうなのかという問題は別として、私はこの大胆で分かりやすい少子化対策には賛成だ。というのも、私自身が数年前から少子化問題の一つの解決策として訴えてきたことでもある。
この「第三子以降に1000万円」という提言を行なってきた最初の人は、おそらく今をときめくベストセラー『未来の年表』の著者で産経新聞のジャーナリストである河合雅司氏だろう。同著のなかの「日本を救う10の処方箋」にもこの提言が明記されている。
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)
- 作者: 河合雅司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/06/14
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (20件) を見る
この提言は、同著が出版される前から、河合氏が産経新聞の紙面でも提言しており、私もこの論に賛成の記事をBLOGOSなどに投稿した。
以前の記事でも紹介したが、少子化を克服したフランスやスウェーデン、フィンランドなどの北欧諸国では、児童手当などの支援が第三子以降へ傾斜的に配分されている。出生率1.9のスウェーデンでは、第一子が月1050スウェーデンクローナSEK(約1万5000円)なのに対して、第二子が1150SEK(約16500円)、第三子が1404SEK(約2万円)、第四子が1910SEK(約2万7000円)、第五子が2100SEK(約3万円)が支給される。しかも、多子世帯手当は学生であれば20歳未満まで続く。第五子の手当支給総額は、月3万円が20年間続いて合計720万円だ。
さらに北欧諸国では学費が基本的には無料なので、大学授業料も実質上支援されていることになる。これらの「少子化対策先進国」の事例を考えると、上記提案の「第三子以降に1000万円の支援」という案が決して突拍子もないものではないことが分かる。
玉木雄一郎氏が『未来の年表』からヒントを得たのか、どこまで具体的な制度設計を考えているなかは不明だが、単に国民民主党内の議論に留まらず、広く国民的議論にまで発展することを期待したい。河合氏のシリーズ本は『未来の年表2』も引き続きベストセラーとなっており、少子高齢化という「静かなる有事」に対する国民の危機感は高い。第三子に1000万円なのか、大胆な傾斜的な給付なのか、いずれにせよ少子化を克服した欧州諸国並みの大胆な子育て支援が必要だ。
未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書)
- 作者: 河合雅司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/05/16
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (5件) を見る
(145)今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。: 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話 (ポプラ新書)
- 作者: 本山勝寛
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2018/02/09
- メディア: 新書
- この商品を含むブログを見る