■半生を過ごしたる地の  春めいて

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…………    はんせいをすごしたるちの  はるめいて  No.1708  …………

◆暖冬と言われていたが…「春」は、なかなかやって来なかったな…?!
◆新型コロナウィルスの脅威のせいか…気分も沈みがちで、晴れやかな気持ちにもなれないまま。

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自作油絵/F6号

◆そんな中、『湧』4月号が届いた。が、困った事態に…。
〈打ち捨てし机  狭庭の春めいて〉



 ⌘
湧』  ⌘ 

◇『湧』4月号が届いた。
⑴今月も、【行雲流水(61) 林火の抒情】大野林火先生の句から。
〈薄墨に散りてこの世のさくらならず〉林火
 昭和48年作で、句集『飛花集』所収の句。前書きに「岐阜県根尾」とある五句の内の真ん中の一句。他の四句は…
〈中空に匂ひ淡墨桜散る〉
〈手にうけてこまか淡墨桜散る〉
〈雲に入る飛花や花守白髪に〉
〈散るを惜しむ淡墨桜しきり散る〉とのこと。
⑵ 主宰:甲斐遊糸先生の【初桜】の句では…
〈春の雲玩具のごとき家並び〉遊糸
〈焼山をぐるりと囲み焼野原〉同
〈ひつそりと梅の老樹の咲く峠〉同
〈木々芽吹く峠はどこも似てゐたる〉同
〈大空へ枝伸び伸びと初桜〉同
    舞台は、伊豆の大室山とのこと。「一日の出会いのなかから、何を選び、どう詠むか、まさに至福の時間である」と主宰の言葉。
⑶ 今月号の【同人集余韻】では、
〈咲き初むる桜に寄りて世を思ふ〉久吉
〈浮雲に名前を付けて野に遊ぶ〉幸子
〈夭折の子の居る写真つくしんぼ〉慎治
〈小康の薄きメイクや春ショール〉直美
〈祇王忌やぎゆつと抱いてと思ふとき〉玲子
〈髪に手のゆく淋しさや雛納〉粂子
   などの句に惹かれた。
⑷ 【「湧」の俳句  二月号】では、長谷川槙子さんに…
〈数へ日の終りがあるといふ救ひ〉ヒロシ
    の句を取り上げていただき、「確かに、終りがあるからこそ、人は新たな気持ちで次に進むことができる」との評をいただいた。これは…私にとっては、意外な読みだったが…。
⑸【受贈俳誌より(三月)】から、心惹かれたものを数句。
 01〈言霊のやうな星々寒の内〉村上喜代子[いには]
 02〈動く気もあらぬ海鼠に来る日暮〉橋本榮治[枻]
 03〈偏屈でよし蛇穴を出でにけり〉山本一歩[谺]
    04〈冬日向無心となれば眠くなり〉関守勝夫[蜻蛉]
    05〈窓四角あんパンは丸さて鴨は〉坪内稔典[船団]
    06〈居酒屋の路地が縄張り猫の恋〉峰  正石[俳句春秋]
    07〈一月の落暉一日の重さかな〉上田日差子[ランブル]
     ⇒[ ]内は俳誌名です。
 さすが…主宰(クラス?!)の方々の句。勉強になります。
⑹ 私の5(3)句 (“湧”4月号湧泉集より)
〈三代のびんぼふ暮し春炬燵〉ヒロシ
〈春の泥いつもの場所でひと休み〉同
〈まだ花の蕾はかたく西行忌〉同
    ⇒先月までは掲載された全5句を紹介したが…3句でも、おソマツなのが分かってしまいますね!?



Diary
◇フーフー言いながら、やっとスマホでの打ち込みが終わった。こんな作業も、なかなかの苦行。
◇◇理不尽・不条理・不可能…世の中には、どんなに努力をしても叶わぬこと・解決できないことがある。そして、変わり易い人の心…。無理は良くない…のかもしれないな!?!



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