一陽来復~近藤聡彦のファゴットブログ~

ニューヨーク帰りのファゴット奏者が綴る下関音楽日記

シートストラップノススメ

2020年11月26日 | ファゴット
立ってファゴットを演奏する時は、
首や肩から楽器を提げるネックストラップを使いますが、
座って演奏する時は、お尻に敷くシートストラップの方が、
楽器の重さが身体に掛からず、楽に演奏出来るのですが、
日本ではなぜか「常にネックストラップ」って人が多いですね
上がネックストラップ(以下ネック)、下がシートストラップ(以下シート)。

初めて渡米したばかりの、コロラド州アスペン音楽祭で、
ひと月程経った頃、あるアメリカ人のファゴットの学生から、
「あなたはなぜ、いつも楽器を首から提げてるの?」と言われ、
「ええっ」っと見回したら、僕以外は全員シートでした

アメリカでは、ほぼ100%シートです。
レッスンでも、学校の試験でも、オーディションでも、リサイタルでも、
当たり前の様に椅子が置いてあり、座って演奏していました。
チェロと同じような扱いですね。
まあファゴットは楽器が重たいので、なるべく座りたいですが
椅子の座面に敷いて使います。

僕がニューヨークに住んでる間に、
ニューヨーク・フィル定期公演の曲目として、
モーツァルトのファゴット協奏曲が2回程取り上げられたので、
どちらも聴きに行きましたが、
指揮者の横にはチェロのソリスト同様に、
四角い小さなひな壇が置かれ、
その上には椅子、前には譜面台と楽譜が置かれて、
首席奏者のジュディス・レクレアー氏は当然の様に座って、
シートで演奏していました。

まあニューヨーク・フィルの場合、
定期公演は同じ曲目で四日間やるので、
協奏曲も4回全力で吹くとなると、
せめて座っても良ければ座りたいですよね

ヨーロッパ方面は、常に肩や首から吊り下げてる人が多いみたい。
日本で常にネック使用の人が多いのも、その流れなんでしょうね
ただファゴットは楽器が重たいので、
僕はネックだと吹く時に首が前に出て、姿勢が悪くなったり、
また肩こりにも悩んでいたので、シートがとても重宝しています

ヨーロッパの人達は、東洋系と比べると、
男女共に背も高く、体格も良くて、骨格も太いので、
こういう人達なら、常にネックで吊り下げてもへっちゃらなのかも。
人種的にどちらかというと小柄な日本人には、
座って吹く時はシートが良いのでは?と思っています
ブーツジョイント底部のカップに開いた穴に、フックを掛けます。

レッスンの時に、ずっとネックを使っていて、
首や肩が曲がって姿勢が歪んでる人に、シートを使ってもらったら、
楽器の重さから身体が解放されて、楽になった途端に、
目の前でみるみる音が改善した事が何度もありました
首や肩に楽器の重さがずっと掛かってると、
身体が力んで強ばっている事に気付きにくいようです。

という訳で、楽器が重くて肩こりに悩んでるあなた
余計な力が入って、タンギングや指の動きが遅いことに悩んでいるあなた
シートストラップがお勧めですよ

思わず長文になってしまったので、使い方はまた近々書きます

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