2014年4月16日、珍島沖で転覆・沈没したセウォル号事件では、
大勢の修学旅行生を含む304人の命が犠牲となりました。
乗客を置き去りにし、船長をはじめとした乗務員たちが
真っ先に避難したことに、多くの非難が集まりました。
専門家による調査結果として政府が発表した事故原因は、
多くのコンテナなどの積み荷により船のバランスが崩れたとの見解。
ジャーナリストのパク・オジュン氏は、
目撃者たちからの証言や事故現場の映像などと照らし合わせると
政府が発表した事故原因に大きな疑問を抱き、
ドキュメンタリー監督のキム・ジヨン氏に本映画の製作を依頼したそうです。
多くの方の寄付で製作された映画で、
俳優のチョン・ウソン氏がノーギャラでナレーションを務めています。
18日、なかのZEROで日本で初めての上映会が開催されました。
「その日、その海」
原題は「그 날 바다」
政府が発表した事故発生時刻は8時50分
生存者たちの証言では8時30分と、20分の差があります。
事故発生位置や船が左に急旋回し45℃傾くまでにかかった時間など、
食い違う複数のポイントに着目し、キム・ジヨン監督自ら4年の歳月をかけて
AIS(自動船舶識別装置)のデータを独力で解析、政府のデータの矛盾点を
掘り下げていき、ある仮説に辿りつきました。
仁川港出港後、何らかの事情で左舷側の錨が海中に降りていた。
セウォル号が浅瀬を通行するたびに錨が地底に衝突し、
そのたびにスピードが落ちていた。
そして、事故現場では錨が地底に引っ掛かり
船体が急速に左に傾き浸水、やがて沈没した。
上映後、製作者のキム・オジュン氏(右)とキム・ジヨン監督(左)による
トークショーがありました。
その中で、映画製作中には、複数のスタッフのパソコンが破壊されたり、
海底調査に協力する予定の業者の機材が不審火により焼失してしまったりと、
妨害行為と思われる不穏な動きがあったという衝撃の事実が明かされました。
キム・オジュン氏は、収賄疑惑により朴槿恵前大統領が逮捕されたことにも
大きく貢献した方だそうです。
「朴槿恵が逮捕され、文在寅政権になったからこそ、この映画は公開できた。
しかし、現在でもセウォル号の事故調査委員会に所属している
当時の官僚が多く残っており、真相究明には至っていない。
文在寅政権の4年間のうちに、真実が明らかになることに期待したい」
とキム・オジュン氏は仰っていました。
政府による真実の捏造疑惑。
現在の日本でも同じような問題を抱えています。
セウォル号の事故を忘れてはいけません。
잊지 마세요.
大勢の方にご覧いただきたいドキュメンタリーです。
今後東京以外の地域でも、上映されますように。
大邱の情報は↓こちら↓をクリック