みなさん、おはようございます。神界に佇立される現人神大塚寛一先生が昭和16年に発刊され、現在国会図書館で閲覧可能な大塚先生の著書「大日本精神」の原文ロニ写経版(本邦初公開)でございます。「心の眼」で拝読くださいませ。皆さまの心が神の座に戻られておられる大塚先生に通じますれば、素晴らしい体験があると確信しております。

神軍リクルーターロニサランガヤ

「大日本精神」(建白書)昭和十六年五月二十日発行

   現在 日ソ中立條約自体の効果

古今未曽有(みぞう)の国際的大危局に遭遇(そうぐう)せる今議会に、重大議案を不問不答のうちに通過せしめ、なお、会期を月余も短縮し審議の暇(いとま)なきほど国際情勢の窮迫(きゅうはく)せる際に、外交上最も重責にある外務大臣が月余に渉(わた)り欧洲旅行に出発せしことは、重大要件なることはもちろんにして、とくに三国同盟を締結(ていけつ)せし重大責任者として、その片手落ちの不備を修整すべく行かれしことも事実であろう。しかるに未(いま)だその結果は知らざるに突如(とつじょ)、日ソ中立條約を成立せしめたることは意外である。しかし、松岡外相のことであるから同盟條約の不備を修整し、しかもいっそう入念のために日ソ中立條約を結びしことと思う。

 万一、片手落不備を修整せずして日ソ中立條約を結めば、何等(なんら)三国同盟に対して強化的効果を生ぜず。何故(なぜ)なれば三国同盟は米の英に参戦を不可能ならしめ、強(しい)て参加するも、東洋の権益を守らんとし大部分の兵力を東洋日本に向けしめ、独の負担を極度に軽減せしむるものである。これに反し、日本は英米より経済的圧迫を強化されると共にますます援蔣(えんしょう)政策を積極化し来たるがため、経済的大なる不利と日支事変解決を一層困難ならしむる一面、常にわが国の間隙(かんげき)を窺(うかが)えるソ連に対し日満に進出し来たる好期を与えることになれり。その時、独は、ソ連に対しなんらの圧迫をも加える義務を負わずと特筆明記しおき、露の自由を計る他面、日本を積極的進出に誘導し、英米間に摩擦を激化せしめ、最後に露もその渦中(かちゅう)に投ぜしめんと陰謀せること明らかである。ゆえにこの條約にては、なんら、わが国は得(う)る処(ところ)なきのみならず、前記のごとく一層困難を重大化せしめることになった。かくのごとく、先にも日独間において対等に結びし防共協定を、相手国の有利に利用し終わりたる時は無警告のうちに破棄(はき)同様、無意義たらしめられるのである。これを見てもいかに利己的條約なるかは明瞭(めいりょう)である。これは東洋において利害による摩擦少なく、しかも日本人の最も信頼せる独にしてしかり。なおさら利害の相反せる日ソ間にいかなる條約を結ぶも、一朝(いっちょう)、破棄(はき)することの有利に情勢が転ずれば、何時にても無効たらしめらるることは明らかである。その條約を過信して、この重大危局に当面せるわが国策を立てることは、実に危険であるから、国民は大いに警戒を要する。外交は国家の進路を定める羅針盤(らしんばん)であるから、その方向を禍(あや)まる時は、国内一億の総努力を一朝にして水泡(すいほう)に帰せしめ亡国の因(いん)となる恐れがあるのである。その重大なる責任者が浅慮軽挙(せんりょけいきょ)に走る時は、国家にとってこれに勝(まさ)る危険はないのである。この非常時局に際し、今日の外交は従来と異なり、肚芸(はらげい)や感情や過去のいきさつでは思わざる違算を生じてくる。特にこの大戦国には絶対、合理的でなければ成就(じょうじゅ)の見込みなし。合理合法でなくして勝ち得ることは相手が未熟(みじゅく)なる時のみにして、これは常道ではない。今日の外交は、死活(しかつ)存亡の分かれる真剣勝負である。一面の囲碁(いご)のごとく、また一回の玉突(たまつき)のごときものにても、一石一玉を動かすには全面より割り出し、最も合理的進出でなければ勝算の見込みがない。またその打ち出す一目の石も次の一目により生死が何(いず)れにも分かれる。いかに有利の條約を結ぶも、次の後手(ごて)により防共協定のごとく死石(しにいし)となる。尚更(なおさら)、敵の目の中に打ち込む石ほど愚策(ぐさく)はない。肚芸でやったつもりが敵の罠(わな)なる穴と気付くも已(すで)に遅い。国内の国民は法的に眼隠(めかく)しができるが、外国は日本の法では眼隠しができない。眼隠しをして肚芸で操縦しえても、眼明(めあ)きの他国民を腹芸で動かすことは容易でないから、どこでも合理的でなければならぬ。今度(こんど)の三国同盟のごときも決して敵の目の中に打ち込んだ石ではないが、これを日本に有利に展開(てんかい)せしむることは、実に困難である。

 この難石を打った外相が、その当時日本は、独伊のためには心中をも辞(じ)せずと言われしが、利己本意の独のために日本を片思(かたおも)いの一人心中(しんじゅう)たらしめてはならぬ。かくのごとき結果を招来せしめては、目前の損失はもちろん、歴史上、永遠の国恥(こくち)となる怖(おそ)れあり。われら一億同胞が未曽有の国難に遭遇し、高貴の御方を始(はじ)め、近親父子兄弟が異国の空で言語に絶する悪戦苦闘を続け、幾多(いくた)傷兵と巨額の富を失い、なお日増しに国民の上に責任の重責し来たりつつあるも、一人として一言半句の不服なきは、上御一人(かみごいちにん)を始め世界に比類なき光輝(こうき)あるわが国を守らんがためのみにして、決して他国のために非(あら)ず。ゆえに国際的国家の方向を定める外務大臣は、一億国民の努力を多少たりとも無意義たらしめず、常に自国本位の政策を樹てられたきものである。

   過去 独の日本に対する真相 信頼すべきか警戒すべきか

かの昭和11年スペイン動乱を中心として、独伊と英仏露が対立して第二次世界大戦が激化せんとするや、露は日本と不可侵條約を結び背後の憂(うれい)を断(た)ち、而(しか)る上にて英と共同し独を双葉(ふたば)のうちに倒さんとし、積極的動乱に乗り出すべく不可侵條約を申し込み来たりしも、旧来の感情と、現に暗躍しつつある共産分子等の関係上、応ぜざるを見しヒットラーは、これを逆用し防共協定を締結(ていけつ)せしめ、反対に、露を東西両面より挟撃(きょうげき)の体勢(たいせい)を取りしため、露は日本に背面を突かれることを恐れ、動乱より後退の止むなきに至れり。ついで英仏も隣国のために多くの犠牲を払うことの愚(ぐ)を悟り、動乱より全部手を引きしため、独は日本を利用し自己の目的を完全に達せり。その後間(ま)もなく日本に軍事同盟を申し込むと同時に、露に不可侵條約を結ぶべく申し入れ、万一露が応ぜざる時は、日独軍事同盟により両面より挟撃(きょうげき)すべく虚勢(きょせい)をもって威圧(いあつ)しつつ、他面露の渇望(かつぼう)する機械化学による軍事資材と、独の不足物資と交換(こうかん)を名目の基(もと)に不可侵條約を結び英露を離反(りはん)せしめ、いよいよ独は積極的進出を計るに至れり。露は先(さき)の防共協定により後退の止むなきに至りし反動的行動として、直接日本に当たることは独との挟撃さるる憂(うれい)あるにより、間接蔣介石(しょうかいせき)を援助し、また一方、英も日本の東洋における進出を恐れ、これまた蔣介石を援(たす)け第一幣制(へいせい)改革をなさしめ、巨額の現銀を英人の持ち去ることとなり、それに引き換(か)えて法幣(ほうへい)を発行するに至れり。これがため支那全国民は、蔣介石政権を倒すことは自己所有の法幣を無価値ならしむることとなるゆえ、敗戦の今日も尚(なお)、蔣介石を援けて離れざる多くの者がある一因となっておるのである。また一方、冀東(きとう)政府も幣制改革と英露の裏面(りめん)策動により、抗日(こうにち)的態度に一変して今日の支那事変を誘発(ゆうはつ)するにいたれり。 また、英は、日独両国を東西に受け戦うことの不利なるがため、独の欧洲において全面的進出せんとして策動しつつありしも黙認(もくにん)の止(や)むなかりしが、独ソ不可侵條約により日独に間隙(かんげき)を生じ、日本が西洋の一切に対し不介入(ふかいにゅう)の声明を発するや、英は一転して独に向かい宣戦(せんせん)を布告し、今日の大動乱化するに至りしが、驚威的(きょういてき)独の進出により仏白(ふつはく)の大敗となるや、わが朝野は挙(あ)げてその機会を逸(いっ)せず南進積極政策を取るべく輿論(よろん)轟々(ごうごう)たりしがついに衆議(しゅうぎ)決せず、内閣総辞職となり次期内閣の成立を見るに至れり。一方、ヒットラーは、この情勢を見るや、東洋において日英米間に大衝突(しょうとつ)を生ずれば、その好期を利用し、英と単独講話を成立せしめんとして月余にわたり待期し、内心英の兵力を東洋に向けしめ、日英米露の国力消耗(しょうもう)作戦を目論見(もくろみ)、その間、占領地域内の整理と再出発の準備をなさんとして、わが近衛首相の重大声明を期待せしが、情勢一転して南方進出を軟化(なんか)するに至るを見るや、再び積極攻勢に出でたるも時すでに遅く、英本土上陸作戦の機を逸(いっ)し、一方、英はその間に充分の防備の機会を得たるため今尚(なお)、上陸を不可能ならしめるに至れり。一方、露は、独ソ不可侵條約を結ぶや方向一変して、ソ満国境に大部隊を集中し、ノモンハンの不祥(ふしょう)事件を誘発するに至れり。

 かくのごとく日本が独伊のために乗り出す都度(つど)、たちまち独は、全面に渉(わた)り敵国の圧迫を稀薄(きはく)ならしむるに反し、日本はその都度日支事変を始め日米英露間に面白(おもしろ)からざる不利を招来せしめつつあることは、過去の事実で明瞭である。特に、今度の三国同盟により極度に独伊の国難を軽減(けいげん)するに反し、英米露支により、完全に包囲(ほうい)状態に陥入ったのである。かくのごとく日本が取り来たりし反対面より過去を考察(こうさつ)するに、かの露が、スペイン動乱の際、日本に不可侵條約を申し込み来たりし時、條約を結ばざるまでも中立を厳守したならば、英露は安心してスペイン動乱に全力を集中し、その時、すでに第二次世界大戦となり、何人も考え及ばざる大混乱に陥入り、米も参戦の止むなきに至る。ただ、日本だけは、何等渦中(かちゅう)に投ずる必要なく、貿易は未曽有(みぞう)の発展と長年の宿望(しゅくぼう)せる八紘一宇(はっこういちう)の大理想は、先ず支那より実現すべく合理的進出ができ、蔣介石も当然これに参加の止むなきに至り、露英にしてもこれを邪魔(じゃま)する暇(ひま)なく、却(かえっ)て日本の反対側につくことを恐れ、両方よりわが計画に賛成するの他なき状勢となる。しかして今日このごろは、現に同種相撃(あいう)つ多くの兵器は西洋に輸出され、わが国は 一兵衂(ちぬら)ず、巨額の国費を消耗せざるのみか、国内には最優秀兵器を充満し、充実せる国力をもって皇道の世界化に乗り出すことができ得たるならん。しかるに、その当時、目前の現象のみに捉(とら)われ世界の動向を閑却(かんきゃく)し、ただ共産主義の赤化にのみ眩惑(げんわく)せし結果、同種相援(あいたす)け共存共栄の大策を樹立すべき日支両国が戦禍(せんか)を交(まじ)え、両国民は未曽有の国難を招来し、日支全民は共に塗炭(とたん)の苦しみに悩み、東洋の富は白人の旧式兵器と交換され、その兵器はアジア人の自殺の用具化せしことは、実に白人に乗ぜられたる結果に他ならず。われらは共産よりも、またユダヤよりも、自国の不徹底不合理なる政策を最も恐る。自国で健全合理化すれば、なんら、共産もユダヤも恐るるに足らず、無限多種の病菌に消毒予防も必要であるが、より自己を剛健(ごうけん)ならしむることが最も大切である。

   未来 日ソ中立條約をいかに生かすべきか:

我が国は神国なりといえども、最善の努力なき所に神助なく、また天佑(てんゆう)神助は現象とも機会ともなり、その容相は恒(つね)に一定せず。故に、正見なき時は天佑による好機を逸する懼(おそ)れあり。已(すで)にスペイン動乱以来、我が国に取りて最大の天佑による絶好機会を逸せしめたる憾(うらみ)あり。今亦(また)重大転機に直面せる国際的善悪の岐路(きろ)に有り。此の左右いずれか一歩の踏み出しにより、日本はもちろん、世界情勢に根本的大変化を生ずる可能性、充分にあり。今回成立せし日ソ中立條約を機会にわが外交政策を一転し、英米と中立または不可侵條約を結ばざるまでも、適当なる方法で両国に対し東洋における不安をなからしめ、一方援蔣(えんしょう)政策を放棄(ほうき)せしめるとともに日対英米間の貿易を旧態(きゅうたい)に復せしめると共に、支那全土を敏速に解決し、次期に対し平戦両用の準備をなすことが、南方進出により国際関係と支那事変を複雑化せしむるより大局において得策(とくさく)ではあるまいか。その理由は、現在三国が援蔣政策を継続しつつあることは、日本が積極的に反英米露に出ることを恐れ、その窘制(きんせい)策としてであるから三国に対し中立を厳守すれば、各国共に喜んでわが要求に応ずるならん。なぜなれば、露は独と利害一致による提携(ていけい)に非ずして、日独に挟撃されることを恐れ、止むを得ざる地位にあるがためにしてその危険が去るまではいかに日ソ中立條約を結ぶも、支那をして日本を抑制(よくせい)さすべく援蔣政策を放棄することなし。万一ありとするもそれは日本を欺瞞(ぎまん)して英米と摩擦(まさつ)を生ぜしめ、その虚(きょ)を突くべき策謀(さくぼう)に過ぎず。しかるに日ソ中立條約により、三国枢軸(すうじく)強化と誤り、積極的反英米に乗り出すことは実に危険である。英米も同様、日本が常に独伊と共に両国の権益(けんえき)を侵害せんとする恐れある間は絶対、援蔣政策を放棄することなからん。しかし、日支事変発生当時とは世界情勢が一変しておるため、英米露にしても支那国内の権益より自国の安危(あんき)が重大であるから、支那以外に対する中立を厳守すれば、わが要求に応ずること明らかである。その時、日本が蔣介石にいかなる要求を持ち出すも応ぜざるを得なくなり、日本に取って最も有利に且(か)つ敏速に解決することを得ん。斯(かく)すれば英米露も相呼応(あいこおう)して独に当たり、欧洲はいよいよ大戦化し欧米自体が自然衰亡に瀕(ひん)するの他なからん。その間、日本は充分国力を充実し、今日一般に高唱(こうしょう)せる皇道の世界化、または東亜共栄圏の確立するにも、最も犠牲なく容易に実現することを得ん。他面、独が今日の勢(いきおい)で全欧洲を併合(へいごう)すれば、露は欧洲全面に対し進出を完封されるのみならず、独の、極度に強化し勝算の見込充分たつ時はいつ露を圧迫すべく出るやも計(はか)り難し。現に、独ソ不可侵條約を結べるも、それまでは日独防共協定により露を攻撃の目標とし、その以前も、ユダヤと共産露を特に敵視し居たるに見るも、根本において両国の対立的地位にあることは明らかである。現に死活を共にせる伊国といえども今日にては内心安心はできぬ。丁度(ちょうど)親犬が虎の子と知らず、番犬と思い育てる内にいつしか猛虎振(ぶり)を発揮し、気付きし時は已(すで)に遅く、ただ静観の外なく、尚(なお)この上極度に独が発展すれば、ついには口中より這(は)い入って一心同体になるほかなき運命に陥る恐れあり。なおさら、伊独と利害相反する英米露は、共に日本の出方次第により独に対立行動に出で、世界戦局が一変するに至らん。而(しか)るにこの好機会に遭遇しながら独伊の驚異的進出に眩惑(げんわく)し、日独が東西より呼応して世界新秩序または東亜共栄圏の確立を叫び積極的進出を企(くわだ)てる時は、英米露を始め東亜全面の小国に至るまで内心恐怖と警戒心を生ぜしめ、その虚を敵の利用する所となり、外交上、連合包囲に陥る危険がある。反面、独はその間に勢力拡大し、遂(つい)に露も欧洲進出を断念し、米も一国にても援英に乗り出さんとするも日本に東洋より突かれることを恐れ、英独戦争に参加を不可能ならしめ、強(し)いて参加するも大半の兵力を東洋日本に備え、ますます援蔣政策を強化せしめ、逆に日本が英米露支の包囲状態に陥入る恐れあり、ついには米は欧洲を放棄して全力を日本に向け来たるやも知れず。併(しか)しこの際、前記のごとく外交政策を一変する時は、目下(もっか)独は相当広範囲に兵力を分散せるため、全面より見る時は防備稀薄(きはく)なる上、警備区内に異分子を多量に胞蔵(ほうぞう)せるがため、英米露の包囲攻撃を受け何(いず)れか一ヵ所において敗戦を招く時は、全面に渉(わた)り異分子の蜂起(ほうき)と反撃により一大混乱に陥る恐れあり。ゆえに独は日本を極力誘導して戦乱の渦中に投ぜしめ、欧洲の戦禍を東洋に転加(てんか)せしめ、自国の負担を極度に軽減せんと計りつつ世界最後の最大勝利を目指(めざ)しつつあり。大局より現在の日独両国の立場を見るに、丁度(ちょうど)黄河の両堤防のごとく、一見その立場同一のごとく見ゆるも、その根底において正反対の運命におかれおることを見逃してはならぬ。その理由は、日独の両堤防の中を英米露仏を始め他の小国ともに時代の奔流(ほんりゅう)に押し流されつつ非常な勢いで逃避場所を求めている。この際両岸何(いず)れかに弱所を発見せば、忽(たちま)ち怒濤(どとう)の勢を以て押し寄せ大決潰(けっかい)を生ぜしめ、ために両方共容相を一変するに反し、残る一堤防は永遠に存続することができる。今日の日本の踏み出す一歩によりその水流の方向が定まり、世界大勢の大半が決せられることになる。万一、両岸が堅牢(けんろう)にしてこの時代の一大奔流を通過せしむることを得るも、次に両国の対立闘争の時期の近く来ることは絶対に逃れ得ぬことである。その時、相手国を強化せしめておくことは最も不利である。ゆえに自国以外には超大国を作らしめず、常に国家間の均衡を保たしめおくことが自国を安全ならしむる最も上策である。

昭和十六年五月二十日大阪市西区

西長堀北通

三ノ十一                    霊    源    閣          大   塚   寛   一        先生