掛けた鍵を開けたのか開けられなかったのか分からないほど、ハニは恐怖で志向が停止していた。
背後から口をふさがれて部屋の奥に引きずり込まれ、抵抗する間もなく床に倒された。
ギラギラした目だけが薄暗がりの部屋でもはっきりと見え、めくれ上がった裾から男の手が肌に触れると、ぞくっと体が反応した。
「こりゃあいい、すっげえ敏感で柔らかい肌だ。」
足で男を蹴り上げようとすると、さらに裾がめくれ上がり下着が丸見えになりそうだった。
それでもこの場から逃げ出したくて目を瞑って足を上げると、強引に男の手がハニの下着を下げた。

嫌・・・

顔をそむけた時に、ハニに覆いかぶさっていた男とは別の視線がに気が付き、そのうちの一人がスマホで自分を写している事に気が付いた。

「記念だよ。記念。楽しい思い出は共有しよう。」
ハニの部屋に隠れていたのは一人ではなかった。
この場から逃げなければお腹の赤ちゃんに影響を与えてはいけない。
手に触れた物を、手当たり次第に投げると、自分を写していたスマホに当たって窓に当たりガラスが割れる音が聞こえた。

「バカにするのか!楽しい事を共有するだけだ!」
男三人に抑え込まれていたら、どんな事をしてもその場から逃げ出す事など出来なかった。
恐怖とショックで遠のく意識に、おじさんもおばさんもいない家で大きな声を出しても助けに来てくれる人はいないと、諦めたつもりはなかったがその後の記憶が途切れた。
ただ遠のく意識の中で聞こえた声は、三人に対して怒鳴っている声だった。





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