「スンジョたち、来たみたいよ。パパもウンジョも、打ち合わせをした通りに3人を迎えてね。」
「驚くんじゃないだろうか?」
「大丈夫よ。これくらいじゃ足りないくらいだから。」
「お兄ちゃん、絶対に機嫌を悪くするよ。」
グミらしいと言えばグミらしいかもしれない。
久しぶりに盛大なイベントをペク家で行う事が出来るのなら、多少の犠牲を払ってもいいと考えているわけでもないが、それくらいグミはハニとの再会と初めて対面する孫娘との記念の日にしたかった。

外の石の階段を上がって来る3人の足音が近づくと、玄関のドアにそれを向けた。
声ではなく目でグミが合図をしてカウントダウンを始め、大きくうなずいたと同時にドアが開き派手な音で3人を迎えた。

「welcome!お帰りなさい我が家に!!」
スンジョはウンジョが思った通り不機嫌な顔になり、スンハは派手な音で驚いてスンジョの後ろに隠れた。
「待っていたのよ。ハニちゃん、スンジョは優しくしてくれる?」
「ご無沙汰しております、お義母さん。」
「お義母さんって呼んでくれるのね?当たり前よね、スンジョの嫁になってくれたのだから。明日は式だから、もう少ししたらお肌のお手入れにエステの人が来てくれるのよ。」
スンジョの陰からグミを警戒して見ているスンハに気が付くと、視線を合わせるようにしてしゃがんだ。

「スンハのお祖母ちゃんよ。可愛いわね・・・ハニちゃんによく似て目がクリッと大きくて。」
「どちらかって言うと、お兄ちゃんに似ていると思うよ。」
5年の間にウンジョの背がいつの間にが、ハニを追い越して見上げるくらいになっていた。
「何を見とれているんだよ。ハニの旦那は僕じゃないだろ。」
「分かっているわ。ウンジョ君もずいぶんと大きくなったなって思って・・お義父さんも、お元気でしたか?」
「元気だよ。ハニちゃんとスンジョが向こうで結婚すると聞いた時、嬉しくてギドンと朝まで酒を飲んだよ。スンハちゃんが生まれた時は教えてもらったけど、もう会う事もないからってギドンは名前も教えてくれなくて・・・運命だなぁ・・・どこに住んでいるのかも知らなかったのに、偶然スンジョが開院したクリニックの近くにハニちゃん達が住んでいて。」

話せばキリがないくらいにグミもスチャンも、勿論ウンジョも今までの事を言いたかった。
だが、スンジョとハニの辛い過去の事は絶対に口にしないと約束をしたのだから、挨拶程度で終わらせて3人をリビングのソファーに腰かけさせた。
スンハは田舎の町の自分の家と違い、新しくて広いペク家のリビングのソファーに、緊張していつもと違っておとなしく座っていた。
家具も何もかもがハニがここを出て行った時と変わらないままだった。

「部屋の改築をしていないから、スンジョの狭い部屋で親子3人でとても眠れないから、ハニちゃんとスンハちゃんは客間を使ってね。リフォーム会社にお願いをしたのだけど間に合いそうもなかったから、ハニちゃんとスンジョが新婚旅行から帰って来たら変わっているから。」
「別にリフォームをしなくてもいいだろう。この先同居をするわけじゃないのだから。」
「分かっているわよ。でも、時々はこっちに来てほしいから、部屋を広くしたいのよ。」
思い立ったらすぐに行動に移すグミは、美貌と若さと一緒で昔と変わらなかった。



人気ブログランキング