★ 日本人拘束を予防せねば! 

在宅ロビー活動にご参加いただいている皆様、このたび松原仁先生が「北朝鮮旅行販売に関する質問主意書」を提出し、政府から答弁を引き出してくれました。政府答弁書は3月31日に閣議決定されています。衆議院HPでご覧いただけます。
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/201127.htm


matsubarajin

質問主意書はまず、北朝鮮が国連制裁を回避する手段として外国人観光客誘致に力を入れていて、武漢ウイルス蔓延前は多数の中国人観光客を受け入れて核・ミサイル開発資金を稼いでいたことを指摘します。さらにアメリカ人青年オットー・ワームビアさんが北朝鮮で拘束されて拷問で殺されたにも関わらず、北朝鮮旅行を販売する旅行業者が日本国内に複数あると問題提起します。そのうえで下記を問いました。

一 北朝鮮を訪問した日本人が拘束され、新たな拉致問題が発生する危険性があると考えるが、政府の見解如何。
二 北朝鮮への企画旅行や手配旅行の取扱いを規制する必要があると考えるが、政府の見解如何。


残念ながら政府答弁は期待したものではありませんが、それでも国民には北朝鮮渡航自粛を、旅行業者には取り扱わないよう要請していると答弁しました。特に北朝鮮への手配旅行については「旅行者に対して旅行をとりやめることを勧めるよう」旅行業者に要請しているとのことです。
前から分かっていたことですが、「訪朝も販売もダメ」と行政の最高機関で正式決定されたことには意味があります。同時に、日本人拉致という重大な危険があるにもかかわらず「要請」しかできないことも明確になりました。

質問三は、北朝鮮が外国人観光客受け入れによって得る外貨収入は、北朝鮮の核・ミサイル開発に貢献し得るかと尋ねています。「貢献し得る」は国連安保理決議の引用で、原文の英語はcould contribute toで可能性のことです。
むろん可能性はあるに決まっています。実際に核・ミサイル開発に大きく貢献しているわけですが、政府は「お尋ねの趣旨が必ずしも明らかでない」と答弁から逃げました。「やっぱり逃げたか」と思いました。

実はこの質問は重大でした。というのは、核・ミサイル開発に貢献し得る金融サービスの提供は国連安保理決議違反なのです。もう10年以上前に採択された安保理決議第1874号パラグラフ18はすべての国連加盟国に「(核・ミサイル開発等に)貢献し得る金融サービスの提供」の禁圧を「要請」し、2013年に採択された決議第2094号パラグラフ11で禁圧が「決定」になりました。「決定」となったらすべての国連加盟国は必ず履行しないといけません。つまり観光収入が核・ミサイル開発に貢献している可能性を認めたら、政府は関係する金融取引をすべて停止させる義務があるのです。それを分かって逃げたのでしょう。
観光収入は核・ミサイル開発資金になっているので実際には違反です。政府は誤魔化して逃げるのでなく、安保理決議を正しく履行していくべきです。

質問の四は、北朝鮮旅行販売最大手の中外旅行社(朝鮮総連直営企業)がアメリカの制裁対象であるにも関わらず大手都銀と取引していると明らかにし、放置していたらアメリカ当局に処罰される可能性があると述べています。そのうえで「我が国の金融機関が米国の法令に抵触しないよう、政府はいかなる指導を行っているか」と尋ねました。

アメリカ大統領令第13722号は「北朝鮮政府」「朝鮮労働党」を制裁対象に指定し、「北朝鮮政府」は「支配下の団体」を含むと定めています。朝鮮総連と傘下団体は北朝鮮政府の「支配下」なので制裁対象です。制裁対象の送金指図電文が邦銀のアメリカ支店を通過したら、その時点で制裁破りという重大犯罪が成立することになります。大手都銀が取引を停止すべきことは明白です。
政府は「個別の取引についてお答えすることは差し控えたいが」と逃げたうえで、一般論として金融機関にマネーロンダリング対策を求めていると答弁しました。

政府から狙った答弁を引き出すことは非常に難しいものです。しかし元国家公安委員長(元警察トップ)であり元拉致問題担当大臣でもある松原先生の質問はたいへんなプレッシャーになりました。松原先生に感謝です!

松原仁先生の「ジンジンちゃんねる

ここで皆様にお願いがあります。ほんの少しだけお時間をください。首相官邸ホームページ「ご意見募集」から安倍総理宛に、「北朝鮮旅行の販売を止めてください。野放しにしていれば日本人が人質に取られます」とメールをお送りいただきたいのです。
http://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
同様の意見を内閣官房、国土交通省、外務省にもお送りください。各省庁に一斉送信できるページがあります。
https://www.e-gov.go.jp/policy/servlet/Propose


松原先生の質問で半歩前進しましたが、武漢ウイルス収束後に訪朝した日本人が拘束される危険はそのままです。中外旅行社は政府の要請を公然と無視して北朝鮮旅行販売を続けています。政府に、金融機関への取引停止指導や法改正などの方法で不用意な渡航を止めてもらいましょう。日本人が人質になってからでは遅いのです。それでは皆様、よろしくお願いいたします。




Emperor Meiji uniform
民草のうへやすかれといのる世に
思はぬことのおこりけるかな
(明治天皇御製)