伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
https://arlnata.com/index.html

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講演「なぜ日本人技術者が海外ファッション業界で評価されるのか」概要9


. あとがき

何よりも今回の講演の後の様々な方の反応から感じたことは、日本を主たる場所として活動される人と海外を拠点に仕事をしている人との間に存在する大きな壁です。私は日本でも4年半程働いていたことがあるお陰で今でも多くの日本の友人知人と情報を交換することができますが、日本人の多くの人がヨーロッパのファッションに日本にはない魅力を感じていると思いますし、海外で働きたいと思う人も少なくはないと思います。実際自分がミラノに出た後、何人もの同僚、後輩、友人、友人の友人から連絡を受け、海外で働くための助言を求められたり、実際お手伝いをしたこともありました。現実に海外で働くことになった人もたくさんいます。日本に一時帰国した時などは、海外はどうなのだと関心を持って聞かれたりなど海外の事情を話すことも頻繁にあります。しかしながら、私自らが進んで発言するとなると、衝突の原因の一つにもなってしまうことがあるのです。「ここは日本だ」、「日本には日本のやり方がある」、「海外で働いているからといって調子にのるな」、となる人も少なからずいらっしゃいます。私は日本のやり方を否定しているのではなく、改善できる点があるのだから、改善していきましょう、と言っているだけなのですが、気に入らない人にとっては私の意見など聞きたくもないのかもしれません。改善なんてする必要すらないと考えているのかもしれませんが、私はそれには賛成しかねます。というのも、今まで約13年の服作りの経験、その中でも特に約8年の海外経験の結果気づいたことは日本には大きな可能性があるということだからです。技術はある、人材はある、マーケットもある。足りないのは認識だけです。もっと”良くなれる”という認識です。”日本には日本のやり方があるから余計なお世話だ”、で止まってしまっては先に進むことはできません。日本のファッションを”より良くする”ためにはこの両者の大きな壁を取り払う努力が必要不可欠です。お互いが謙虚になり、お互いの意見を消化して一緒に良くしていこうという姿勢が必要なのだと思うのです。



<参照用既出リンク>

はじめに
第1章 ファッションのグローバル化 
第2章 世界で活躍する日本人 
第3章 日本人の海外で評価される一般的な特性
第4章 3Dデザイナーの存在
第5章 ヨーロッパのファッション業界の実態、ものづくりに対する意識の違い
第6章 ”日本人が重宝されている”の否定的側面
第7章1項 日本アパレルの技術者育成への示唆1<海外での経験者を国内で積極的に採用する>
第7章2項 日本アパレルの技術者育成への示唆2<海外進出重視のビジネスモデルと並行し、国内マーケットの刷新を図る>
第7章3項 日本アパレルの技術者育成への示唆3<作り手と消費者との距離感を再考察する>
第8章 最後に


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