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特定のタイプの惑星を探す“TESS”だから発見できた! 31光年彼方の巨大地球型惑星“スーパーアース”

2019年08月16日 | 地球外生命っているの? 第2の地球は?
探査衛星“TESS”などの観測により、地球から31光年という近距離に3つの惑星を持つ惑星系が発見されたんですねー
いずれも地球の数倍程度の大きさとみられていて、岩石質で大気があれば液体の水も存在する可能性があるそうです。


恒星の近くを回る地球より大きな惑星

今回観測の対象になったのは、うみへび座の方向約31光年の彼方に位置する11等級のM型矮星“GJ 357”。
太陽に比べて質量が3分の1と軽く、表面温度は約3500K(摂氏3200度)ほどなので恒星として低温な部類になります。

今年の2月にNASAの系外惑星探査衛星“TESS”によるトランジット観測から、“GJ 357”を3.9日周期で回る惑星“GJ 375 b”の存在が明らかになります。
  地球から見て、惑星が恒星の手前を通過(トランジット)するときに見られる
  わずかな減光から、惑星の存在を知る観測方法。


“GJ 357 b”の大きさは地球の約1.2倍ほど。
太陽から水星間の10分の1未満という主星に非常に近い軌道を回っていて、その平衡温度は摂氏約254度と見積もられています。
  平衡温度は、惑星があたかも主星によってのみ加熱されているかのように単純に考えた理論的な温度。大気の有無は関係ない。

これまでに発見されている系外惑星のうち、トランジットを起こす惑星としては3番目に地球に近い“GJ 357 b”。

“ホットアース”のような特徴を持っているので、生命には適さないはずです。
ただ、大気組成の観測対象として最適な岩石惑星のうちの一つとして注目に値するんですねー


追加観測で発見された系外惑星

スペイン・カナリア天体物理研究所のグループが、“GJ 357 b”の存在を確認するための追加観測で、“GJ 357”の周りにさらに2つの惑星を発見します。

これら3つのうち特に興味深いのが、もっとも外側を回る“GJ 357 d”。
“GJ 357 d”の質量は地球の約6倍で、サイズは不明ながら地球の1~2倍程度と考えられていて、太陽から地球までの約5分の1の距離を55.7日周期で公転しています。
○○○
“GJ 357 b”のイメージ図
“GJ 357 d”は“ハビタブルゾーン”に位置していて、火星が太陽から受けるのとほぼ同じ量のエネルギーを受けています。
  “ハビタブルゾーン”とは、恒星からの距離が程良く惑星の表面に液体の水が存在できる領域。
  この領域にある惑星では生命が居住可能だと考えられている。


もし惑星に大気があれば、可能性として出てくるのが液体の水の存在。
ただ、大気がない場合の平衡温度は摂氏マイナス53度… 住みやすいというよりは凍てついた環境といった方がよさそうです。

もう一つの惑星“GJ 357 c”はトランジットでは観測されていませんが、複数の地上望遠鏡による長年の観測データを用いてドップラーシフトという検出法で発見されています。
  ドップラーシフトは、主星の周りを公転している惑星の重力で、
  主星が引っ張られることによる“ゆらぎ”を光の波長の変化から読み取ることで、
  惑星の存在を検出する。


“GJ 357 c”の質量は地球の3.4倍以上。
軌道は他の2つの惑星の間にあって主星を9.1日周期で公転。平衡温度は摂氏約127度です。
○○○
図で表した“GJ 357”系。
“GJ 357 d”は青で示したハビタブルゾーンの外端辺りに位置している。


特定のタイプの惑星を探す探査衛星

これまでに発見されている系外惑星の数は4000個を超えていて、その中には地球によく似た岩石惑星や“ハビタブルゾーン”内にある惑星も多数含まれています。

特に系外惑星探査衛星“ケプラー”は2009年の打ち上げ以降に2600個以上の系外惑星を発見してきました。

ただ、星空のほぼ一角のみを見つめ続けた“ケプラー”と違い、“TESS”が観測の対象とするのは全天。
地球の周りを周回しながら、4台のカメラを使って特定の恒星群を最低27日間ずつ観測し、全天の85%を網羅するんですねー
  観測は最初の1年は南の空、翌年には北の空に移る。

“TESS”が狙うのは、地球からおよそ300光年以内にあり、恒星の明るさによって大気が照らされている惑星になります。

調査する恒星の多くはM型矮星という銀河系に最も多いタイプで、私たちの太陽よりも小さくて暗い恒星。
こうした恒星の周りを回る、液体の水が存在できる暑すぎず寒すぎない惑星は、主星から非常に近い軌道を回っているはずです。

これまでに行われた数多くの観測からは見つかっていなかった“GJ 357”を回る3つの惑星。
今回、偶然見つかったのではなく、特定のタイプの惑星を探す“TESS”だからできたんですね。
“GJ 357”系での惑星発見の紹介動画。


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