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系外惑星観測衛星“ケオプス”の打ち上げが成功! 主目的は発見済みの系外惑星の観測

2019年12月29日 | 宇宙 space
ヨーロッパ宇宙機関の系外惑星観測衛星“ケオプス”が12月18日に打ち上げられました。
“ケオプス”は系外惑星を観測するための衛星なんですが、“ケプラー”や“TESS”などの探査衛星とは違い、主目的は発見済みの系外惑星を詳細に観測すること。
“ケオプス”の観測によって系外惑星の研究がさらに進むことになりそうですよ。


太陽系以外の恒星系を公転する惑星の発見

12月18日17時54分20秒(日本時間)、ヨーロッパ宇宙機関の系外惑星観測衛星“ケオプス”が、フランス領ギアナのギアナ宇宙センターから打ち上げられました。

打ち上げからおよそ3時間後の同20時43分(日本時間)に衛星からの信号を受信、打ち上げの成功が確認されています。
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“ケオプス”の打ち上げ。
“ケオプス”は古代エジプトの王クフのギリシャ名でもある。
近年大きな発展を遂げてきた天文学の分野として、2019年のノーベル物理学賞の受賞テーマの1つでもある系外惑星の発見があります。

普通の恒星の周りを回る系外惑星が1995年に初めて発見されてから現在までの約四半世紀の間に、系外惑星は4000個以上も発見されています。

木星よりも大きなガス惑星や地球よりもやや大きいサイズの岩石惑星、主星に非常に近いところを公転する高温の惑星、主星が連星系など…
惑星やその主星の種類は多岐にわたっているんですねー


すでに発見されている系外惑星の観測

今回打ち上げられた“ケオプス”は系外惑星を観測するための衛星なんですが、その主目的は新たな系外惑星の発見ではなく、すでに発見されている系外惑星のフォローアップになります。

地球から見て系外惑星が主星の手前を通過(トランジット)するときに見られる、わずかな減光から惑星の存在を探る“トランジット法”という手法により、“ケオプス”は高精度で惑星のサイズを測定します。
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観測中の“ケオプス”(イメージ図)。
“トランジット法”による測定結果と、すでに別の手法によって得られている惑星の質量の情報とを組み合わせると、惑星の密度が分かってきます。
そこから系外惑星の内部構造や組成、ガス惑星か岩石惑星か、大気や海に覆われているかなどが判断できるんですねー
さらに、雲の存在やその組成なども明らかにできるかもしれません。

“ケオプス”の高い精度で、すでに発見されている惑星が恒星の手前を通過するタイミングのわずかな変動を測定することにより、まだ見つかっていない惑星を発見する可能性もあります。

また、一部の惑星については衛星や環の探査にも利用できるそうです。

数千個の系外惑星が見つかっている現在、その研究は系外惑星の発見から、惑星のサイズや性質を調べるといった特徴付へと変わりつつあります。
惑星がどんな物質からどのように形成されたのかを知ろうとしているんですねー

“ケオプス”の観測によって系外惑星の研究がさらに進むことになりそうですね。


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