グラスワンダー 栗毛が風に吹かれて posted by (C)M-Kou
数年前、日本と香港のマイル&中距離レースを制圧し種牡馬入りした
栗毛の怪物の孫 モーリス
の産駒が、今年いよいよデビューする事になります。
POG2020-2021の新種牡馬どうすりゃ委員会の記事でもモーリスには本命◎を打った
ので、今回はモーリスの産駒デビュー前の配合考察を
産駒デビュー後、活躍馬が考察どおりのポイントを押さえられているかの擦り合わせも
再度種牡馬考察として後日記事にしたいと思います。
▽ POG2020-2021 新種牡馬どうすりゃ委員会の記事 ▽
冒頭でモーリス産駒の配合考察と書きましたが、とりあえずは祖父のグラスワンダー
そして、父のスクリーンヒーローの配合を、個人的にも後日見返せる様に纏めるところ
から始めようと思います
まずは祖父である 栗毛の怪物 グラスワンダー
[ クロス ]
Nearco 4×5
Native Dancer 5×5
自身の配合はブライアンズタイムやサンシャインフォーエバー、Dynaformer、Lear Fan等
の大物が出た Roberto×Graustark (His Majesty) と、今も尚、日本競馬で存在感を示す
Soaring牝系(Ballade~Glorious Song&Devil's Bag~シングスピール、ハルーワソングetc.)
のニックス配合と、余り取り挙げられないが Amerigo≒Nearctic の3×4のクロスを持つ。
産駒はこれまで14頭が重賞を勝っており、G1(Jpn1)を勝利したのは、アーネストリー
スクリーンヒーロー、マルカラスカル、セイウンワンダー、ビッグロマンスの5頭で、牝馬
の重賞勝ちはフェリシアのみ。
重賞で活躍した産駒14頭の配合で目立つものを挙げると
1. Severn Bridge (トニービンの母、Hornbeamも内包) : アーネストリー、マルカラスカル、スマートオリオン
2. テスコボーイ : セイウンワンダー、マイネルレーニア、スマートオリオン、ビッグロマンス
3. 1.2.以外のNasrullah×Hyperion血脈 : マイネルスケルツィ、マイネルレーニア、メイショウカンパク、コスモヘレノス、フェリシア
4. ノーザンテースト : アーネストリー、スクリーンヒーロー、マルカラスカル、サクラメガワンダー、マイネルレーニア
5. Turn-to系クロス : スクリーンヒーロー、サクラメガワンダー、マイネルスケルツィ、セイウンワンダー、マイネルレーニア
メイショウカンパク、コスモヘレノス、フェリシア、ビッグロマンス
6. Alydar (≒Pi Phi Gal) : オースミグラスワン、コスモヘレノス
7. Danzigクロス : シゲルジュウヤク
父グラスワンダー自身の持つ Amerigo≒Nearctic を増幅して薄まったSt. Simonを補完と同時
に名牝Soaringも刺激。Royal Charger的なしなやかさとスピードや、硬質なパワースピードを更に
増す形で活躍馬を出したのではないかと。
項6.は Danzig×Alydar の形にもなり強烈なパワーの恩恵を授ける組み合わせ。
近年この血脈を持つディープインパクト産駒のジェンティルドンナ、ミッキーアイル、サトノダイヤモンド
などが注目を集めましたが、既に同配合のヤマニンパラダイスがG1を勝っており、その姉Auroraと
Kris S.(Roberto系)の仔であるArchも成功。グラスワンダー産駒も同様に重賞馬が2頭と結果が出て
おり、更に孫の代でも結果を出す事に。
続いては、栗毛の怪物の息子 スクリーンヒーロー
[ クロス ]
Hail to Reason 4×4
Northern Dancer 4×4
自身の配合は、上記した父グラスワンダー項の通り。
父よりも母ランニングヒロインの影響(Halo≒Red God)が強く出た競走馬だった。
デビューから5戦はダートを使われ2勝を挙げており、上級条件はどうかと思うがダートを
こなすパワーも兼備していた。
産駒はこれまで7頭が重賞を勝っており、G1(Jpn1)を勝利したのは、ゴールドアクターと
モーリスの2頭で、牝馬の重賞勝ちは未だ無し。
重賞で活躍した産駒7頭+αの配合で目立つものを挙げると
【 グラスワンダーの代からの継続配合 】
1. テスコボーイ : トラスト
2. Nasrullah×Hyperion血脈 : ゴールドアクター、モーリス、グアンチャーレ、ミュゼエイリアン
3. Amerigoクロス : トラスト
4. Soaringクロス : グアンチャーレ、マイネルグリット、クライスマイル(≒Intriguing)
5. Turn-to系クロス : ゴールドアクター、モーリス、グアンチャーレ、トラスト、ミュゼエイリアン、クライスマイル
6. Storm Bird (≒ノーザンテースト) : ジェネラーレウーノ、ミュゼエイリアン
7. デインヒル(Danzig内包) (≒Ameriflora ): ジェネラーレウーノ
8. Alydar (≒Pi Phi Gal) : ゴールドアクター、ジェネラーレウーノ
【 スクリーンヒーローの代から目立つ血脈 】
1. Sadler's Wells (Bold Reason): モーリス、ミュゼエイリアン
2. Riverman(Never Bend) : モーリス、ミュゼエイリアン、マイネルグリット
3. モガミ(No Teasing) : モーリス
4. Devil's Bag (Cohoes) : グアンチャーレ、マイネルグリット
5. Seattle Slew(Glamour) : ミュゼエイリアン、クライスマイル
6. Nijinsky、Buckpasser(≒Tom Fool、Spring Run) : グアンチャーレ、ジェネラーレウーノ、マイネルグリット、クライスマイル
【その他 底力、パワーを補完しているであろう血脈】
1. Graustark & His Majesty : モーリス(≒Diagonale)、ジェネラーレウーノ、ミュゼエイリアン
2. War Relic ≒ Eight Thirty : グアンチャーレ、ジェネラーレウーノ、トラスト、ミュゼエイリアン、マイネルグリット、クライスマイル
3. Roman(≒Admiral Drake) : モーリス、グアンチャーレ、ジェネラーレウーノ、マイネルグリット
※ +αのクライスマイルは重賞勝ち無いが獲得賞金が高く、プレイメイトを通じ面白い配合をしているので記載。
上記を見ると、グラスワンダーの継続配合とスクリーンヒーローの代から目立つ血脈との両方
からG1馬が誕生しているのが判ります。
ゴールドアクターはグラスワンダーの継続配合が核となっており、モーリスはグラスワンダーの
継続配合を含みつつ、核は母母のモデルスポートの持つ Menow×Bull Dog血脈 や Nasrullah
×La Troienne 血脈を増幅した配合。
そしてグラスワンダー産駒の代では余り目立たなかったパワーやRibotの底力を持った血脈を
補完してHalo≒Red God的なスクリーンヒーローを支えバランスを取っているのでは。
あと、獲得賞金上位20頭の中にサンデーサイレンス(上記ではTurn-to系クロス群中)のクロス
を持った馬が4頭(ウインオスカー&トラスト兄弟、レノーア、ナムラヒューマン)居る事も注目で
グラスワンダーの孫世代ではこのクロスは「あって当たり前」となっても可笑しくないかも。
いよいよ 栗毛の怪物の孫 モーリス
[ クロス ]
Northern Dancer 5×5×4×5
Hail to Reason 5×5
自身の配合は、上記した父スクリーンヒーロー項の通り。
世間的な認知ではマイラーとしての評価の方が高いと思いますが、個人的にスピードが勝った
中距離馬と今でも評価していて、自信を持って天皇賞・秋でも本命◎を打ったのが懐かしい。
モーリス産駒のデビュー前の配合考察として、祖父グラスワンダーと父スクリーンヒーロー産駒
の配合をここまで改めて見直した事に加え、モーリスの代で出来る配合を見つつ好相性となり
うる配合形等を列記していこうと思います。
【 産駒デビュー前の配合考察 モーリス編 】
1. AmerigoとSoaringを増幅
代の下がってしまうNorthern Dancerを補完すればNearcticを用いて継続可能。
他の代表的な血脈を挙げると、Severn Bridge (トニービンの母、Hornbeamも同じく≒血脈)や
テスコボーイ、Intriguing、他のNasrullah×Hyperion血脈でも応用可能。
2. サンデーサイレンスや他のTurn-to系をクロス
グラスワンダーの代からの継続でRoyal Charger的なしなやかさとスピードを補完。
サンデーサイレンス系の肌馬が溢れかえっているので、今後当たり前のクロスとなりうる
可能性が高く、父スクリーンヒーローが重賞勝ち馬を出している点も評価したい。
3. 祖父の代から好相性のAlydarを用いる
≒Pi Phi Gal や ×Danzig の形でパワーとスピードを補完出来、Alydarの母Sweet Tooth
がAmerigoとSoaringにも作用するので使い勝手が良い。
4. Menow×Bull Dog血脈やNasrullah×La Troienne血脈を増幅
スクリーンヒーローの代からの継続で、モデルスポート~マジックゴデイスを増幅させて
瞬時の加速力やスピードを継続的に強化。
5. Graustark&His Majestyを使って代の下がったRibotの底力を補完
モーリス自身もHis Majesty≒Diagonaleの形でRibotを補完しているので、産駒の代
でもこれを継続することで爆発力に繋げたい。
6. Sadler's Wells = Fairy King ≒Nureyevの形でパワー&スピード強化
前向きな気性とパワースピードを強化出来る名牝Specialを増幅するクロスで、Roberto
が絡む分パワフルさが表に出過ぎなければ効果的なはず。同時に項1.7.も補完出来る。
7. Hyperion×Son-in-Law血脈を増幅し持続力に富んだスピードを強化
モーリスの母メジロフランシスの持つLyphardを増幅して持続力に富んだスピードの強化
を図る。Flower BowlやSpecialにも同血脈が含まれるので屋台骨を強化する様なイメージも。
8. Flower Bowl≒Burghclere≒Aureoleでスタミナや底力を強化
ブラックタイドやディープインパクト、先々現れるであろうレイデオロ等の肌馬で出来るクロス。
既にマイネルフロスト(父ブラックタイド×母父グラスワンダー)が重賞を勝ち、ダービーでも
3着と結果を残しており、上記3頭は更に他のクロスも絡むので面白いはず。
9. Ameriflora≒デインヒルでパワー増し
正直良い方に転べばグラスワンダーらしさを増せるが、場合によってはパワーが勝って
スピード不足にもなりえるもろ刃の剣という印象。モーリス自身のスピードが上手く伝われば
いいが、しなやかさやスピードをしっかり補完出来る配合と同時に使う方が無難かも。
10. War Relic≒Eight Thirty、Romanなどの米血を持って来てパワーやスピード増し
これも項9.同様にパワーが勝るとスピード不足でダートの方が良くなる可能性を秘めるが
Silver Hawkがそこまでダート向きの産駒が出ない(孫にビッグロマンスとか居るけど)ので
柔軟な走りをしていたモーリスにはプラスに働くかも。
とりあえずざっと書き出してみましたが、他にもMr. ProspectorやLaw Society、Caerleonを
使ってみる等もありますが、キリがないのでこんな感じで。
最後に上記の配合考察から種牡馬モーリスに合うであろう血脈を持つものをピックアップして
今回の種牡馬考察を〆としたいと思います
1. Hornbeam、テスコボーイ等
【 配合考察該当項 : 1 】
Nearco×Hyperion (Nasrullah×Hyperion) 血脈で、グラスワンダー産駒の代から結果
が出ている配合の継続。AmerigoとSoaringを同時に増幅出来る。
2. Buckpasser、Nijinsky、Never Bend、Bold Reason等
【 配合考察該当項 : 4 】
Menow×Bull Dog血脈やNasrullah×La Troienne血脈で、スクリーンヒーロー産駒の代
から結果が出ている配合の継続。モデルスポートの増幅。
3. Burghclere
【 配合考察該当項 : 7、8 】
スピードやスタミナ&底力を上手く補える血脈が多く、ブラックタイドとディープインパクト
の肌馬の数も多いのもポイント。同時期に種牡馬として産駒がデビューするミッキーアイル
や、先々産駒が出てくるレイデオロの肌馬でも面白い配合形になる。
4. Ballade内包馬 (Glorious Song、Devil's Bag、Angelic Song、Saint Ballado等)
【 配合考察該当項 : 1、4 】
スクリーンヒーロー産駒で成功している配合の継続。Soaringのクロスに加え、Halo等も
クロスする形になる。シングスピールやタイキシャトル、ハルーワソングを使えば大物
を狙うことが出来そう。
5. ステラマドリッド、タックスヘイブン、Althea牝系
【 配合考察該当項 : 1、3 】
Alydarを父に持ち、牝系としても優秀。
≒Pi Phi Galや×Danzigで祖父~父の成功配合の継続を狙う。
6. ダンスインザダーク
【 配合考察該当項 : 1、2、4、5、7 】
グラスワンダー産駒ではメイショウカンパク、スクリーンヒーロー産駒ではナムラマル
が出ている。サンデーサイレンスとMenow×Bull Dog血脈にGraustarkを持ち合わせる
のでバランスよく映る。
7. スペシャルウィーク
【 配合考察該当項 : 1、2、4、7、8 】
セントクレスピンでAmerigoとSoaring、Flower Bowlを増幅したり、マルゼンスキーで
Menow×Bull Dog血脈を増幅したり面白い形になる。下手したら揉まれ弱さ全開と
なってしまうかもしれないが、嵌ると凄そう。
8. キングヘイロー
【 配合考察該当項 : 1、2、4、7、10 】
母母Pound Foolishを使ってモデルスポートを増幅してモーリス自身の配合を継続。
他にもDroneやLyphard等も抱えているので、スピード豊かな競走馬が生まれそう。
ダンシングブレーヴの影響で極端な脚質に出る可能性は気に留めたい。
9. キングカメハメハ
【 配合考察該当項 : 1、4、5、6、7 】
好相性となりうる血脈が多く、同時にサンデーサイレンスやトニービンを内包している
良血牝馬が多くおり、成功形となる可能性が高そう。項1.と2.も内包しており、産駒の
ルーラーシップやロードカナロア、ドゥラメンテ、レイデオロ等が今後血を広げる事から
とにかく先々まで受けが広い。
10. ハービンジャー
【 配合考察該当項 : 1、4、5、7、8、9、10 】
キングカメハメハと同様にモーリスと好相性になりうる血脈を豊富に内包している。
Robertoをクロスする事になるので、パワータイプにベクトルが向き過ぎると鈍足に
なりそうなので、しっかりとスピード面で強化する方がいいかも。
11. ハーツクライ
【 配合考察該当項 : 1、2、7 】
サンデーサイレンス×トニービン配合のハーツクライはシンプルにグラスワンダー
産駒の代からの配合として好形となるのと、Hyperion×Son-in-Law血脈をLyphard
をクロスして補える。肌馬の母系にもう1つか2つ、効果的な血脈があれば尚良しか。
上記した血統と好相性となっていくか、はたまた全く想定外の血脈が合うのか
産駒デビュー後に勝ち上がり頭数が増えた段階で再度種牡馬考察を行って
答え合わせをしていきますので、お楽しみに
では、今回はこんなところで
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