気分は逆光線 | 風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」
か、雷だ!
それも相当でかくて、かなり近い。
じっと耳を澄ませていると、どうやら違うようだ。

花火かな? 時計を見ると18:45分。

ネット検索をしたら出てた。
18:30~19:30 8888発

開催が15分ぐらい遅れたようだ。

よし、と立ち上がったけど、また座った。
自転車だとすぐそこなんだけど、晩酌を始めてしまったのでやめた。お酒を飲むと判断力が鈍るから危ない。

僕はこの町に住み続けて10数年経つけど、花火の音を聞いたのは初めてだ。いつもは仕事をしていたということだね。

あ、この連発音はスターマインだ。フィナーレが近づいているのだろう。

あれ、音がしなくなった。
15分短縮になってない? 結構遠くから来た人もいるだろうに、短縮はかわいそうだな。

夏は終わった。
好物のスモモとトマトは一回しか食べなかった。
トマトなんて冷蔵庫の中で一個ダメにした。

ざるそばも素麺も一度も食べなかった。
カットスイカはよく食べた。
季節のものは、その季節に体が必要とするものができるようになっているのだろうな。

湿度が低くて乾いた風の吹く日も悪くないな、と思う。

この歌のタイトルが思い出せずに、公園で聴くことができなかった。
自分のことはさておいて、来生たかおが老いてしまったことを僕はひどく残念に思っている。僕の中で、彼はいつも若い。



彼も今年、70歳になる。若い人なら信じられないだろう。おじいちゃんと呼ばれてもおかしくない彼が若いころにこの歌を作り歌ったことなど。
人生なんて、一瞬のことなんだ。この世は少し、残酷だ。



気分は逆光線 / 来生たかお



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