ジョン海ネプチューン氏の息子のデビット・ネプチューンが 海山氏の
ドキュメンタリー映画を制作し、このほど東京で上映されることとなった。
もう2年も前、ネプチューン氏から電話があり、「牧原さんは私の尺八を
使っている尺八家として、取材させてほしい」とのこと。
名古屋で虚無僧のシーンとインタビューを撮影。
かつて1986年、NHKkのビデオコンテストで、ネプチューン氏を
撮った私のビデオが「ドキュメンタリー優秀賞」を受賞した。
当時は、「外国人が尺八」というのは大変珍しく、奇異の目でみられて
いた。あれから30年。その当時私が撮ったビデオの映像も
今回の映画で一部使われています。
次の一文は 過去に書いた記事、再掲。
私が尺八を始めた50年前、「尺八は外国人には理解できない。
不器用な彼等には吹けるはずがない」と言われていたが、
30年前、ジョン海山ネプチューンの出現で一変した。
私が吹く『鹿の遠音』『鶴の巣篭もり』『下り葉』などは、
実はネプチューンの受け売りだ。尺八もネプチューンの
「スーパー尺八」を使っている。
さらに、You-Tubeを見れば、アメリカ人やその他の外国人に
よって、もっと前衛的で禅的な奏法の「本曲」がさかんに
アップされている。
一方、中国(台湾)人の文松章簫の尺八は、形は尺八だが、指孔
が異なり、ツの中メリ(E)を加えた中国音階で、演奏技術も
すばらしい。日本人顔負けなのだ。
これら外国人が吹く尺八は、日本人とはひと味違う。こうして、
本家本元とは違う尺八がどんどん生まれてきている。
これって仏教の伝播と同じではないかと思う。尺八はどんどん
変化していってよい。その時代、国民、民族に受け入れられる
ことによって存続していくのだ。