福岡の高校出身のプロ野球選手たちの2020年




福岡大大濠2年時の坂本投手

 プロ野球界では、各球団で新人選手入団発表を終えました。
 今年のドラフト会議では山下舜平大投手(福岡大大濠)がオリックス1位指名を受けました。福岡県の高校生がドラフト1位指名を受けたのは2012年の森雄大投手(東福岡→楽天)以来となりました。
 福岡の高校出身の大学生では、久留米商出身の古川裕大捕手(上武大)が日本ハム3位、西日本短大附出身の大曲錬投手(福岡大)が西武5位で指名を受けたほか、九産大九州出身の岩田将貴投手(九州産業大)が阪神育成1位、小倉工出身の丸山翔大投手(西日本工大)がヤクルト育成4位、九州国際大付出身の古長拓選手(福島レッドホープス)がオリックス育成6位で、それぞれ指名を受け入団しました。

<2020年入団>———————————
■投手
◇山下舜平大【オリックス1位】(福岡大大濠/右投右打)…背番号「12」
◇大曲 錬【西武5位】(西日本短大附→福岡大/右投右打)…背番号「59」
◇岩田将貴【阪神育成1位】(九産大九州→九州産業大/左投左打)…背番号「122」
◇丸山翔大【ヤクルト育成4位】(小倉工→西日本工業大/右投左打)…背番号「017」

■野手
◇古川裕大【日本ハム3位】(久留米商→上武大/右投左打)…背番号「27」
◇古長 拓【オリックス育成6位】(九国大付→東北マークス→福島レッドホープス/右投右打)…背番号「016」

 なお、主な大学のスポーツ推薦合格者は以下の通りとなっています(各スポーツ紙より抜粋)。
【早大】中村敢晴(筑陽学園・内)【法大】山城航太郎(福岡大大濠・内)【中大】深浦幹也(福岡大大濠・投)【拓殖大】石田渉人(九州国際大付・内)【大東文化大】豊健翔(筑陽学園・内)【横浜商大】中原昴(筑陽学園・内)
—-

 さて、毎年恒例、「福岡の高校出身のプロ野球選手たち」(2014年以降)の今季成績も、振り返っておきたいと思います。

<2019年入団>———————————
 ルーキーイヤーとなった2選手のうち、DeNAの坂本裕哉投手(福岡大大濠)は開幕ローテーション入りを果たし、セ・リーグ新人投手の勝利1番乗りを果たすなど4勝を挙げました。楽天の福森耀真投手(北九州)は2軍で7試合の登板に終わり、来季の1軍初登板が期待されます。

■投手
坂本裕哉【DeNA】(福大大濠→立命館大)2019年2位
〔2020〕試合数=10/投球回数=46/勝敗=41敗/防御率5.67

福森耀真【楽天】(北九州→九州産業大)2019年5位
〔2020〕1軍登板なし(2軍:試合数=7/投球回数=5.2/勝敗=2勝1敗1S/防御率11.12)

<2018年入団>———————————
 2年目を迎えた広島の島内颯太郎投手(光陵)は前年を上回る38試合に登板。待望の初勝利を挙げました。オリックスの富山凌雅投手(九州国際大付)は勝ち星こそつきませんでしたが、18試合に登板するなど存在感を示しました。ヤクルトの久保拓真投手(自由ケ丘)は初先発を経験したものの、前年を下回る10試合の登板に終わりました。野手ではヤクルトの松本友内野手(東福岡)が育成から支配下登録を勝ち取り9試合に出場。初安打も記録しました。巨人の松井義弥内野手(折尾愛真)は3軍が主戦場となり1軍昇格はならず、西武・東野葵投手(福岡第一)、ソフトバンク・中村宜聖内野手(西日本短大附)は、支配下登録を目指した戦いが続きます。

■投手
島内颯太郎【広島】(光陵→九州共立大)2018年2位
〔2020〕試合数=38/投球回数=37.2/勝敗=1勝0敗/防御率4.54
〔2019〕試合数=25/投球回数=28.2/勝敗=0勝0敗/防御率4.40

富山凌雅【オリックス】(九州国際大付→トヨタ自動車)2018年4位
〔2020〕試合数=18/投球回数=18.1/勝敗=0勝2敗/防御率4.42
〔2019〕試合数=01/投球回数=2/勝敗=0勝0敗/防御率0.00

久保拓真【ヤクルト】(自由ケ丘→九州共立大)2018年7位
〔2020〕試合数=10/投球回数=13.2/勝敗=0勝1敗/防御率5.93
〔2019〕試合数=16/投球回数=11/勝敗=0勝0
敗/防御率5.73

東野葵【西武】(福岡第一→日本経済大)2018年育成1位
〔2020〕1軍登板なし(2軍:試合数=11/投球回数=21.2/勝敗=0勝1敗/防御率3.74)
〔2019〕1軍登板なし(2軍:試合数=08/投球回数=28.2/勝敗=2勝3敗/防御率7.85)

■野手
松本友【ヤクルト】(東福岡→明治学院大→福井ミラクルエレファンツ)2018年育成2位
〔2020〕試合数=9/打席=11/打率.200/本塁打=0
―2020年7月支配下登録
〔2019〕1軍出場なし(2軍:試合数=91/打率.248/本塁打=2)

◇松井義弥【巨人】(折尾愛真)2018年5位
〔2020〕1軍出場なし(2軍:試合数=04/打率.300/本塁打=1)
〔2019〕1軍出場なし(2軍:試合数=20/打率.136/本塁打=1)

◇中村宜聖【ソフトバンク】(西短大附)2018年育成4位
〔2020〕1軍出場なし(3軍:試合数=49/打率.165/本塁打=2)
〔2019〕1軍出場なし(3軍:試合数=66/打率.220/本塁打=2)

<2017年入団>———————————
 楽天の寺岡寛治投手(東海大五)は24試合に登板し、プロ初勝利を含む2勝を挙げました。2018年オフには戦力外通告を受けて育成契約も経験した寺岡投手ですが、プロ3年目にして一軍定着を果たしました。阪神の谷川昌希投手(筑陽学園)は過去最多の14試合に登板しましたが、ホールドポイントは獲得できませんでした。西武の高木渉外野手(真颯館)はスタメンを含む12試合に出場。2本の本塁打を放つなど長打力を発揮し、来季以降の活躍に期待が高まります。

■投手
岡寛治【楽天】(東海大五→九州共立大→九州三菱自動車→石川)2017年7位
〔2020〕試合数=24/投球回数=20/勝敗=21敗/防御率3.15
〔2019〕試合数=01/投球回数=03/勝敗=0勝0
敗/防御率9.00
 ―2019年7月支配下登録
 ―2018年オフ、
戦力外通告→育成契約
〔2018〕1軍登板なし(2軍:試合数=30/投球回数=39.1/勝敗=3勝2敗/防御率3.89)

◇谷川昌希【阪神】(筑陽学園→東農大→九州三菱自動車)2017年5位
〔2020〕試合数=14/投球回数=14.1/勝敗=0勝0敗/防御率5.02
〔2019〕試合数=04/投球回数=07.1/勝敗=0勝0敗/防御率3.68

〔2018〕試合数=07/投球回数=12.2/勝敗=11敗/防御率7.82

■野手
高木渉【西武】(真颯館)2017年育成1位
〔2020〕試合数=12/打席=40/打率.175/本塁打=2
〔2019〕試合数=01/打席=01/打率.000/本塁打=0
 ―
2018年11月支配下登録

〔2018〕1軍出場なし(2軍:試合数=75/打率.278/本塁打=6)

<2016年入団>———————————
 ヤクルトの梅野雄吾投手(九産大九産)は今季も42試合に登板し、過去最高の5勝を含む17ホールドポイントを挙げました。オリックス・張奕投手(福岡第一)は先発ローテーションの一角を担い、前年と同じ2勝を挙げています。ただ、阪神・尾仲祐哉投手(高稜)は4試合、前年初勝利を挙げた阪神・濱地真澄投手(福岡大大濠)は1試合のみの登板に終わり、2018年に7勝を挙げた阪神・小野泰己投手(折尾愛真)は1軍での登板はありませんでした。
 打者では2018年新人王の楽天・田中和基外野手(西南学院)は開幕2軍スタートと出遅れ、80試合で打率2割4分という成績に終わりました。ヤクルト・大村孟捕手(東筑)は3季ぶりに1軍出場を果たせませんでした。

■投手
◇梅野雄吾【ヤクルト】(九産大九産)2016年3位
〔2020〕試合数=42/投球回数=42.1/勝敗=52敗/防御率3.61
〔2019〕試合数=68/投球回数=67.2/勝敗=234S/防御率3.72
〔2018〕試合数=29/投球回数=26.2/勝敗=32敗/防御率7.09

〔2017〕試合数=02/投球回数=8/勝敗=0勝1敗/防御率6.75


張奕【オリックス】(福岡第一→日本経済大)2016年育成1位
〔2020〕試合数=13/投球回数=48/勝敗=24敗/防御率4.31
〔2019〕試合数=08/投球回数=27.1/勝敗=24敗/防御率5.93
 ―2019年5月支配下登録
〔2018〕1軍登板なし(2軍:試合数=5/投球回数=5/勝敗=0勝0敗/防御率0.00)
※2018シーズン途中で投手に転向
〔2017〕1軍出場なし(2軍:試合数=59/打率.091/本塁打=0)

尾仲祐哉【阪神】(高稜→広島経済大)2016年DeNA6位
〔2020〕試合数=04/投球回数=4.1/勝敗=0勝0敗/防御率6.23
〔2019〕試合数=05/投球回数=5.2/勝敗=0勝0敗/防御率6.35
〔2018〕試合数=12/投球回数=11.2/勝敗=0勝
1敗/防御率3.86
 ―FAの人的補償で阪神に移籍
〔2017〕試合数=11/投球回数=19.1/勝敗=11敗/防御率6.52

濱地真澄【阪神】(福岡大大濠)2016年4位
〔2020〕試合数=01/投球回数=01/勝敗=0勝0敗/防御率0.00
〔2019〕試合数=21/投球回数=28/勝敗=21敗/防御率6.11
〔2018〕1軍登板なし(2軍:試合数=9/投球回数=27/勝敗=3勝1敗1S/防御率1.00)
〔2017〕1軍登板なし(2軍:試合数=6/投球回数=12/勝敗=1勝1敗/防御率6.00)

小野泰己【阪神】(折尾愛真→富士大)2016年2位
〔2020〕1軍登板なし(2軍:試合数=14/投球回数=21.2/勝敗=0勝4敗/防御率11.86)
〔2019〕試合数=14/投球回数=11.2/勝敗=0勝1敗/防御率2.31
〔2018〕試合数=23/投球回数=126.1/勝敗=77敗/防御率4.77
〔2017〕試合数=15/投球回数=78.2/勝敗=27敗/防御率4.35

■野手
田中和基【楽天】(西南学院→立教大)2016年3位
〔2020〕試合数=80/打席=282/打率.240/本塁打=8
〔2019〕試合数=59/打席=193/打率.188/本塁打=1
〔2018〕
試合数=105/打席=465/打率.265/本塁打=18
〔2017〕試合数=51/打席=51/打率.111/本塁打=1

大村孟【ヤクルト】(東筑→福教大→九州三菱自動車→石川ミリオンスターズ)2016年育成1位
〔2020〕1軍出場なし(2軍:試合数=56/打率.264/本塁打=1)
〔2019〕試合数=5/打席=5/打率.200/本塁打=1
〔2018〕
試合数=9/打席=10/打率.125/本塁打=0
 ―
2018年3月支配下登録

〔2017〕1軍出場なし(2軍:試合数=99/打率.268/本塁打=5)

<2015年入団>———————————
 昨季13勝を挙げ、2年連続の開幕投手を務めたDeNAの今永昇太投手(北筑)でしたが、8月に左肩の違和感を訴えて戦線を離脱し5勝に終わりました。10月には肩の手術を受け、来季に復活をかけます。ソフトバンクの渡辺健史投手(飯塚)は2軍での登板もゼロに終わり、来季からはソフトバンクの打撃投手に転身することが発表されています。

■投手
今永昇太【DeNA】(北筑→駒大)2015年1位
〔2020〕試合数=09/投球回数=53/勝敗=53敗/防御率3.23
〔2019〕試合数=25/投球回数=170/勝敗=137敗/防御率2.91
〔2018〕試合数=23/投球回数=84.2/勝敗=411敗/防御率6.80

〔2017〕試合数=24/投球回数=148/勝敗=117敗/防御率2.98

〔2016〕試合数=22/投球回数=135.1/勝敗=89敗/防御率2.93

渡辺健史【ソフトバンク】(飯塚)2015年育成5位 →2020年11月戦力外通告
〔2020〕1軍登板なし(3軍:試合=48/投球回数=48/勝敗=3勝2敗2S/防御率3.56)
〔2019〕1軍登板なし(2軍:試合=23/投球回数=49.2/勝敗=5勝0敗/防御率2.72)
〔2018〕1軍登板なし(2軍:試合=43/投球回数=41.2/勝敗=3勝1敗/防御率2.30)
〔2017〕1軍登板なし(3軍:試合数=41/投球回数=66.1/勝敗=1勝2敗1S/防御率4.21)
〔2016〕1軍登板なし(3軍:試合数=14/投球回数=14.1/勝敗=1勝1敗/防御率5.65)

<2014年入団>———————————
 昨年オフに楽天からロッテに移籍した小野郁投手(西日本短大附)は過去最多となる40試合に登板。プロ初勝利を含む2勝をあげ、ロッテの2位躍進に貢献しました。日本ハムの清水優心捕手(九州国際大付)は今季も主力として69試合に出場しましたが、打率・本塁打とも前年から数字を落としました。ソフトバンクの古澤勝吾内野手は2軍で.276の成績を残しましたが、1軍を経験することなく戦力外通告を受け、無念の退団となりました。

小野 郁【ロッテ】(西日本短大附)2014年楽天2位 
〔2020〕試合数=40/投球回数=39/勝敗=22敗/防御率3.23
 ―FAの人的補償でロッテに移籍
〔2019〕試合数=13/投球回数=18.2/勝敗=0勝0敗/防御率6.27
〔2018〕試合数=09/投球回数=10.1/勝敗=0勝1敗/防御率3.48

〔2017〕試合数=02/投球回数=2/勝敗=0勝0敗/防御率9.00

〔2016〕試合数=11/投球回数=13.1/勝敗=0勝0敗/防御率8.78
〔2015〕試合数=04/投球回数=5/勝敗=0勝0敗/防御率14.40

■野手
清水優心【日本ハム】(九州国際大付)2014年2位
〔2020〕試合数=69/打席=157/打率.193/本塁打=3
〔2019〕試合数=98/打席=246/打率.259/本塁打=5
〔2018〕試合数=86/打席=242/打率.215/本塁打=7

〔2017〕試合数=61/打席=120/打率.198/本塁打=1

〔2016〕試合数=05/打席=8/打率.250/本塁打=0
〔2015〕試合数=01/打席=2/打率.000/本塁打=0

古澤勝吾【ソフトバンク】(九州国際大付)2014年3位 2020年11月戦力外通告
〔2020〕1軍出場なし(2軍:試合数=61/打率.276/本塁打=0)
〔2019〕1軍出場なし(2軍:試合数=87/打率.117/本塁打=1)
 ―2018年11月育成契約へ
〔2018〕1軍出場なし(2軍:試合数=23/打率.233/本塁打=0)
〔2017〕1軍出場なし(2軍:試合数=41/打率.120/本塁打=0)
〔2016〕1軍出場なし(2軍:試合数=64/打率.220/本塁打=0)
〔2015〕1軍出場なし(2軍:試合数=58/打率.201/本塁打=1)

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