縄文時代には

”戦争”はなかった・・・？

 

 

 

縄文の世界観、豊かさ、自然との共生　

現在、東京国立博物館で開催中の「縄文展」を見ると

さまざまなことを考えさせられます。

 

なぜこの豊かな縄文文化が

「文明」と呼称されないのか　

そもそも《文明》とは何なのか・・・







私見ですが・・・

 

現在のところ、歴史的区分としての
先史時代から文明時代への分岐点は

金属器の出現（すなわち銅から青銅器、
青銅器から鉄器）が画期になっているように思います。

 

つまり、金属器を使用することを覚えた社会から

《文明》と呼ばれるようになる。






金属器を知った社会が、階層化を生み、

時に専制国家を生み、
大規模戦闘、すなわち戦争をひきおこし

集団同士のヒエラルキーを生じさせ

武力を背景とした人為的な象徴秩序を形成していく。

人類はそのような「文明」の時代へと移行してきたのではないか。

 

したがって縄文時代は、

金属器を知らず、階層化もなく

集団同士の大規模な殺し合いもなかったらしいので

《文明》とは言われないのではないの？

という疑問。

 

 

 

 

 

 

 

金属器を製造するためには

鉱石を溶かすための炉が必要であり

炉を稼働させるための燃料、すなわち薪や木炭、石炭などが必要。

 

そして、一連の道具、技術、専門技能、一定の科学知識などが存在して

初めて可能となるもの。

 

火の使用が始まったのだけでも人類にとって画期なのに

さらに、その火を高度にコントロールして金属生成を行なう。

 

人は一体、どうやってその技術を得たのか

考えてみれば、本当に不思議ですね。

 

そして、その結果として、

産業器具の金属使用にともなう生産力の飛躍的な向上、

戦闘における殺傷力の向上などとともに

それまでとは比べ物にならないほどの大規模な政治組織を発生させ

社会における階層化の激化など、

金属器の出現は人類史において大きな画期となったわけですね。

 

 

 

銅の発見は紀元前9000年にもさかのぼるといいます。

それが青銅として鋳造され始めるのが

紀元前3600年頃、メソポタミアのシュメール人によって。

そしてシュメールは世界最古の都市国家を発生させるわけ。

 

やがて紀元前1700年～1100年にかけては

いよいよ鉄器が人類史上に登場。

メソポタミアの北、アナトリア高原のヒッタイト民族によって。

彼らは鉄の精錬技術を用いて、当時の世界においては

最新式の、優れた武器や戦車を持って

強力なヒッタイト王国を築いていきます。

 

こうして金属器、とりわけその軍事利用を推進した文化が、

結局のところ、現在につながる《文明》の基礎となったのでは

ないだろうか・・・・。

 

 

 

 

吉野ヶ里遺跡　2017年8月撮影　

 

 

縄文時代の人骨には、大量殺戮の形跡がないといいます。

ところが弥生時代以降の人骨には、明らかに武器による殺傷を示すものが

数多く見つかっているのですね。

 

”弥生人”とは、日本列島に外部から入ってきた人種であり

彼らは青銅器や鉄器を列島にもたらしたわけです。

 

つまり、この列島に《文明》が入り込み、そうしてやがて

倭国大乱の時代へと　《歴史》は進んでいくわけですね。

 

 

 

 

 

 

 

ふとそんなことを考えた

73回目の「終戦記念日」

 

 

 

 

 

 

+MEMO

「ヒロシマとイヴ・クラインの「人体測定」+”母の証言”」

 

ヒロシマの写真が発想源の１つだという

イヴ・クラインの「人体測定」シリーズを

ご紹介。

 

「だから私はナガサキを描く」

ナガサキの閃光の下で消えていった

会うことのできなかった私の親族

 

 

未読の方はぜひお読み頂きたい内容。

「母の証言」

by マダム・スノウ

 

詩人のマダム・スノウさんが

ご自身のお母さまから聞いた

戦争の衝撃的な証言。

当時小学生だった少女の目に焼き付いた殺戮。

そこには、アメリカ人による殺戮、

そして日本人による殺戮が

並行して描かれています。

 

 

このスノウさんの詩に私が写真をつけさせていただいた記事は

「”母の証言” 少女が見た戦時殺戮の現実」 

by あらんみら

 

 

 

 

同級生がアメリカ人に目の前で殺された

夏の光景。

そして、2名のアメリカ兵を

なぶりになぶって

大人たちが殺すさまをみた冬の光景。

ことにアメリカ女性兵士に対する

憲兵たちの蛮行。

 

どちらも

ティーンエージャーになったばかりの

少女の目の前で起きたことだった・・・

 

 

 

 

被災された方々が

一刻も早く

落ち着いた暮らしに

戻れますように！