November Gymnasium
罪はいつも
封印されたツボの中。
Bach - Cello Suite No.2 i-Prelude
J.S バッハ
無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV1008
前奏曲
「11月のギムナジウム」
11月の第1火曜日の午後
ヒュールリン全寮制ギムナジウムに
エーリク・ニーリッツが転入してくる。
そこにはまるで分身のようにそっくりな少年、
トーマ・シューベルが・・・。
出会うはずのない、
出会ってはいけなかった2人が出会うことで
物語は急転直下、
悲劇の結末へとなだれ込んでいく。
11月が終わるなって思ってたんだ。
そしたら、12月が来るな・・・・・・・
そりゃ、そうさ。
とんで1月は来ないよ。
ラストシーンの、エーリクとフリーデル委員長のセリフが心に残っている。
ひと月の間に起きた悲劇。
全てが過ぎ去ったあと、
朝の冷気の中でかわされる会話。
―11月が終わるなって思ってたんだ。
そしたら、12月が来るな・・・・・・・
―そりゃ、そうさ。とんで1月は来ないよ。
November Gymnasium
「11月のギムナジウム」
萩尾望都の短編 1971年
長編の「トーマの心臓」（1974年）の姉妹編とされる。
「トーマの心臓」は、フランス映画「悲しみの天使」にインスパイアーされた作品という。
文庫本版の作者自身のあとがきによれば、
よく「トーマの心臓」の後に発表されたスピンオフ作品と思われがちだが、
「11月のギムナジウム」の方が早く発表されたのだとか。
確かに「トーマ」は1974年、そして「ギムナジウム」は1971年。
こちらの方が3年も早い。
その成り行きだが
連載のあてもなく、ただ創作物として「トーマの心臓」を描いていた頃、
ふと枝分かれするようにスピンオフした形で
「11月のギムナジウム」がするするとできてしまったそうだ。
少しずつ人物の設定が違うものの、キャラクターのビジュアルはほぼ共通ですね。
「ギムナジウム」の黒髪のフリーデル委員長は
「トーマ」のユリスモール委員長（ユーリ）だし、
オスカーは相変わらずオスカー。
エーリクとトーマの設定は・・・これ以上いうとネタバレ。
「トーマの心臓」はこちらをクリック
（こちらに「11月のギムナジウム」の解説も）
↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%81%AE%E5%BF%83%E8%87%93
ちなみに、ウィキペディアの「ト－マの心臓」には
英語版、フランス語版、イタリア語版、韓国語版あり。
でもドイツ語版はなかった、残念。
英語版はこちら
↓
Thomas no Shinzō
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
このところ実家の断捨離に余念のない私、
本箱の中の萩尾漫画で休憩したりしております。
で、11月が過ぎゆく前に
以前アップした「11月のギムナジウム」関連の記事を
少しだけ手を入れて再アップ。
作品の持つ雰囲気から発想したフォトを配置し
バッハを合わせてみました。
それにしても、この萩尾望都という作家
あの若さ（当時）で、これらの作品群を描いた・・・
恐るべしだなあ、と年齢を経て今読み直しても思いますね。
11月26日（木）宮ケ瀬湖
東京では、晩秋に雲がたちこめ、冬の訪れを感じさせます。
この青みがかったグレーの雲が、欧州の空を思い起こさせるのですね。
冬になってしまえば逆に毎日ピッカピカの青空なんですけどね。
さあ、間もなく11月も終わり。
私の大好きな台詞をもう一度かみしめながら
本日の記事を締めようと思います。
エーリク：
11月が終わるなって思ってたんだ。
そしたら、12月が来るな・・・・・・・
フリーデル委員長：
そりゃ、そうさ。とんで1月は来ないよ。
みなさま、どうぞお体に気を付けて
おすごしくださいませ。
あらんみら
◆
◆◆
MAY YOUR DAYS
BE BRIGHT!
＊
＊＊＊
みなさまの上に
素敵なことがたくさん
舞い降りてきますように！
あらんみらより
～愛をこめて～
＊＊＊
＊
As-salamu alaykum
السلام عليكم
Shalomשָׁלוֹם
■Aran-Mira
photo by あらんみら (C)Aran-Mira
Copyright (C) 「アダルトマダムかく語りき。」All rights reserved ／ 本ブログ内の写真、画像、テキストなどコンテンツの無断転載・転用を禁じさせていただきます。リンク、リブログは大歓迎です