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2024.04.07
カテゴリ：本
先週読んだ「2050年の世界 見えない未来の考え方」とは、
真逆の視点で述べられている本書「資本主義の次に来る世界」。 連続して読んだから視点の違いがはっきり分かりとても面白い  「2050年の世界」は資本主義で突き進み、進歩しろ！、稼げ稼げ!!に対して、 生態経済学者の「資本主義の次に来る世界」は、稼ぐな！、成長するな!! となっており、資本を軸にするか、地球を軸にするか… 視点が違うと、考えも全く異なるなと...  著者は、 「資本主義における生産の拡大が目的とするのは、 人間のニーズを満たすことでも、社会を向上させることでもなく、 利益を引き出し、蓄積することだ。それが何より重要な目的だ。」 と述べ、さらに、 「すべての産業、部門、国の経済は終着点がないままに 常に成長しつづけなければならない」 と続けていた。 また、 「生態系の安定を犠牲にしてでも成長し続けることを主張する人々は、 本当は必要でさないもののために、 文字通りすべてを危険にさらそうとしているのだ」 と、資本主義(成長主義)が地球を壊していると繰り返し述べていた。 年々業績を上げないと許されない世界に身を置いている自分だが、 どこまで成長し続ける必要があるのか？ その先に何が見えるのか？ 全部機械が人間の代わりなっている世界では、人は何をしているのだろう？ 人類が何もしなくなるまで進化したらその先に何が見えるのか。 などなど、ぼやっと考えたことがあったけど、 本書も同じような疑問を投げかけていた。 今は資本家のために働かさせられているだけか。 この先は… 何もしない者と、何もしない者のために働く者と、 持つものと持たざるものの違いが分からないように益々進んでいく、 言い方を変えれば、”見えない奴隷”の世界なのかもしれない。 また、解説では、「アニミズム対二元論」の視点とあったので ホモ・サピエンスの功罪について述べられている「サピエンス全史」との比較、 「サピエンス全史」⇒「資本主義の次に来る世界」の順に読むのもありかも。 視点の違う本を比較して読む面白さも味わえた。 これまたお勧めの一冊であった  2024年11冊目 期間：2024年3月29日～2024年4月4日 題名：資本主義の次に来る世界 LESS IS MORE. HOW DEGROWTH WILL SAVE THE WORLD 著者：ジェイソン・ヒッケル 翻訳：野中 香方子 出版：東洋経済新報社 (2023/4/21) 内容（出版社より） 6,318位本 (Amazon本ランキング) 「少ないほうが豊か」である！ 「アニミズム対二元論」というかつてない視点で文明を読み解き、 成長を必要としない次なる社会を描く希望の書！ ●気になったフレーズ ・つまりわたしたちは、人間の文明が危機に瀕していることを ほぼ半世紀前から知っていたのに、生態系の崩壊を食い止めることに関して、 まったく進歩がみられないのだ。 ⇒生態系の崩壊を食い止めるよりも、一部の人たちを裕福にすることが優先されている  ・人間の必要を満たすためではなく、 利益を最大化するために設計された生活様式を縮小することもできる。 製品寿命をあえて短くする計画的な陳腐化や、わたしたちの感情を操作し、 現状に不満を抱かせる広告戦略などがその例だ。 ⇒企業側の視線で見ると、人間の生活を豊かにしたいとの思いかもしれないが、 地球目線だと、人間をこれ以上豊かにする必要はないだろうとなる… どっちも正しく、視座や視線が異なっているだけ。面白い ・クズネッツは、GDPを経済成長の尺度にすべきでない、と警告した。 成長に伴う社会的コストをGDPに組み入れ、人間の幸福に配慮する、 よりバランスの取れた目標を政府は追及すべきだ、と彼は考えた。 ⇒GDPは家事や介護など、貨幣価値に換算できない活動は含まれないのが理由。 GDPでの経済指標は企業が中心の世界を築いているってことね ・成長主義とは、 人間の具体的な必要を満たすでも、社会的目標を達成するためでもなく、 成長そのもののために、あるいは資本を蓄積するために、 成長を追い求めることだ。 ⇒他の章では、 「お金もモノももう十分ある」、という未来は決して訪れないのだ。 とあった。 目的を伴わない貪欲な成長…。怖い気がする... ・脱成長とは、経済の物質・エネルギー消費を削減して 生物界とのバランスを取り戻す一方で、所得と資源をより公平に分配し、 人々を不必要な労働から解放して繁栄させるために必要な公共財への投資を行うことだ ⇒総論賛成・各論反対となるので、実現には世界政府が必要になるかも… ・おそらく、グリーンエネルギーへの移行を実現する唯一の方法は、 工業生産のペースを積極的にスローダウンすることだろう。 … なぜなら国際社会は、極度の貧困を終わらせるというもう一つの 共通の目的のもとで結束しており、世界の指導者たちは、 貧困を撲滅する唯一の効果的な方法は世界経済の成長を促進することだ、 と言い続けていたからだ。 ⇒グリーンエネルギーやエネルギー削減に向けた技術の成長より、 世界経済の成長の方が大きく、エネルギーの消費は減らない。 世界経済の成長は貧困をなくす唯一の手段なので止められない。 この矛盾… それを解決さえるために先進国の成長を止める必要があると、 筆者は述べている。 この主張にとても考えさせられた… ・電気自動車への切り替えはすべきだが、 最終的に必要なのは、車の数を大幅に減らすことだ。 ⇒その通りだな  ”実現には資本主義では無理だから、資本主義の次が必要”が、著者の主張。 自動車の代わりに自転車を増やしている国もあるが、 自動車産業はすそ野が広いため、地球全体での営むが必要あると思う... ・エコロジーと成長が対立する場合、経済学者と政治家は常に成長を選び、 現実をそれに適合させるために、極めて創造的な方法を試そうとする。 ⇒成長を選ばないと、彼らの職がなくなるからね...  ・平均寿命向上の予測因子として、衛生対策に次ぐのは、 ユニバーサル・ヘルスケア(すべての人が適切な医療をうけられること）への アクセスであり、それには子供のワクチン接種も含まれる。 ⇒長寿の秘訣は、衛生、医療とあり、教育(特に女性教育）とあり、 さらに、所得はあまり関係ないとあった。 私は、衛生も医療も教育がベースになるので、一番大切なのは学べる環境だと思う ・最富裕層の購買力を大幅に下げると、 それだけで排出量削減に世界レベルの影響を及ぼすことができるだろう。 ⇒しかし、経済が回らなくなる。 経済と環境のどちらを選ぶのか… 選ぶのは誰だろう？？ ・わたしたちは皆、成長のアクセルを踏むことを強要され、 その先には地球という生命体にとって致命的な結果が待ち受けている。 すべては裕福なエリートをさらに金持ちにするためなのだ。 ⇒知らぬ間に階級社会ができあがっているよね… ・1．使い始めてから数年経つと、動作が遅すぎて役に立たなくなる 2．修理は不可能か、ありえないほど高額 3．広告キャンペーンによって、自分が使っている製品は時代遅れだと人々に思わせる ⇒アップルの戦略とのこと。 著者の視点からこのように見えることは理解できる。 技術の進歩を要と捉えるか、不要と捉えるかの差… まぁ通信の世界は、そろそろサチっているので、 著者のいうアップルの戦略にそろそろ変更が生じると思っている、 次はThat’s資本主義の本を読んでみたい スピード練習をする際にスマホアームバンドの揺れが気になったので、 期限切れの楽天ポイントでランニング用のウェストポーチ購入。 これが大正解!! 揺れないし、軽いし、違和感がない!! 買い物マラソンや期限切れのポイントでお試しあれ お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
最終更新日
2024.04.07 10:49:22
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