山之介です。
「富山県」では「ネマガリタケ」の事を「ススタケ」とか「ススダケ」と呼びます。
前回「小倉山」の山歩きで「ススダケ」を65本採りましたが、あんなのは「山菜クエスト」には入りません。
今回が「山菜クエスト」になります。
5月30日(土)、今回狙うのはあの正面の山になります。
実は「猪谷」に向かう「国道41号線」の道路下の斜面に崖崩れが起きて4月10日から完全通行止めになっていました。
それが3日前の27日に解除されたばかりなのです。
復旧しなかったら今日はここへ来られなかったわけです。
6:30 駐車スペースに到着すると、「な、何じゃこりゃー!」
こんな超マイナーな場所にすでに車が15台も停まっています。こんなのここに来るようになって初めて。
6:50 身支度を終えて出発です。
「JR高山線」 昔はあの線路を歩いて登山口に向かったそうです。今の時代はさすがに無理ですねー。
トンネルに入って
約500m先のこの非常口から出ます。
非常階段を降りて
この線路下が登山口です。ここまで10分掛かっています。
7:00 スタート。ここがこの山唯一の水場。湧水が出ているのでそのまま飲めますよ。
しばらくはプラスチックの階段上り。
この山にはほとんど山野草が無いので、「コナスビ」や
「イラクサ」だったかな?この葉っぱの形は結構好きです。
「エンレイソウ」ぐらいしか見る事が出来ません。
ここからかなり急な勾配が続きます。
鉄塔巡視路 兼 登山道が一定の傾斜で造られているから九十九折りとなっています。「富士山」の登山道と同じ理屈ね。
「サワハコベ」 花の直径は8mmくらいかな。かなり小さい花です。
うっそうとした杉の植林地から明るい森林へ。
「タニウツギ」
45分で最初の鉄塔。ここで1回休憩。
最初の鉄塔までのログ。
この辺りで良く見かける「ワラビ」の成長した姿。
ここからブナの原生林に入ります。
15分で2番目の鉄塔。ここでもちょこっと休憩。
すぐに3番目の鉄塔が見えて来ます。ここでご夫婦に抜かされました。
15分で3番目の鉄塔通過。
4番目の鉄塔に向かいます。例年ならこの斜面で「ワラビ」を少し採りながら登るのですが、今年はもう伸びちゃってます。
15分で4番目の鉄塔。この辺りで「ウド」の柔らかい穂先だけを採っているグループがいらっしゃいました。
この鉄塔が唯一見晴らしの効く場所。ちょっとボケてますが「北アルプス 立山」と「剱岳」。
カールが広がるどっしりとした「薬師岳」。
赤丸の所に肉眼で「槍ヶ岳」も見えていました。
4番目の鉄塔までのログ。
ここまで来れば山頂まではあと1時間ほど。がんばりましょう。
地獄のようなプラスチックの階段。
果てしなく、果てしなく。
今日のザックは7kgくらい。
60リットルのザックの自重が2.5kg。
水が2.8リットル=2.8kg。
食料、行動食にガス缶、ストーブなどの火器に雨具などを足して全部で7kgほど。
もう暑くてあごから汗がしたたり、ズボンの裾はいつものように膝上までめくり上げています。
再び杉の植林地に入れば勾配も緩くなり横移動が始まります。
このあたりの竹藪に入ってる人が5~6人いました。『細いのか伸び過ぎたのしか無い~。』って聞こえて来ました。
9:00 「唐堀山(1,159m)」に到着。
山頂までのログ。
ここまでが登山。ここからは山菜採りです。
ヘリポートに向かいましょう。
「ユキザサ」が目立つようになって来ました。
もう登山道の両側はずっと竹藪です。
9:10 ヘリポートに到着。
あれだけ車が停まっていたのに人は少なくここまで30人くらいしか見ていません。
ザックを降ろして一息ついたら「ススダケ」を採りに行きましょう。
ラジオを木に掛けて最大ボリュームで鳴らしておきます。ここが出口と分かるようにね。
さあ、竹藪に突っ込みますぞー。
入った瞬間から中はこんな感じになります。
「おっ!」
「おおっ!」
「おぉぉー!!」 テンションMAX。
20分ほど入ってこれだけ採りました。
次の藪へ。
「これこれ。」
「これですよ。」
また30分ほどで出て1回休憩。
冷たい飲み物での休憩は生き返る~。下の2本は凍らせて持って来ています。
3回目に突入~。大きな木を出口の目印にしておきます。
「三つ子ちゃんは大歓迎ですぞ!」
「ニョキニョキ」
ここで10時30分になったのでおにぎり休憩。
4回目の突入に行きました。もうそろそろ腰が痛い。中腰で移動したり採ったりするからね。
11:30で上がりとしました。
短いの、細いの、太いの、ちょっと伸び過ぎたの含めて約15kgくらい採ったと思います。
そろそろお帰りになられる方もチラホラ。
皆さん帰りはザックが膨らんでいます。
ヘリポートには日陰がないので登山道の木陰に移動してお昼です。
今日はこれ。
ですが、メインは焼き「ススダケ」でパーティ。withあじしお。
ヤキソバンは美味しいけど向こうで焼け始めている「ススダケ」が気になるぅ~。
焦げ目がつけば出来上がり。
皮を剥いてほれ、
ほれほれ。
焼けば筍のアクも無くなり、ほくほく。ホクホク。
さらに冷たい飲み物で生き返るゥ~。
お腹もいっぱいだし、60リットルのザックもいっぱいで入らないからもう帰ろうかな。
12:15 ヘリポートを見に行くと・・・もう誰も居ません。ザックが2つだけポツンと残っていました。
戻ってザックをかつごうとすると正面の竹藪の中から
『どっちへ行けば良いのか分からなくなって来た。 (´;ω;`)ウッ…』
と、男女の声が聞こえて来ました。どうやら竹藪迷子になったようです。
もう周囲には誰もいないし、ほっておく訳にはいかないよね。
「ススダケ」を採ってみんな喜んで帰ってもらいたいし。
そこで手を叩いて「こっちですよー。」と誘導してあげました。
向こうも気付いたようでこっちに向かって来ます。
無事、竹藪を脱出され
『ススダケ採りに夢中になっていたらどこに居るのか分からなくなりました。』
「あった、あったとどんどん奥に進んで行きますからね。鉄塔の位置を覚えておくといいですよ。」
と、お話していたらその方が急に
『もしかしたら山之介さんですか?』
「え?何故に?」
『手怪我しているし。』
「え?」
『昨日のブログで手を怪我してキズバン貼ったって書いてたじゃないですか?』
「それだけで分かるの?」
『それにこの前買ったばかりの新しい靴を履いているし。』
「その2つで分かるんですか?」
『この前30日はここに来るって予定を出していたじゃないですか。』
「そんな事まで憶えているんですか?」
『今日ここに登れば絶対来ているんじゃない?って話していたんですよ。』
「奥さんまでそんな事を。」
『それにやっぱり今日もカップ焼きそば食べてたみたいだし。』と、またまた奥さんチェック。
「そこまでチェックされちゃうんですかぁ。」
『いつも山菜採りのブログを参考に勉強させてもらっているんですよ。』
と、何と自分の超マイナーなブログを熱心に読んでくださる「富山県民」の方にお会い出来ました。
嬉しいと言うよりホントビックリしましたわ。
隅々まで読んでくださってしかも憶えていらっしゃるとは。
自分なんて右の耳から左の耳へスーッと消えていくんですけどね。
写真も一緒に撮らせてもらいましたが、お断りもなく顔を出すのはまずいのでバックショットで。
10分ほどお話してお別れしました。
名前を聞くのを忘れましたが、お気軽にコメント書いてもらって構いませんのよ。
12:25 下山開始です。
ザックの重さは22kgオーバーになりました。ずっしり22kgです。欲が深ければ深いほど帰りのザックは重くなる代表例です。
基本下りだけだから何とかなりそうだけど登りがあると絶対無理やね。
登りでは地獄だったプラスチックの階段。下りでは膝が・・・。
25分で4番目の鉄塔。
30分で3番目の鉄塔、で小休止。
40分で2番目の鉄塔。
50分で最初の鉄塔で小休止。
この鉄塔の少し下には「ヤマボウシ」の木があり、毎年この時期に来ると花を見せてくれます。
気温は22℃、湿度が30%で蒸し暑さはありませんでした。
「朴」の葉っぱ。ストックの先と比べると大きさが分かるかな。
今日1つ気付いたのはこの前買ったこのスパイク靴。
泥の上を歩くには全然平気なのですが硬い物の上を歩くとスパイクが地面に刺さらず、逆に靴の中に盛り上がって足裏が痛くなります。
もっとも今日はいつもより体重が22kgも重くなっている事も関係していると思いますが。
それでもまるで「足裏マッサージ機」の上をずっと歩いているようでガマン出来ない痛さ。
インソールが薄すぎるのかなぁ。中敷きを1枚増やしてみようかな。
13:50 無事「JR高山線」の下まで下山出来ました。
橋を歩いているとちょうど「JR高山線」が「富山駅」に向かって「ガガン、ガガン」と鉄橋を渡って来ました。
14:05 駐車スペースに付くと、な、な、ぬわんと車は25台停まっていました。
空いたスペースを勘定すると今日は40~50台ほど停まっていた事になります。
むろん、全員「ススダケ」採りが目的ではなく、純粋に山登りを楽しみに来られた方も10人くらい見かけました。
下山までのログと
今日1日のログ。
本日の成果はこれだけ。大きめのスーパーの袋2つ分。約250~300本の「ススダケ」です。
帰りに「楽今日館」で汗と竹藪で汚れた体を洗おうとしたら、567の影響で営業は6月1日からとなっていました。
「ススダケ」は山菜好きな友人、知人に50本ほど、親せきなどに50本ほどお裾分けしました。
それでもまだ150~200本ほど残っていますので、瓶詰にするか冷凍して保存する事にします。
これで今年の「山菜クエスト」は終了です。
山之介
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