「フラッグシップのカメラは信頼性が高く、壊れない」

って、よく言われますが。

 

全体を平均するとそうなのかもしれませんが、実際に長年写真業界の中で生きてきて、フラッグシップ機でも壊れた事例をいっぱい知っています。

 

「Canon New F-1は絶対に壊れない。だから、私は予備機材を持っていかない」

と言ってた、同じ会社に所属する若いプロカメラマンさん。主張先でF-1が壊れ、ちょうど近場にいた私の携帯に電話をかけてきて、

 

「予備の機材、貸して下さい!」とSOS。

 

私は常に予備機材を持ち歩いているので、すぐに貸してあげました。

 

そして、「NikonのF4」というカメラ。

1988年に発売された、これも「フラッグシップ」と呼ばれる、ニコンの最高機種。

プロも当然使用してました。私が所属する「婚礼写真会社」でも採用して大量購入してました。

 

そして、契約するカメラマンは、このカメラを使用しないといけなかったのですが、これがね、よく故障しまして。。。。

 

「このF4故障してます。別のもう1台を貸して下さい」

と借りたF4もすぐに故障したりして・・・・・

(もしかして、会社の方で定期点検とかメンテナンスをやってなかったのかもしれません。コスト削減が厳しい会社でしたから)

 

まあ、私、基本的に「機械は信用しない」性格で、どんな時も必ず自分の機材を持っていきますから、急遽、それに切り替えて撮影を続行しました。

 

F4の故障は4回くらい経験しまして、「とてもじゃないが、仕事では使えない」ってことで、本当はその会社の規定では「社有機を使用する」になってましたが、それに従わず、自前のF90Xを使用してました。

 

F90は90と90Xの2台持ってましたが、長期間、かなりの現場で酷使しましたが、一度も故障したことはなく、私にとっては信頼性の高い機種でした。(性能も高く、使いやすいカメラだったのに、後続のF100のほうが人気で、F90はちょっとかわいそうなカメラでした)

 

ちなみに、別の現場では「会社で用意したCanon EOS-1を使いなさい」という規定で、これを使ったんですが、EOS-1も、「DX識別機能が故障し、ASA100のフィルムを装填したのに、ASA1600のフィルムと認識される場合がある」という、リコール案件があり、この時は「自動ではなく必ず手動でASA感度を設定して下さい」とか言われてて。

「Canonの最高機種もだめじゃん!」と呆れた思い出があります。

 

 

Nikon F4に関しては「さすがフラッグシップ」「素晴らしいカメラだった」「信頼性が高い」と高評価のプロカメラマンも多いのですが、自分の経験上は「怖くて使えないカメラ」という認識でした。

どんなカメラも当たり外れがあり、たまたま、私が「ハズレ」にばかりあたったってことなんだと思うんですけどね。

 

とにかく、私個人に関しては「Nikon F4」はNGカメラだったわけです。

 

そんななか、今、Nikonの昔のフラッグシップのフィルムカメラ(中古)を全部揃えようと、F1からF5まで入手したんですが。(仕事ではなく、あくまでもカメラマニアの趣味です)

 

Yahooで購入したF4は、「程度C」で傷があったり、ファインダーが汚かったりしてて、しかし、いちおう「完動品」ということで「写真が撮れる状態」をうたって、それなりの価格で売られていたのを買ったわけですが。

いざ、手元に届くと、「電源が入らない」という不良物件で。

「あ~、またF4か~」と嘆いてしまいました。

 

本来なら「不良品ですよ、返金して下さい」と返品すべきものですが、自分としては「私にとって、Nikon F4はこういうカメラなんだ」と変に納得してしまい、動かなくても、美術工芸品としての価値だけで飾っておこうと、そのまま持っています。(デザインは嫌いじゃないです)

 

Nikon F4

 

 

もしかして、鬼門なのかも????

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結婚式の撮影を約2000組ほどやってきた人間です。

 

さて、

1978年公開のSF映画に「カプリコン1」というのがあって、「実は人類は月に行っていない」という奇想天外な発想に驚きました。大好きな映画です。

 

さて、今回は「アプリコン」・・・・「アプリ婚」のお話です。

 

私が結婚式の撮影を始めた1987年。当時の婚礼事情は、恋愛結婚が主でした。中でも「社内婚」が一番多かったと思います。自分の感覚では「6割が社内婚」だったような気がします。

 

「仲人」はほぼ100%ついてましたが、当時は「結婚式のために整えた、形式上の仲人」がほとんどであり、昔ながらの「お相手を見つけて紹介し、お見合い結婚として、くっつける」という、本当の仲人はすでに少なくなっていました。

 

ただし、個人の「仲人」ではない、会社の事業として「お見合いをさせる」企業が出現し勢力を伸ばしていました。これ、実際に1~2割はあったと思います。ただ、当時は「お見合い結婚」というのは「恥ずかしい」と感じる人が多くなっていて、実際はそういう会社を利用した「お見合い結婚」なのに、披露宴の時の紹介の体裁は「趣味のサークルで出会った恋愛結婚です」とカモフラージュするなんてこともありました。

 

その後、終身雇用制が崩れてくると、社内結婚は減少しました。

そして、「神前式からキリスト教式結婚式への移行」「バブル崩壊」という状況下、急激な変化として「仲人」が消滅しました。

まあ、仲人を立てると、いろいろお金もかかりますからね。でも、ほんと、あっという間に消滅して現場ではびっくりしたものです。(仲人がいないほうが、仲人の挨拶の時間とか削減できるため、式場業界も、仲人の消滅を後押しした背景もあると思います)

 

そして、時代が変わって、スマホなどの発明、IT社会になり、「出会い系アプリ」「マッチングアプリ」が出現します。

これも画期的な変化でした。当初は、こういうアプリで結びついたことを恥ずかしがって、「友達の紹介で出会いました」とかカモフラージュする人もいましたが、今はもう、披露宴の冒頭の「司会者からの2人の出会いの紹介」で、堂々と、「マッチングアプリで出会いました」と公表するようになっています。まったく恥ずかしいことではない、という社会的認識になっているのかもしれません。

 

ある統計では、2022年現在、「マッチングアプリ経由の結婚」は37%だそうです。

ほんとに増えましたね。

 

そして、面白いのは、「マッチングアプリ経由で結婚した人の離婚率が低い」ということ。

でも、これって、考えてみれば当たり前で、出会う前までの段階で、「お互いのことをいろいろ調べている」「優秀なコンピューターソフトで相性のいい人を紹介している」「趣味や思想があっている人がマッチングされる」ということで、別れにくいのは当然という気がします。

 

とにかく、そういうことで、今は、結婚の出会いに関しては「アプリ婚が第一位」だそうです。

 

アプリコン1

 

ってことですな。

 

 

 

 

 

 

今から考えるとすごく不思議なんですが、婚礼スナップの業界における「撮影技法」で、2005年~2008年頃に、あるブームがありました。

 

「水平崩し」「斜め写真」というものです。

わずかな斜めだと「うまく水平が撮れなかったのかな?」(つまり撮影ミス)と取られるため、これをやる時はかなり思い切った斜めにします。30~45度くらい傾けます。

 

これ、最初にやったのが誰だかわからないのですが、デジタル一眼レフが発売されて、業界全体でデジタル化が急速に進んだ時期に、「デジタルだとフィルム代を気にする必要がないから、挑戦的な構図でいろいろ撮っても、あとで取捨選択すればいい。特にお金はかからない」という意図もあったんでしょう、誰かが「斜め写真」を始めたんだと思います。

 

これがヒットして、「スタイリッシュ」とか「フォトジェニック」とか言われて、全国のブライダルカメラマンがみんな真似をしました。

 

恥ずかしながら私も撮ってます。

 

 

 

結婚式場の看板を撮る時でさえ、斜めに撮ってました。

 

なんか今から考えると恥ずかしい気がします。

 

ただ、あくまでも「ちゃんと水平になっている写真」が基本ですから、こういう斜め写真は、多くても「5枚に1枚くらいの割合」で撮ってました。ちゃんとした水平写真を撮ったうえで、時間の余裕がある時に、斜め写真を加えていました。

 

でも、「斜め写真のほうが主」にしているカメラマンもいたようです。当時のネット記事を見ると、ワタベウェディングさんのスナップカメラマンさんが撮った写真では「10枚中、8枚が斜め写真だった」と苦情を言っている新郎新婦がいたりして。斜め写真がすごいブームになっていたことがわかります。

うちの事務所にも、よそでスナップ写真を撮ってもらいアルバムも作ってもらった新郎新婦さんから、「そちらの事務所で、アルバムを作り直してもらえませんか?」という特殊な依頼が来たことがあります。

その業者が作ったアルバムが、なんと「8割位が斜め写真になっている」というもので、「見ていて頭が痛くなるようなもの」だったのです。そのお客さんはその業者に苦情を言いましたが、「これが今の流行りなんです」とか弁解したらしく、らちがあかないため、うちにSOSしてきたそうです。

お客さんからいただいた「写真収録CD」を見たところ、ほんとに、撮影時に、「8割ぐらいが斜め写真」でした。驚きました。

写真編集ソフトで、斜めの写真を水平に戻して、アルバムを作り直しましたが、ものすごく手間がかかったので、商売としては赤字でした。

 

今から考えると「あの頃のウェディングカメラマンはみんな頭がおかしかったのではないか?」と思えるくらい、斜め写真がブームでした。

 

今、冷静に分析すると、斜め写真はたしかに「変わってて、かっこいい」と思わせる効果はありますが、「10枚に1枚」「20枚に1枚」くらいの割合に押さえておくのがいいかと思います。それくらいの比率だと、いい「アクセント」になります。

 

とにかく、「8割が斜め写真」は異常です。

 

 

 

なお、「アクセント」というと、うちの事務所では「魚眼レンズ」を時々使用していました。

天井の高い、広い披露宴会場で、高い位置から、会場全体を撮影するのに使ったりしており、ものすごく歪曲した変な構図ではありますが、こういうのが「100枚に1枚くらい」あると、いいアクセントになりました。

 

100枚に1枚程度しか撮らない写真でも、その専用のレンズとカメラを持っていく。そのへんが「プロ」だと思ってます。

 

それにしても、あの「斜め写真ブーム」って、ほんと、なんだったんでしょう?

こういうニュースがあり、同業者としては大きな衝撃を受けました。

 

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神戸 結婚式撮影のカメラマンが屋上から転落 意識不明の重体

26日午前、神戸市で結婚式の撮影をしていたカメラマンの男性が、建物の屋上から転落しました。
男性は意識不明の重体だということで警察が詳しい状況を調べています。

26日午前10時40分ころ、神戸市中央区のレストランの従業員から、「カメラで撮影をしていた男性が屋上から転落した」と消防に通報がありました。
警察によりますと、建物の3階部分にある屋上で撮影作業にあたっていた20代とみられる男性が道路に転落し、病院に運ばれましたが意識不明の重体だということです。
警察によりますと、このレストランには結婚式場が併設されていて、男性は施設から委託され、式が始まる前に新郎新婦の動画を撮影していたときに、足を踏み外して転落したとみられるということです。
転落した場所には柵などは設置されていなかったということで、警察は当時の状況を詳しく調べています。

 

 

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このニュースを見てから、あれこれ調べてみました。どういう絵を撮っていたかの画像も発見しました。

このレストランは高台にあって、その屋上に、おそらく後から「芝生」を貼ったようで、そこをフォトスポットとして売り物にしていたようです。

柵もあえて取り付けなかったような感じがします。柵がないために、「天空の楽園」とも思えるような、すごくきれいな写真が撮れます。

 

 

出張持ち込みカメラマンさんのブログを拝見しました。(※このカメラマンさん、すごくうまいです) そこには、今回の事故現場で撮った素晴らしい風景の写真がありました。

これは、新郎新婦も喜ぶでしょうし、カメラマンも一生懸命いい写真や映像を撮りたくなるようなロケーションだと思います。

特に、今回の事故は「ビデオカメラマン」さんです。ビデオの人は動きながら撮ることが多く、ベテランだと周囲も同時に見ていますから、転落などしませんが、若い人だと、画面に集中して、周りが見えていなかったのかもしれません。

 

たしかに、素晴らしい写真スポットですが、いっぽうで、非常に危険な場所に見えました。

 

「柵がない」「落ちたら即死」というような高い場所に、新郎新婦や、アテンドの人や、カメラマンを上がらせるって・・・・・

よくないと思います。というか、おそらく建築法規的には「違法」でしょう。

記事によると、そのカメラマンさんは持ち込みではなく、レストラン側からの発注のようです。ということは、レストラン側が「あの屋上に上がって撮影してくれ」と指示したのでしょう。そんな危険な場所に上げるって・・・・だめでしょ? レストラン側の責任は重いと思います。

 

その屋上では、結婚式の新郎新婦だけでなく、小さな子供を屋上に上げて写真を撮ったりもしているそうです。子供が喜んで走り回ったら・・・・・ 想像するだけでも恐ろしいです。

そんなフォトスポット、作っちゃだめですよ。

 

 

さて、神戸を離れ、自分自身の経験の話をします。

実は、レストランウェディングのスナップカメラマンって、結構、危険な撮影をしております。

場面としては、「庭に集まった列席者全員の集合写真を高い場所から撮る」というケース。

 

 

この写真も、屋根の端っこの「幅30センチ」くらいしかない危険な場所に立って、恐る恐る撮影しました。

高さはそんなにありませんが、とにかく、立っている場所が狭くて狭くて、怖かったです。

当時は若かったし、「いい写真を撮りたい」と思ってますので、今から考えると「無謀」に思えるようなところにも登っていました。

 

 

これはレストランの3階部分にある、「女子トイレ」の「個室の中の窓」から撮ってます。

危険な場所ではないかもしれませんが、男のカメラマンが「女子トイレの個室の中に入って」撮ってます。

「変態盗撮犯」と間違われて警察に通報される危険があります。精神的に疲れた撮影でした。

 

 

それから、こんなのもありました。

 

10階建てのビルの屋上に「仮設の屋外展望チャペル」を作ったレストランです。

ここでも「全員集合写真」を撮りましたが、レストラン側の指示は、

「カメラマンさんは、あそこにある、エレベーター機械室の屋根に上がって、そこから撮って下さい」

というもの。

登る手段は「はしご」です。そして、そこに登ると、そこには柵などなく、「ちょっとバランスを崩すと、30m下まで真っ逆さま」「落ちたら即死」という場所でした。

これはマジで怖かったなあ~

命綱もありませんし、いっしょに上に登って支えてくれる人間もいません。

 

我々出張カメラマンは、会社の社員ではありませんから、怪我をしても労災の対象外ですし、休業補償もありません。

レストラン側の指示で危険な場所に上がっても、「カメラマンさんが承諾して上がりました」と主張するレストラン側の責任は問えないでしょう。

 

実際、この時の撮影を終えて、はしごを降りる際に足を踏み外し、転んでしまいました。

(登山なんかもそうですが、ちょっと安心して下る際に、気の緩みもあって事故は起きます)

カメラが地面に叩きつけられ、40万円の機材がパーになりました。

4万円の仕事なのに・・・・・・・

 

悲しかった~  まあ、でも、体は無事だったので、よしとしました。

(これを教訓に、カメラを「肩がけ」にすることはやめ、何かあってもカメラが落下しない、「クビかけ」及び「ブラックラピッドを使用」に変えました。)

 

 

私は今、婚礼の仕事は引退しましたが、若いカメラマンの皆さん、危険な仕事を指示されても、従う必要はないですよ。自分の命と機材を大事にして、理不尽な命令は拒否しましょう。そして、撮影時に動く時は、必ず、その前に「周囲を確認する」という「松崎真さん」のような習慣をつけましょう。

 

今回の事故、非常に悲しい出来事です。全国の結婚式場の関係者、とくに、レストラン関係の経営者さん、カメラマンに危険なことさせないで下さい。お願いします。

 

 

※とにかく、今回の事故の現場になったレストランは、こんな危険な場所をフォトスポットにするなんて言語道断だと思います。

 

重体のカメラマン、どうか無事に回復してくれることをお祈りします。

そして、その人が属する会社も、休業補償など、アフタケアをしっかりお願いします。

 

 

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追記

さらに色々と調べていたら、こんなyoutube動画を見つけました。すごくよくわかる映像です。

 

 

こんな危険な場所に、「新郎新婦」「アテンド2名」「ビデオカメラマン」「スチルカメラマン」「メイク」そして取材クルーが上がっています。

このテレビ局も、こんなにしっかり取材しているのなら、気がついたはずで、この時に、「この屋上は危険です」と行政に報告すべきだったと思います。テレビ局、何をしてるんだ? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タレントの水道橋博士が、今、ネタとして、Uber Eatsの配達のアルバイト体験をやっていて、そのレポートを読んだんですが、なかなかおもしろい記事でした。

 

そして、その中で、「タワーマンションに配達するには、セキュリティが厳しくて、中に入るのが大変。入口がわかりにくいし、入館手続きをしないといけないし、建物内の経路も難しい・・・・」といったことを書いてました。

 

これを見て思い出したことがあります。

 

 

うちの事務所の「婚礼スナップ」の納品方法は「DVD-Rに焼いて、それを郵送する」というものだったのですが、あるお客様のマンションが、たまたま、その日用事があって出かける場所の近くだったので、「切手代の節約をするために、直接持参して、そのマンションの郵便ポストに入れて渡そう」と考えました。

 

 

そして、まずは用事を終わらせて、そのお客様のマンションへ行ったわけですが。。。。。 住所の部屋番号は708とかだったので、「普通のマンション」を想像していて、マンションの玄関ホールの中に入って、郵便ポストに投函すればOKというつもりで行ったのに・・・・・ あららら・・・・

 

 

 

 

50階建てくらいの超高層タワーマンションだったのです。これは驚きでした。

(そんなお金持ちなら、うちみたいな格安業者に頼まないで、撮影料15万円くらいのカメラマンに頼めば良かったんじゃないか? という疑問も生じました)

 

さて、困りました。タワーマンションって初めてなんです。

そもそも、「どこが玄関ホールなのか?」もよくわかりません。

よく観察して、人の出入りを見ていると、何箇所か出入り口があるようです。

 

そして、出てきた住民に「ここは、@@@@マンションで間違いないですか?」と質問し、「そうですよ」と言うので、玄関ホールらしき場所へ行きます。

そこにはオートロックの自動ドアがあり、多くの人が出入りしているので、誰かについていけば、中に入れるんですが、今回は、部屋まで行くのではなく、郵便ポストに投函すればいいだけなので郵便ポストを探すのですが、見つかりません。

 

普通のマンションなら、絶対に、玄関ホールのどこかにあるはずなのに、ないんです。

 

しかたないので、ここで出会った住民らしき人数組に「このマンションの郵便ポストはどこでしょうか?」と聞くと、誰一人素直に教えてくれず・・・・・

 

①完全無視

②無言で「シッシ アッチイケ」 みたいなポーズをとる

③「部外者は入れませんよ、帰って下さい」

④「あんた、怪しいな、警備員を呼ぶぞ!」と恫喝

 

という対応だったのです。

 

なんか、別の国に来たような不思議な感覚を覚えました。

 

結局、郵便ポストは見つかりませんでした。

しょうがないので、悪いこととは思いながら、誰かのあとをついて、玄関ホール(といっても豪華ホテルのロビーのような豪勢な作りです)の中に入り、その奥に鎮座する「ホテルのフロントスタッフ」みたいな人のところに行って、正直に事情を話します。

 

すると。

「このマンションの郵便ポストは別のところにあって、ここにはないんです。裏側に配達の人用の専用の出入り口があって、そこから入って・・・・・・」、なんかすごく複雑な案内を受けました。

 

どうも、裏方専用の動線があるらしく、住宅用マンションというよりも、オフィスビルみたいな構造であるようです。

 

そして、いったん外に出て、指示された「裏口」へ行こうとしますが、これがわかりにくくて。。。

そんな時に、ピザの配達のバイクが通りがかりました。これを追いかけていくと、裏口が判明。

そこにはカメラ付インターホンがあり、それを押します。

そして、事情を話すと、「あ、はい、コンシェルジュから聞いてます。ここの郵便ポストはかなり難しい場所にあるので、私が案内します。警備室に来て下さい。では、ドアのロックを開けますから中に入って下さい」と対応。

住民とは違って、紳士的な対応で一安心です。

 

中に入って、警備室へ行きます。

そこでは、身分証明書の提示を求められ、入館記録簿みたいなのに記入させられ、その代わりに渡されたIDカードを首からぶら下げます。

 

なんかもう、マンションでこんな対応は初めてでびっくりです。そして、警備員さんの案内で郵便ポストに向かいますが、これがまた複雑怪奇な迷路のような構造でして。

まず、フロアが違うので「業務用エレベーター」というのに載せられて、上の階に行き、そこからさらにクネクネ道を歩いて「ポスト区画」の場所へ行きます。

こうして、やっと、写真のDVDを投函することができました。

 

当初、「部屋まで届けるのは面倒だから、ポストに投函しよう」と考えましたが、結果的には「部屋まで行ったほうが早かった」かもしれません。

 

さて、これでひと仕事終えて安心なんですが・・・・・ 案内してくれた警備員がいなくなった状態で、「帰る」のが大変で。

そう、迷路のような構造なので、帰り道もわからないんです。ずいぶん、迷って、ようやく外に出られました。

 

いやあ、とにかく、苦労しました。タワーマンション、恐るべしです。

 

こういう「裏方用の動線が迷路のよう」というのは、実はけっこうあるものです。

 

昔、大手の婚礼写真業者に所属して、各地に派遣されていたころなんですが、いちおう、そのホテルとか結婚式場の専属業者ということなんで、「下請け業者用の業務用の入口を使い、業務用の動線で移動しないといけない」ということになります。

 

これがですね、慣れていないとほんと難しいのです。業務用だと、丁寧な案内などありませんから、ホテルの内部で迷子になってしまいます。あちこち迷って、やっと宴会場についたら、別の宴会場だったりします。

特に大型のホテルなどは迷いやすいです。

トイレなんかも「従業員用のトイレ」を使用しないといけないので、披露宴撮影の途中でトイレに行くために現場を離れたものの、「トイレはどこなんだ?」「どうやって元の宴会場に帰ればいいんだ?」と迷ったことも多々あります。

 

ちょっと前に公開された「東京MER」という映画の中の舞台になった建物の中にあるホテルは、特に、業務用動線の構造が複雑怪奇で、仕事が終わってから、外に出るまでに迷子になってしまい、15分くらい、あちこち探し回った記憶があります。

 

 

結婚式場内の業務用通路で迷うことはけっこういっぱいあって苦労したので、いまだに寝ていると、夢の中で、

結婚式場の中で迷子になり、何時間も彷徨して外に出られなくてうなされる、ということがあります。

いやあ、怖い夢です。

 

 

 

 

 

 

 

<その1>

私は写真屋ですが、「写真はタイムマシンである」という持論を持っています。

 

その写真を見ることで、瞬間的に、その写真を撮った時代、その場所にワープすることができるのです。

 

毎週見ている「アド街ック天国」。この前のジャニーズ会見で、「イノッチ」の本性(=本当は悪い人)がわかってしまい、あんまりイノッチの顔は見たくないけど、習慣として見てしまいました。
今回は「板橋区」の特集。その中の「第9位」が、なんと、当ブログの過去記事で取り上げたレストランでした。
過去ブログはこちらです。ぜひ、お読み下さい。「今までで一番大変だった、婚礼スナップ撮影」
 
うわ~ もう10年以上前のことなのに、タイムマシンのように、その時のその場所に自分が移動してしまいました。嫌な思い出がドバっと湧き上がってきました。テレビで見ても、ほんと、「隠れ家」でわかりにくいレストランです。そして画面からも「坂」の様子がわかりますが、この坂を、集合写真用のひな壇や大量の椅子を、車が走行する中、たった一人で遠く離れた倉庫から何度も往復して運んだ苦労を思い出してしまい・・・・ おいしいレストランだったようですが、胃が痛くなってきました。あ~、ほんと、つらかった。
 
 
<その2>
上記思い出を思い出したら、芋づる式で、別の悲しい思い出も甦ってしまいました。
 
某高級ホテルでの婚礼スナップ。超豪華な披露宴でした。スナップカメラマンも2名体制でした。
一生懸命撮影して、披露宴が無事終了した時、ご新婦のお父様より、「今日はよくやってくれたね。ご苦労様。長時間、飲まず食わずで大変だったでしょう。この券、このホテルの中のレストランのどこでも使えるクーポン券だから、これをあげるから、今から、ゆっくり食事をして帰ってください」との、お言葉をいただきました。

この披露宴は、予定よりも大幅に伸びて長時間になり(※延長料金はもらっていません)、かなり疲れていたのと、仕事が終わって、おなかがどっと空いてきたタイミングだったため、本当にとてもありがたくて感謝感謝で涙が出そうになりました。
(超高級ホテルですから、一番安い食事でも5000円はしそうです。これは価値のあるクーポン券です)
 
同僚カメラマンと2人で相談し、「どこでも使えるというのなら、どうせなら最上階にある展望レストランに行こう」となり、そこへ行きました。高級なところなので、すんなり入店できず、少し待たされ、その間、二人で「何を食べようか?」「高級料理をなんでも食べられるわけじゃないと思うよ。きっとカレーライス程度じゃないの?」「カレーでもサンドイッチでもいいよ。とにかく、何か食べたい」・・・・などとあれこれ会話しておりました。
 
そして、やっと席に通されて、係りの人にクーポン券を見せて、「この券で、何が注文できるんですか?」と聞くと。。。。。。。
「これは、ソフトドリンク1杯の券です。何になさいますか?」と聞かれました。
「え? ドリンクだけ?」  2人も呆然としました。
「でも、お腹が空いて我慢できないから、何か食べようよ」と言いましたが、メニューを見てみると、安い料理でも、「サンドイッチ 2500円」「カレーライス 3000円」とかなんです。さらに、そこに「サービス料」も加算されます。
そもそも、「オレンジジュース一杯」も1200円とかです。さすが、一流高級ホテルの展望レストランです。庶民感覚はまったく通じません。
ちょっと考えて、2人とも、「ジュースだけにしよう」と言い出し、他のお客さんがみんな食事をしている中で、ジュースだけ飲んで、景色を堪能して、店を出ました。
そのあと、有楽町のガード下の「坂内」というラーメン屋さんでチャーシュー麺を食べました。
まあ、あのお父上も悪気はなかったんでしょうけど、食事券とドリンク券を勘違いしてたんですね。
期待値が大きかったゆえ、ものすごく悲しかったです。
 
 
アド街のおかげで、こんなことまで思い出してしまいました。
 

 

今、不倫で話題になっている「ジャングルポケット」の斉藤さん。

昔、まだ、そんなに売れる前に、写真撮ったことあるんです。

結婚式の二次会の余興で来てたんです。

その時、初めて拝見したんですが、その時にやったネタが、なんと、「ウ◎コ漏らしちゃう」っていうもので。

 

「ウ◎コネタ」って、小学校の「演芸鑑賞会」なら、子どもたちは大爆笑でしょうけど。

大人相手、まして、結婚式二次会で、みんなが料理を食べながら見ているところでやるもんじゃないと思います。

 

一瞬で「だめだ。これ」と思いました。まあ、でも、仕事なんで、「ウ◎コが漏れそうな場面」もちゃんと写真撮りましたけど。

 

TPO考えましょうよ。

 

ちなみに、婚礼撮影で見かけたお笑い芸人さんって、けっこういますけど、「長州小力さん」「 アントキの猪木さん 」は面白かったです。

 

 

 

 

今日の横浜も最高気温は36度だそうです。

この時期の婚礼撮影で最も重要なのが水分補給です。

 

ホテルとか結婚式場では、建物内に自販機があることはまずありませんから、内部で飲料を調達することはほぼ無理です。

持ってくることを忘れると、大変です。トイレの手洗いの水を飲むしかありません。でも、そういう時に限って、そのホテルが高級ホテルで、「手洗いの水はすべてお湯」だったりして、暑いのに、温かい水を飲まないといけない、気持ち悪さ、最悪です。でも、飲むしかないです。

 

通常は500cc一本でなんとかなりますが、夏場は、500cc2本あったほうがいいです。

特に、「チャペルは別の建物にあり、炎天下、屋外での移動が必要」「野外での2ショットポーズ撮影がある」なんて場合、体力を消耗して、水分もいっそう欲しくなります。

 

そんなこんなで、いろいろな水分補給の方法を考えました。

「自宅の冷蔵庫で凍らせておいて、それを保冷バッグに入れて持っていき、うまく溶かしながら、水を飲む」

これが、冷たくて一番おいしいんですが、「溶かし具合」がけっこう難しくて、「飲みたいのに、まだ凍っていて飲めない」とか「早く溶けてしまい、ぬるくなった」とか、最適な状態にはなかなかなりません。

 

そこで編み出したのが、「凍らせたペットボトル1本」と「普通に冷たいペットボトル1本」の計2本を持っていく作戦です。

 

凍らせたボトルのほうが、なかなか溶けない場合、普通のボトルのほうから、氷の方へ、水分を移し替えます。そうすると、氷水になるわけで、とても冷たい水が飲めます。

 

ただ、「移し替えは面倒くさい」「普通のペットボトルのキャップは細いんで、ゲータレードのような口径の大きなペットボトルのほうがいい」など、いろいろと考えないといけない面もあり、必ずしもおすすめできる方法ではありません。

 

まあ、でも、熱中症になりそうな、体が熱くなった時の「氷水」は、ほんとうにうまくて生き返りますよねえ。

 

 

というわけで、この時期のウェディングカメラマンは、水分補給に関して、各人、いろいろと考えて工夫していると思います。

 

できれば、新郎新婦のほうで気を利かせて、式場側に「カメラマンさんにお冷をいっぱい差し上げて下さい」とか言ってくれると最高なんですが・・・・  なかなか、そういうお客さんはいませんね。

 

 

 

 

婚礼の撮影を長くやってきて、いろいろな司会者さんを見てきました。

 

今回は、ベテラン司会者さんのやりがちな「失敗」の話題です。

 

披露宴って、必ずしも、予定していたタイムスケジュールどおりに行かない場合があります。

 

「料理の準備ができていない」

「映像上映の準備が遅れている」

「美容室が混雑して遅れている」

などなど。

 

こういう、「時間を持て余している時」なんかに、司会者さんが「時間つなぎ」のために、「では、新郎新婦にインタビューしてみましょう」なんてことをよくします。

 

この「インタビュー内容」の中によくあるのが、「相手に対して、”直して欲しいこと”とかありますか?」という質問項目。

 

すごく面白い話が出て盛り上がってお客さんが喜ぶことも、もちろんありますが。

 

これって、「すでに同居している新郎新婦」の場合、「そういう質問はしないほうが良かったんじゃないの?」みたいな事態になりがちです。

 

「男性が家のトイレで立って小用をする時に、尿が周囲に飛び散ってしまうから、座って用を足して欲しい」

なんていう、笑点の小遊三さんがよく話している話題が出たりします。

これね、披露宴の現場では、苦笑いで終わっても、披露宴後の控室で新郎新婦の二人きりになった際に、「なんで、みんなの前であんな恥ずかしいことを言うんだよ!」とか、夫婦喧嘩になってしまう例を、けっこう見ています。そして、「事前に予定になかった、あんなインタビューを突然されても困るよね。ひどい司会者だなあ」なんて嘆いている例も見ます。

 

そうなんです。「相手に直して欲しいこと」というのは、いわゆる「欠点」であり、「良いこと」ではないわけでして。

普段は他人に隠している、超個人的な性癖とかが、出てきてしまう場合もあるんです。

 

 

だからといって、「じゃあ、良い点ならいいだろ」と思われるかもしれません。

雇えば「相手のどこが好きですか?」みたいな質問です。これは、ほぼ100%、「良いところ」の話になるので、大丈夫そうですが、たまに、「新婦の大きなオッパイが好きです」とか言っちゃう新郎がいて。。。。。

これも、「あなた、あたしのオッパイが目当てで結婚したの?!」なんてことで喧嘩になってしまった例もあって。

 

ベテランの司会者になるほど、こういう質問コーナーをやりがちで、かつ、技術が優れた司会者だと、上手に本音を引き出したりできるので、いっそう、プライベートな話になりがちで。

 

また、新郎新婦ではなく、列席者にインタビューすることもよくありますが、これも、事前に「時間が余ったら、誰それにインタビューする予定」と、新郎新婦と相談して、対象者をちゃんと決めておくほうがいいです。

危険な情報を持っている友人が、お酒の勢いもあって、「聞かれたので答えました」という体で、「新郎のすごくやばい過去」なんかを暴露しちゃうこともたまにあります。

 

 

ベテランの司会者になるほど、「沈黙の時間を作らない」「盛り上げようとする」ものですが、それも、このように裏目にでる可能性があるということを覚えておくといいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄道が好きで、鉄道の写真も趣味で撮るのですが、私の場合、「旅が好き」なので、「撮り鉄」と呼ばれる人ほど、一生懸命鉄道の写真を撮ることはなく、「あくまでも記録のために、簡単にスナップする」という程度の撮り方です。

 

今は、「鉄道写真マニアのマナー違反行動」が厳しく批判されていることもあり、「ルールに違反する」「他の人に迷惑をかける」、そこまでして、いい写真を撮ろうとは思っていません。

 

なので、この前、真岡鐵道のSLに乗りに行った時も、持っていったカメラは、CanonのKissという、初心者用の安価な機種でした。

プロストラップもつけていませんから、この機材を見て、「この人、プロのカメラマンだ」と思う人はいません。

 

でも、この時にホームでいっしょになった家族連れに「すいません、シャッター押してくれませんか?」と頼まれて「あ、いいですよ」と引き受けて、「え~と、皆さん、こっちに並ぶほうがいいですね」「あれがバックでいいですか?」とか、ちょこっと工夫して撮影したら・・・・

「すいませんね、プロの方に、頼んだりして」と、おっしゃってきて。。。

「え? なんで? 私がプロだと」

「その仕草を見ればわかりますよ、普通の人とは違います」

とのこと。

 

初心者用の一眼レフを持っている人なのに、「この人はプロカメラマンだ」と、すぐにわかったそうです。

 

まあ、たしかに、職業柄なのか、ただシャッターを押すだけでなく、いい写真を撮ろうと、あれこれ動いて工夫しますし、「はい、撮りますよ」の声も、仕事の時みたいな発声をしてたし、目つぶりに備えて、同じアングルで3枚撮ったし・・・・そういうのを総合的に見れば「プロだ」とわかるのかもしれません。

 

そんなことがあったわけですが。

 

場面は変わって、ウェディングスナップのことなんですが、よく、「プロカメラマン持ち込み禁止」の会場に、本当はプロなのに「友人のアマチュアカメラマンのふりをして入りますから大丈夫ですよ」と言って、仕事を受けようとするカメラマンがいますけど、「アマチュアのふりをして」とか言っても、絶対に、会場のスタッフには「あ、あの人、プロだ」ってバレます。

 

やっぱり、プロは仕草が違いますから、式場の人にはわかります。あの人達もいろいろなプロカメラマンを見てますから。

 

もし、「プロだとバレなかった」としたら、そのカメラマンは「ものすごく演技がうまい」か、「写真が下手くそでプロの技術を全然持ってない素人だった」のどっちかだと思います。

 

なので「素人のふりをしてプロが撮影する」のは無理だと思ったほうがいいですよ。