作っても作っても
壊れる砂の城のようでした
あの日も酷く平凡な夜で
薬を飲んでいました
だけど眠れなかったのです
貴方の犯した罪により
私は救急車を呼びました
三日月の綺麗な夜でした
月がまぶしくて
星の見えない夜でした
私はただ震えていました
私の居場所は貴方の隣
貴方の隣だったのに
愛よりも生を選んだ私
貴方を追いかけなかった私
自分の声だけが響きました
頭は真っ白でした
救急車を待ちわびて
耳を兎のように澄まして
<教科書>から外れた
貴方の振る舞いを
責めることもできず
嘆くことすらできずに
喉元から感情が溢れました
いつか貴方とのぼったあの丘
あの丘にもう一度行きたい
そう思った時やっと
私は涙を流したのです