今日は54回目の結婚記念日、このような数字を喜び、感謝しながらお祝いするのが当たり前だが、人間は贅沢だから素直に喜べない心境は複雑だ。
それはMが病を得たから私の人生も一変してしまったことが最大の思い違いだが、人生は自分の思い通りに進まないことを考えればやはり今日は私たちにとっては喜びの日かもしれない。
だが、Mのことを考えれば先行き不安が増すばかりの憂鬱な気持が微妙に私の胸の内で動いている。
結婚した昭和41年を想い出すと、世の中が多きに変わったことを実感する。
結婚披露宴は自宅、当時はそれが当たり前の習慣だったが、おそらくは自宅での披露宴は私たちが最後で、その後は式場を使うのが通例になったようだ。
当時このような披露宴の時はいわゆる隣組の組織が活発に動いて料理は全て女性たちの手作りで賄われた。
それは見事な連携動作で、打ち上げの食事はうどんを食べるのが定番だった。そのうどんも女性たちの手打ちだった。
その他、いろいろと想い出があるが、今のように何でも買える時代になるとは思いもよらなかった。
今日は語呂合わせによれば 「いいふうふのひ」 だが、私たちが良い夫婦になれたかどうかは私には判らない。
因みに私の車のナンバーは 「22-09」 で、これは 「ふうふまるく」 だが、Mを介護していると私の気持が丸くなったとは到底思えないのが現状かもしれない。
Mが元気なら、街中の和風レストランでお祝いをするが、このご時世の影響もあるので家で質素に食事して終りにするつもりだ。
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