左利きでの手縫いを考える | Jill Craft のブログ

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作業の様子やこだわりの道具、製法などについて書いてます。多少マニアックなのは許して下さい。

今日は久しぶりにレザークラフトネタを書いてみたいと思います。ただ、この記事がヒットするのはごくごく少数のクラフターさんだけだと思います。そう、左利きのクラフターさん向けの記事です。

最近の教室でポツポツと左利きの生徒さんが来られました。
そして、左利きにもいろいろレベル(?)があるようでして、完全に左利きの方から基本左利きだけど右左どちらも使える両利きの方まで。
ボクは完全右利きです。左手ではほぼ何もできません。左耳の耳掃除ですら右手でやります。

過去にも左利きの縫い方をブログ記事として書いてると思います。
今回はその時とは全く違ったアプローチです。

今回は右利きの縫い方を鏡写しにした縫い方とします。
そして、縫い穴は菱錐で開けるというJill Craft方式でというほんとに狭い狭いピンポイントな記事ですよ。

そんな全く自分の意思通りに動いてくれない左手でやってみましょう。

とりあえずハギレにディバイダーで縫い線を引きます。
ここから左手でやってるので気分は初心者です。

そしてディバイダーを5mmに合わせて縫い穴を印します。
ディバイダーは本当に便利な道具です。なぜなら自分の好きなピッチに自由自在に合わせられるから。

さ、ここから縫い穴を開けていきます。ここで今回のポイントは
縫い穴を逆目で開ける
です。つまり右上がりの穴を開けます。


なぜそうするかというと…
左手で左斜めの穴(通常の手縫いの穴)を開けようとすると菱錐がこの向きになります。
菱錐の先の薄い方から錐先を見る事になりますよね。この向きで錐先を見るとセンターがきちんと見えないのです。つまりディバイダーの印から左右に微妙にずれた位置に穴を開けてしまう可能性があります。実際に左利きの生徒さんからどうしても縫い目が真っ直ぐにならないという悩み相談を受けておりまして、いろいろ原因を追及した結果、きちんと印のセンターに錐先が来てないのだと結論しました。

なので右斜めの穴を開けるように菱錐を持ち直すと
この向きだとはっきり錐先を見る事ができます。
ちゃんと錐先が印のセンターに行くので確実に真っ直ぐ一直線に揃った穴開けが可能です。
縫い穴を開けます。
ちゃんと一直線に開いております。


そしてここから手縫いします。
ここからは右利きと全く反対向き、つまり鏡写しの要領で縫っていきます。
当然鏡写しなので表の面は左側、奥から手前に縫います。
ひと目縫いました
二重縫いももちろんできます。
ね!こんな感じになります。

実際に縫ってる所を
右から針を入れて
左手の針を下からクロス
糸を手前に引っ張って左の針を穴に通します。

動画を撮ってみました。左なので多少動きがギクシャクしてますが…

縫いあがりました。
こんな感じ。縫い目が左上がりなの以外は特に違和感を感じないと思います。
ちゃんと縫い目も斜めになってますし。


この縫い方のデメリットは特にないと思います。作品の縫い目が逆目になるだけです。縫い目の向きなんか気にする必要は無いとおもいます。だって皆さんだってレザークラフトを始めるまでミシン縫いの縫い目と手縫いの縫い目が逆だって事知らなかったでしょ?

メリットはあります!なんとビニモの撚りが正しい向きになります。


あー、なんで違法薬物なんかに手を出すのでしょうね
ネコ吸ってりゃスッキリするのに…