Tuesday 11 December 2018

合意なきブレグジットの影響

ありゃりゃ。EU離脱合意案の採決、延期されちゃいましたねえ。

まあ、仕方ないか。

今の所、否決の可能性がかなり高いですし、
否決となった場合、「合意なきブレグジット」となる確率が
限りなく高いですからねえ。

「合意なきブレグジット」

つまり、英国EU離脱が、EUと合意がないままに起こった場合
英国経済への影響は、リーマンショックより
さらに深刻なものになるといわれています。

先日ニュースで見た、Bank of England の予想はこんな感じでした。

GDPは8%縮小。
不動産価格は30%下落。
金利は5%程度に上昇。
物価も6.5%上昇。
失業率も7.5%に上昇。

そうかあ。
不動産が30%下がって、金利が5%にあがるのかあ。

私たちが今のフラットを買ったのは、2008年、
リーマンショック直前の事なのですが、10年経って、
現在のフラットの評価額は約1.5倍になりました。

そして、当時のBank of England の金利はたしか、5.5%くらい。

ということは、合意なきブレグジットが起こったら、
150% x 70% = 105%  で、住宅価格は約10年前の水準に戻り、
金利も大体10年前の水準に戻るのですね。

「ああ。それなら、そんなにたいした事ではないのでは?」

不謹慎にも、そう思ってしまったワタシ。

2016年の英国EU離脱に関する国民投票の際に、
高齢者が離脱派が多かったのは、こういう理由もあるのかもしれませんね。

英国の景気は、浮き沈みが激しいです。

私が始めてホームスティで英国を訪問したのは約30年前、1988年の事ですが、
80年代の英国なんて、サッチャー首相が炭鉱閉鎖とかして、
北のほうではストライキなんか起こって、ひっちゃかめっちゃかだったのです。
映画やミュージカルになった、「ビリー・エリオット」の世界です。

その古き良き、貧乏な英国を知っている世代。
金融ビッグバンで景気が良くなったと思ったら、
またまたリーマンショックで景気がガタガタと崩れ落ちたのを見た世代。

そんな世代の人たちにとっては、
英国がEU離脱して、もし景気が落ち込んでも、
それは一時的なもので、景気なんてまた持ち直すさ。
という感覚が、心の深いところにあるのでは


例えば、住宅購入について考えてみたならば、
現在は低金利(Bank of England の金利が0.75%)ですが、
不動産価格が高騰していて、例えば我が家のフラットの場合、
10年前に比べて評価額が約1.5倍になっています。

一方、10年前は、Bank of England の金利が 5.5%
銀行で住宅ローンを借りる場合、銀行の標準の変動金利が7.5%くらいで、
期間限定の優遇金利をもらっても、せいぜい5.75%くらい。

そんな金利で25年ローンを組むと、
1ポンドあたりの、ローンのコストが2.15ポンドくらいになる。

つまり、総返済額は借り入れ金額の2倍以上!

今の低金利からは考えられない金利ですが、
これは2008年、たった10年前の事なんですよ。

この直後にリーマンショックが起こって、世界の金利は
どんどんと下がっていったのです。

日本でも、バブルの時代はそんな感じの金利でした。
もしくは、バブル最盛期だったら、もっと高かった時期もあったくらい。

まあ、日本のバブルはもう少し前の話で(25年前くらい)
バブル崩壊後は25年以上も、金利はずーっと低いままですね。
新卒の就職率や失業率等、他の指数では、多少の浮き沈みはあったものの、
金利はずーっと低いまま。

バブル景気も異常な状態ですが、この超長期・超低金利状態も
かなり特殊な状態だと思います。

閑話休題。

10年前(2008年)の英国では、返済期間25年の住宅ローンを借りると、
予測総返済額が借入額の2倍以上となってしまうような金利でした。

それでも、私たちは借りたんです。

私たちの場合、優遇金利3年間の契約だったのですが、
優遇金利の期間が終了したら、別のディールに乗り換える事を前提に、
そして、繰上げ返済で25年より短期で返済すること前提に。

最悪の場合は2倍払ったら良いんだろう、と半ばやけっぱちで借りたんですよ。

フタをあけてみれば、購入直後にリーマンショックが起こって、
不動産価格が下がり、金利もさがり、
3年後に別のディールに乗り換えた時には、金利は3.5%になりました。

さらに別のディールへの乗換えを繰り返し、現在のディールは2.3%。
このまま行けば、「総返済額が借入れ金額の 2倍以上」という事態は
避けられそうな見込みです。

もし、今の不動産価格で、今の金利で購入したとしたら、
当初の見込み返済総額は、同じようなものかも知れませんが、
金利が上ったらアウトです。
そして、今の金利は最低水準ですので、
これ以上金利が下がるという希望もありません。

もし、見込み返済総額が同じならば、不動産価格が低めで、
金利が高いという組み合わせのタイミングの方が、
「後々に金利が下がるかも」という希望が持てます。
(まあ、さらに金利が上るという可能性もありますが。)

住宅ローンは、25年以上の長丁場なのですから、
高額を低金利でスタートするよりも、
低額を高金利でスタートするほうが、
景気の変動に対しての耐性が高いと思うのです。

なので、若者よ。
過剰に心配することなかれ。

2 comments:

  1. 大変なところに引っ越しましたね

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  2. 大変ですねえ。そもそも、デービッド・キャメロンのアホがこんな国民投票をやらかしたのが間違いだったのです。でも、今さら日本に帰っても生活基盤もないので、しばらくはここで様子を見るしかないです。

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