Saturday 12 October 2019

リタイア後の移住先としての日本

日本人の中には、リタイア後は物価の安い海外に移住して、日本から日本円建てでもらう年金で悠々自適にリタイアメント生活を送ろうと目論む人々がいらっしゃいます。

まあ、言葉の問題とか、住処の確保の問題とか、歳をとったら身体のあちこちががガタついてくるので、医療問題もいまより真剣に考えないといけないし、そうそう一筋縄には行かないのですが。

でも、そんな事を考えるのは、日本人だけではありません。

同じようなことを、英国人も考えております。

どうせ年金生活するならば、物価の安い国に移住して、英国ポンド建てでもらう年金で悠々自適のリタイアメント生活。

まあ、皆考えることは同じですな。

日本人の場合は、海外リタイアの候補地として、東南アジアに目が行く傾向がありますが、英国人の場合は、主な候補地は南ヨーロッパ、スペインやギリシャでしょうか。

というか、スペインやギリシャでした(過去形)。

でも、今やもう、スペインやギリシャも、そんな言うほど、メチャクチャ安いというワケではない。

そして、英国はEU離脱してしまうので、簡単には移住できない(だろう)。

ということで、どうせビサがいるならば、もっそ視野を広げようと言う事なのか、時折BBCで、「リタイア後の移住先」という視点から、色々な国を視察にいくというドキュメンタリーをやっていたりするのです。

英国人が、インドのホテルでリタイア生活を送る姿を描いた、"The Best Exotic Marigold Hotel" という映画がありましあが、これを実際にやってみようと、英国人のインドでのリタイア生活を扱った、"The Real Marigold Hotel"。ドキュメンタリーのシリーズがあったのです。

その続編になるのでしょうか、"The Real Marigold on Tour" というのが放送され、その中のエピソードの一つは、京都が舞台となっています。

つまり、英国人のリタイア先の候補として、日本の中堅都市が挙がっているんです。

先日、「外国人が働きたい国ランキング」で、33か国中32位という、残念な結果をたたき出した日本。

でも、働く必要がなく、子育てもない、海外の裕福な年金生活者にとっては、意外と良い移住先となるのかもしれません。

だって、90年代初頭にバブル経済が弾け、就職氷河期が始まって以来、新卒入社の初任給がずっと横ばいの日本。

20年間以上、モノの値段がそれほど上がっていない日本。

今や日本は、世界から見て、「物価がそんなに高くない」に分類されるのです。

そりゃそうです。20年も物価もお給料も上がってないんだから。

お給料が上らないから、物価が上らないのか、物価が上らないからお給料が上らないのか、鶏とタマゴ問題でどっちが先かはわかりませんが、一つだけ言えることがあります。

日本人の、物価上昇に対する心理的抵抗は凄まじい。

今の日本の若者なんて、小さな頃から物価が上ったという経験がないからか、「物価とは上がらないもの」もしくは、「上がってはいけないもの」だと信じていて、それがまた、日本人の物価上昇に対する抵抗に拍車をかけている。

こんな様子では、今の日本で物価を上げるのは不可能で、と言う事は、お給料をあげるのも不可能です。

なので、今後もこの傾向は継続し、日本は、「インフラが整備されていて医療制度も整っている」にも関わらず、「物価がそんなに高くない」国として、世界の裕福な年金生活者のリタイア後の移住先となっていくかもしれません。

これを、どのように受け取るかは、日本人次第です。

「日本の屈辱」ととるか?

「外貨が流入してラッキー」ととるか?

ワタシは、「時代は変わったなあ。」と感じました。

まあ、このドキュメンタリーで日本が選ばれた理由は、世界的にも有数の高齢化社会である日本における、高齢者の生活って一体どんなの?という、リサーチも兼ねていたようですがね。

でも、それで京都を選んだというのが興味深い。

もちろん、東京は色々物価が高すぎるし、忙しすぎてリタイアには向かないというのは分かります。

リタイアするなら、買い物や医療に困らない程度に発展した、ほど良いサイズのリゾート地が良いですからね。

京都は、人口・サイズ的にもほど良いし、世界有数の観光地ということで、外国人にとってはリゾート地の感覚なのでしょうか。

まあ、盆地なので、車で小一時間も少し走ればすっかり山の中に入ってしまうし、山の中に入れば、都会の人にとっては憧れなんじゃないかと思うような、鮎が住んでそうな清流を眺めることもできます。

でも、盆地だから夏は死ぬほど暑いし、冬は底冷えで冷蔵庫の中にいるみたいに寒い。

BBCは、この事実を知っていて京都を選んだのか、検証してみたいところです。


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3 comments:

  1. 京都は、観光客が多過ぎて普通の市民生活に大きな支障が出ています。
    京都の何処に住むかにも寄りますが、外国人の移住先には不適切に思えます。
    東欧のブルガリアとは、候補地になって無いのでしょうか?

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    Replies
    1. ワタシ自身は京都で生まれ育ったので、老後は京都も良いかなあ、なんて思っているのですが、確かに、今の京都はちょっと住みにくいかもしれません。混雑しすぎ。
      このBBCのシリーズでとりあげられたのは、
      フロリダ(アメリカ)、京都(日本)
      中国、キューバ、アイスランド、タイ、
      ロシア、アルゼンチン、ベトナム、メキシコ
      という感じです。
      本気でリタイア先を探すという言うよりは、観光とか文化の違いドキュメンタリー的な要素も考えたセレクションですね。

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    2. 東欧は、物価が安いという事で、現在、一部の日本人の方々の間でホットなようですね。
      ワタシは、東欧といったらプラハしか行ったことがないのですが、素敵な街でした。
      もし、経済発展せずに今のままであるならば、東欧も良いかもしれませんね。

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