12の楽しみ!

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エピソード 06

2020-06-05 11:09:42 | クライミングジム物語

 4月1日。事業をスタートして僅か3か月、信頼していたスタッフに裏切られ一人になった。経済的にも最悪となり、少しだけでも追加の融資を受けようと思い公庫に相談したが断られる。まあ、貸す側からしたら当然の対応である。ここはぎりぎり耐えるしかない。先を見よう。

 

 

 問題は翌日からのジム運営である。切羽詰まった状態、前オーナー時代にオープン当時からの超常連さん2名がこの緊急事態を手伝ってくれた。3人で話し合う。大人は仕事終えてから来店する人が多いので、オープン時間を少し遅らせても影響は少ないだろうということで、日によってオープン時間を遅らせた。その分月会員の料金を値下げする。また会社にもお願いをして夜勤を毎週同じ日にしてもらった。これには大変感謝している。

これとは別に、ロープクライミングを趣味にしているT さんが少しぐらいなら店番しますよと申し出てくれた。T さんはオープン当時のお客さんで、自分がオーナーに代わってから最近またジムに通うようになったシニア女性である。元婦人警官と聞いてとても心強く、安心できた。

 

 

問題は土日だ。お客さんが多く来るのはやはり土日である。日勤仕事を終えて帰ってくると夕方である。どうするか。先述の超常連の1人Yさんにお手伝いを頼んだ。出来る範囲で引き受けてくれることになった。同時にバイト募集を掛けることにした。出来れば登れる人が希望だが都合よくそんな人はいない。どこのジムもそういうバイトを探していると聞く。この際、受付けだけでも良いと考えた。オープンしていることが重要である。広告費を掛けることはできないので、ジムのサイトとFacebookにバイト募集のお知らせを載せた。意に反して、反応は早かった(喜)。

 

photo : リクナビ

夜勤明け自宅に帰るところで電話が鳴った。『Facebookを見たのですけど』、それがAである。一度会って話を、と言う事になった。『エピソード 05』の後なので履歴書も用意してもらう(笑)。面接に現れたのは、クライマー体型の青年である。『一度クライミングジムで仕事をしたいと考えていました』そう話すぐらいなので彼は登れる人だった。願ってもない人材である。履歴書を拝見して気になる所は転職が多いことである。理由を尋ねると職業を選ぶというよりクライミングを優先しているようである。話をしていると個性的で、親しみやすい感じであった。

 

 

こちらとしては登れる人材ということで、とてもありがたい所である。しかし、今まで外からバイトを雇うことがほとんどなかったので常連組と相性が合うかどうかが気になるところ。使用期間ではないけれど、常連さんのいる時間帯に何度か登りに来てもらい、皆の反応を見させてもらった。とてもフレンドリーな感じで良かったのでAを雇うことに決めた。一安心である。

 

 

Aの都合も考慮しながら土日メインに入ってもらう。自分が仕事のときは任して、仕事がない時は一緒に入るという風にバイトしてもらった。4月1日から2週間ほどでYさん、T  さん、バイトAと一応のスタッフが揃う形となった。感謝である。経営者として少しずつ鍛えられていく。

しばらくはこのスタッフで運営できていたが、いつまでも勤めのあるYさんに頼るわけにもいかない。3か月近く経ち、そろそろどうするか決めなければならない。悩み考えた末に、介護の仕事を辞めることにした。クライミングジム1本にする。ジムの売り上げは不安だが、やはりお手伝いありきで持続的な運営はできない。腹を決めた。・・・つづく

 

 



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