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エピソード 03

2020-04-06 19:59:30 | クライミングジム物語

クライミングジムを引き継ぐ。

 

 

photo : 弥報

そうは言っても何から始めればよいのか。

まずは先立つもの、資金である。まとまった額が必要となるので融資を受けなければならない。融資が通らなかったらこの話はなかったことに、とオーナーに了解を得る。ジム閉店となればクライミング壁などを解体し倉庫を原状復帰させなければならない。時間が必要になる。どちらも時間との勝負である。

 

ジムは営業中で自分も仕事を持っているので融資はそう難しくはないだろうと思っていた。しかし車を購入するためのローンとは勝手が違った。と言うのもジムを引き継ぐための融資は、ジムが営業中であっても個人で起業すると言う事になり事業融資となる。よって融資の質が異なるのである。

 

まずはこれからも付き合いになるだろうと考えて地元の信用金庫に相談しに行った。担当者に会い話をする。「難しいですね」と言う。最初は何が難しいのだろうと思っていたがそれが断りの話しだと3回目で理解した(笑)。担当者によると、モノを仕入れ加工し販売と言う流れではなく、サービス業なので無理と言う事らしい。理屈の通らない話である。そもそも当時担当してくれた方は栄転らしく名古屋の方に出向く直前だったようで新規のお客を引き受ける気が無かったのかも知れないと後から理解した。

 

自分は何とかして融資を受けたいと必死だったので、その担当者から案内された日本政策金融公庫に話を持っていくことにした。名古屋である。こちらは丁寧に話を聞いてくれた。次までに用意する書類が色々とある。借入申込書に始まり、創業計画書、設備資金の見積もり等々。時間が迫る中で一番大変だったのは、倉庫の賃貸借(予定)物件の分かるものである。融資が決まらなければ借りることはできないのに、どうするか。賃貸契約の予定でもよいということで、融資前提で話を進める。不動産屋さんに確認を取って契約を進める。その他、営業実績が分かるもの、保証人など限られた時間で仕事の合間を縫って準備を進めた。この時ばかりは、介護職の不規則な時間が幸いした。

 

そしてすべての書類をそろえて提出。多分、大丈夫でしょうという話だが、審査は担当者がする訳ではないので分からない。数日後、振り込みと共に融資が決まった。第一段階クリアである。

 

実際何に費用が掛かったかと言うと、ジムは貸倉庫なので最初の家賃と敷金。そして、ジム内部の備品である。それはホールドに始まり壁一式、大型エアコン、工具色々、業務用ストーブや脚立、小型冷蔵庫などなど個人の持ち物以外のすべてを買い取る形である。ファックスなど必要な物品購入もあった。オーナーはまとめてこの額と言う形しか示さなかったので、提出用にそのリストと値段もこちらで作成した。

 

融資と並行して行ったのは、ジムを引き継ぐ形ではあるが個人事業主として起業するので、開業届を税務署に提出した。その他、すべきことは多岐にわたる。電気、水道の契約、電話、インターネットの回線契約、自販機の名義変更など各業者とのやり取りが仕事の合間を縫って続く。

 

一通りそれらの手続きが済んだのは12月の暮れである。クライミングジム閉店の話から2か月余りでやり終えた。前オーナーから鍵を受け取る。期待と不安が入り混じる中、クライミングジムのオーナーとなった。しかしスタートはまだ切れない。上記の事業インフラの次は内部の更新が待っている。具体的にはホールド替えを行い、新たな気分でスタートを切りたい。また、かなり粗大ゴミが溜まっておりそれらの処分や大掃除が必要と感じていた・・・。つづく

 



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