ちちのこと | へきちのせんせ

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わたし。アラフォーで独身。女。微オタク。職業、小学校のせんせい。
そんな私の、あるある話。「あるある・・・いや、ねえよ」みたいな話でうめていきます。妄想、現実、自分の話、聞いた話、まざってます。全国の先生がこんなんでは、けっしてありません。

みそじあるある「別れと、せいいっぱい」

へき地から出てきたのは、家族との時間を大切にしたかったから。
車で3時間かかる距離だと、何かあってもすぐには駆け付けられない。
だから、大好きな学校を出て、実家の近くに転勤した。
かなり無理を通したから、仕事上不利になっても構わないと覚悟した。

無理をして出てきたことに、後悔はないよ。出てこれたから、家族とたくさん過ごせた。毎日他愛のない会話をして、色んな場所に行った。
亡くなる一ヶ月前だって、「行きたい」って言った場所に連れて行けた。
毎日お見舞いにも行けた。
病室で泣き崩れる母を受け止めることもできた。
ホントに全財産叩いたけど、入院費と葬儀代も工面できた。
全部ぜんぶ意味はあったよ。精一杯の時間を過ごせたよ。

そしてまた、ご縁があって前とは違うへき地に行ける。
こんなありがたいことは、ない。

自分の悲しさとか悔しさが、やるせない気持ちや閉塞感が、折り重なって燃料になって、火になって。さみしい思いをしているだれかを温められたら、暗い気持ちを照らせたら、こんな、ありがたいことはない。

ありがとうを言いたい人に言えることは、幸せなこと。
恩を返したい人に返せることは、幸せなこと。
父もきっと、喜んでくれる。