ワシントンDCには、ロンドンやニューヨークでもお馴染みの、実物そっくりのハリウッドやミュージック界のスターや歴史上の著名人に出会うことができる、蝋人形ミュージアム、マダムタッソー (Madame Tussauds Washington DC) があります。世界各地にあるマダムタッソーは、そのロケーションならではの展示内容となっていますが、ワシントンDCといえば、やはりアメリカの政治の中心ということで、アメリカの歴代大統領45人の像がずらりと並んでいてアメリカの歴史を学べる構成になっています。入口では、ホワイトハウス報道官風のマリリン・モンローが、出迎えてくれます。
マダムタッソーは、世界の主要都市に展開する蝋人形ミュージアムです。マダムタッソー・ワシントンDC (Madame Tussauds Washington DC) は、アメリカの首都、ワシントンDCに2007年に誕生し、ナショナルモールの北側、ペンクオーター (Penn Quarter) の細長い赤レンガの建物に入っています。
チケットを購入し、地下に向かうと、まず登場するのが、マダム・タッソーです。マダム・タッソーの本名は、Anna Maria “Marie” Tussaud 。ニューヨークのマダムタッソー の記事でも紹介したことがありますが、マダム・タッソーは、18世紀後半から19世紀前半にかけて活躍した、フランス出身の蝋人形アーティストです。フランス時代は、王室御用達の蝋人形アーティストだったそうですが、フランス革命により状況が一変し、イギリスのロンドンに逃れ、後に蝋人形ミュージアムを設立しました。そのミュージアムが、現在、ロンドンをはじめ世界各地に点在している、マダム・タッソーミュージアムの起源なのです。
最初のコーナーが、アメリカ大統領のギャラリーです。スタートを飾るのは、ワシントンDCの名前の由来でもある、アメリカ初代大統領、ジョージ・ワシントンです。有名なデラウェア川を船で渡っているモチーフです。
ニューヨークの メトロポリタン美術館 には、独立戦争時、ワシントン率いる大陸軍が、デラウェア川を渡っている有名な作品、”Washington Crossing the Delaware” がありますが、そんなモチーフがもとになっています。
お隣には大統領にはなっていませんが、アメリカ独立時に活躍したアメリカ建国の父の一人、ベンジャミン・フランクリンがいます。当時、アメリカで最も大きな都市だったフィラデルフィアで活躍した人物で、独立戦争時にフランス大使としてフランスの支援を取り付けることに成功し、アメリカを勝利に導いた影の功労者です。フィラデルフィア はもちろん、全米中の色々な場所で、ベンジャミン・フランクリン像を見かけます。
第二代大統領、ジョン・アダムズ (John Adams)、第三代大統領、トーマス・ジェファソン (Thomas Jefferson)、第四代大統領、ジェームズ・マディソン (James Madison) をはじめ、歴代大統領が並んでいます。ジョン・アダムズは、ニューイングランド地方のマサチューセッツ州出身ですが、その後、ジェファソン以降、南部バージニア州出身の大統領が続いていきます。バージニア には、ジェファソンの Monticello をはじめ、マディソン、モンローらの邸宅が残されていて、見学することができます。
劇場の観客席には、第16代大統領のアブラハム・リンカーンがいます。南北戦争時に北軍を率い、奴隷解放宣言を行った大統領です。北軍の勝利に終わりますが、リンカーン大統領は、ワシントンDCのフォード劇場で、暗殺されてしまいます。ワシントンDCのリフレクティングプールの西側には、巨大なリンカーンの座像が飾られたリンカーンメモリアルがあります。“Goverment of the people, by the people, for the people”の名言は有名ですね。
アメリカの歴代大統領だけでなく、アメリカ史上の著名人も登場します。こちらは、奴隷廃止運動の活動家で、Harriet Tubman さん。もともとは、メアリーランド州で奴隷でしたが、北に脱出し、奴隷制廃止のために様々な形で尽力した女性です。Harriet Tubman は、アンドリュー・ジャクソン元大統領に変わり、20ドル札の顔 となる予定ですが、政権がオバマ元大統領からトランプ大統領に変わり、現在の状況では、2028年まで登場しない模様です。
南北戦争で北軍を率いたグラント (Ulysses S. Grant) と、南軍を率いたリー (Robert E. Lee)。グラント将軍は、後に、第18代大統領となり、ニューヨークには、グラント将軍メモリアル があります。
国立公園やナショナルモニュメントを増やし、自然保護に努めた、セオドア・ルーズベルト大統領。セオドア・ルーズベルトの父親が創設者の一人だったニューヨークの アメリカ自然史博物館 の正面に、セオドア・ルーズベルトの像があります。ノースダコタ州には、セオドア・ルーズベルトの名前が冠された国立公園もあります。
第二次世界大戦中のアメリカ大統領、フランクリン・ルーズベルトとイギリス首相、ウィンストン・チャーチル。
ケネディ大統領とジャクリーン・ケネディ夫人。
キューバ革命を起こしたカストロ議長 (Fidel Castro)。
1950-60年代にかけての公民権運動の代表的な存在で、ノーベル平和賞も受賞したマーティン・ルーサー・キング・ジュニア。全米中の通りの名前やアメリカの祝日にもその名を残しています。ワシントンDCには、巨大なメモリアル像もあります。アトランタには、キング牧師の育った家が残されており、その周辺は、国立歴史地区 となっています。
同じく、公民権運動で活躍し、ニューヨークの通りの名前にもその名を残すマルコムエックス (Malcolm X)。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア同様、暗殺されてしまった人物です。
ニール・アームストロング (Neil Armstrong) と Buzz Aldrin による、1969年の人類初の月面着陸の様子もあります。昨年は、アポロ11 人類月面着陸50周年記念 で様々なイベントが開催されました。
クリントン大統領とヒラリー夫人。ヒラリー夫人は、2016年大統領選 で惜しくも敗れ、女性初の大統領は誕生しませんでした。
21世紀最初の大統領となったのが、ジョージ・W・ブッシュ大統領。父親は、クリントン大統領の前の大統領、ジョージ・H・W・ブッシュです。911事件とその後のイラク戦争が印象に残る大統領です。
初の黒人大統領となったオバマ大統領とミシェル夫人。ノーベル平和賞を受賞したりと優等生かつ人気者の大統領です。
そして、現在のアメリカ大統領、ドナルド・トランプさんです。オバマ大統領とは対照的な存在で、話題の尽きないお騒がせ大統領ですね。
最後を飾るのは、アンクルサム。果たして、2020年の大統領選では、誰が選ばれるのでしょうか?
ちょっとお堅いアメリカの歴史ギャラリーの後には、マダムタッソーでお馴染みのハリウッドや音楽界のスターギャラリーが続きます。ジェニファーロペス。
テイラースウィフト。
スポーツセクションでは、野球の神様と呼ばれることもあるメジャーリーグの伝説的な選手、ベーブ・ルースや、
ゴルフ界のスター、タイガー・ウッズなどがいます。
テレビのナイトショーでお馴染みの人物も色々登場します。Oprah Winfrey、Jimmy Fallon、Stephen Colbert らアメリカのお茶の間の顔がいます。
この他、別料金となりますが、ヴァーチャルリアリティーのライド、VR THRILL COASTERS もあります。
マダムタッソー・ワシントンDCのチケット入場料情報は こちら です。
マダムタッソー・ワシントンDC
Madame Tussauds Washington DC
1001 F St NW, Washington, DC 20004 地図
マダムタッソーは、ニューヨークにもあります。展示内容もお客さんもかなりインターナショナルです。
マダムタッソーの本拠地、ロンドンでは、英王室をはじめイギリスの歴史上の著名人の他、劇場、ティーハウス、ライドアトラクションまであります。
イギリスでは、Brexit に続き、メーガン妃とハリー王子のイギリス王室離脱、Megxit が話題になっていますが、ロンドンのマダムタッソーミュージアムなどではそれを受け、メーガン妃とハリー王子に関する展示内容も変更されているようです。
ワシントンDCの定番観光スポットは、こちらをどうぞ。