以前書きましたように、マルエル・デ・ファリャ作曲のオペラ【はかなき人生】からスペイン舞曲第一番の日本で見られる踊りのほとんどは、小松原庸子先生の舞踊団で踊られている振付で、振付者は元スペイン国立バレエ団の芸術監督【ヴィクトリア・エウヘニア】氏ことベティー先生のものでございます。
庸子先生はマドリッドで修業時代、ずっとベティー先生の個人レッスンを受けられていたそうで、その時のお話もいろいろ伺いました。
先生が帰国後に日本で舞踊団を結成したときも暫く、ベティー先生を招聘されて振付等をお願いされていたようで、少し前にベティー先生のオマージュ公演をスペイン国立バレエ団が行う企画があり、庸子先生に電話があり「小松原舞踊団でベティー先生が振付けた曲はどのくらいあるのか?」という問いに、「さぁ~正確には分からないけど、少なく数えても30曲は確実にあるわね」というお話も伺いました
その中でも通称ヴィダブレと言われる、このスペイン舞曲の振付はピカイチの名振付で、今でも廃れることなく舞踊団はもちろんのこと、卒業生のOBたちも挙って踊っておられます。
私が庸子先生のお仕事でこの曲を踊ったのは、2006年?07年?覚えておりませぬが、日比谷野外大音楽堂の真夏の夜のフラメンコにてパリージョ無しで、女性3人男性3人で踊ったことをだけは覚えております。
その後、パリージョは無しは恥ずかしいので個人的に舞踊団の女の子に教えていただき叩き始めたのがきっかけです。
如何せん庸子先生のところは本番数が桁違い。
そしてこの名曲・名振付のヴィダブレがプログラムに入ることも多く、本番で踊っていくうちに振付もパリージョも身体に入ってきた次第です。
とはいえ、この曲は群舞で踊られるのが普通が故、誤魔化しながらなんとなく踊っていたのも事実でして、『こりゃいかんな!!』とクラスでも教えながらキチンと踊れるように、この名振付の全てに於いて納得できるようにと研究し始めました。
しかし、パリージョもそうですが、クラスコエスパニョールと呼ばれる舞踊ジャンルの指導をきちんと受けたとこはなく、ましてベティー先生に習ったこともお会いしたとこさえもなく、ただただ悩むばかりの期間を相当過ごしたものでございます。
ただ、クラシコエスパニョールはバレエが元になっているのが救いでした。
ヒヨコ先生に個人レッスンで鍛えていただいた知識と身体を最大限に突き詰めて、この曲を通じて舞踊の基礎を、スペイン舞踊の基礎を研究し続けようと思い現在に至ります。
上に書きましたように、クラシコエスパニョールもベティー先生も知らない私です。
きっと、というより絶対にベティー先生が振付けられた原型とは違うものになっていることは確実ですが、自分の持てる全ての知識を総括し一生を通じて研究し続けようと思っております。
ですから、全ての動きのおいて、そしてリズムに於いて「何故そうなるの?」と聞かれても「これは、これこれこういう理由でこうなります!」と答えることは出来ます。
きちんとしたエビデンスがあり、その結果の動き、そして表現であることを踏まえて、これから少しずつ時間があるときに【ヴィダブレ解剖学】と題した舞踊講座をこのブログで書きたいと思っております。
振付の順番手帳ではなく、自分が勉強してきたこと経験してきたことを全力で注ぎこむ舞踊指南書・手引書にしたいなと望んでおります
ヴィダブレを踊れるようになるためだけではなく、フラメンコにも役に立つように、表現法に役に立つようになれれば本望でございますが、かなり細かい、そしてマニアックな内容になってしまうことでしょう
というわけで、時々アップしてまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします