青黛:  長期に渡り量多く青黛を自己服用し、緊急入院(2016年厚生労働省の報告) | 潰瘍性大腸炎 & クローン病&過敏性腸症候群の改善・完治・根治

潰瘍性大腸炎 & クローン病&過敏性腸症候群の改善・完治・根治

                               ★ 仲間同士の情報交換サイト! ★

2016年12月に厚生労働省は、青黛に使用について、注意勧告の通知を全国の医療機関に送りました。勝手に自分で量を決めて使っていた人たちの中に、入院を必要とする副作用が出ていることが判明したためです。

例として、ある男性のケースが報告されていました。以下、いくつかのインターネット上の記事を参考に何が起きたのか推測してみました。

● 初発症と診断、処方
50代のある男性は、おなかの調子が悪いことに気がつきました。2カ月後、病院に行くと、医師から潰瘍性大腸炎だと告げられました。そのとき、処方されたのは、メサラジンでした。(軽症か中症かの明記なし。ペンタサ®かアサコール®かの明記もなし。)

● 2か月後に病院を変える
2か月後に、症状が悪化し、別の病院にかかりました。(このとき、肝機能障害のためアザチオプリンが、下痢用にメトロニダゾールが処方されていたようです。)

● 青黛について知る
たぶん、薬が思ったように効かなかったのでしょう。インターネットでいろいろ調べたら、青黛が炎症に効くとの情報、または、うわさのことを知りました。調べると、漢方医にかからなくても、インターネットで簡単に買えることがわかりました。

● 青黛を購入、長期に渡り、自己判断で多量に服用
購入した薬に、1日の服用量や副作用、使用上の注意点などの説明書きがあったのかどうか不明です。

男性は、1日3gを2回摂取していました。合計6gでした。
中国の漢方医の間では、1日2グラム、あるいは、3gが上限でした。日本で行われた治験は、いずれも2g以下に抑えられていました。期間も、8週間以下でした。

● 疲労がひどくなる
男性は、毎日6gを2年間、飲み続けていました。

1年が過ぎ、仕事中に息が切れるようになりました。症状はだんだんひどくなり、坂道を降りている時でさえ、息切れに。

その1か月後。平坦な道でも、10分から15分程度しか歩けなくなっていました。
 
● 緊急入院
最後に病院へ行きました。いすに腰掛けて何もしなくても、息が切れる状態でした。

検査で肺動脈性肺高血圧症と診断されました。

● 肺動脈性肺高血圧症

肺の中を流れる血液の中には、酸素がたくさん含まれています。肺からでは血流は、全身をめぐり、各所に酸素を送り届けます。

肺動脈性肺高血圧症は、肺の中の血管が異常に細く硬くなります。当然、血管の中の血液の流れは悪くなり、酸素が足りなくなります。

からだ中に、酸素が行き渡っていない!!

その知らせを受け、心臓は圧力を増し、肺の中の血液の流れを強め、血流を増やそうとします。
肺の中には、動脈と静脈がありますが、心臓が圧力をかけるのは、肺動脈。この部分の血圧が、以上に高くなる症状が、肺動脈性杯高血圧症です。

● 症状
この病気は、さまざまな要因で起きますが、そのひとつは、特殊な薬物によります。今回は、青黛でした。

この病気は、安静にしていれば、自覚症状はありません。なので、病気になっても気がつかない、気がつきにくい。
病気がある程度、進行すると、症状が出始めます。体を動かすと息苦しい、すぐに疲れる、体がだるい、足がむくむ。この段階だと、ただの疲れかストレスと思われがちです。
さらに症状が進むと、少し体を動かしただけでも息苦しくなったり、意識がなくなる(失神)。

青黛を使いすぎて入院した男性は、重症でした。

病気の進行は、人によって早い遅いがあります。青黛を長期に渡り、その人にとって量を多く使っている人の中には、知らない間に、この病気になっていく恐れがあります。

● 青黛を服用する前に知っておくべき病気
肺動脈性肺高血圧症と一緒に起きやすい病気は、膠原病、先天性心疾患、肝臓疾患などがあります。喫煙が原因で肺に負担がいくことで、併発する可能性があります。以上の症状がある人は、青黛は、危険要素になるかも。

参考までに、肺動脈性肺高血圧症は、厚生労働省の難病指定になっています。つまり、潰瘍性大腸炎やクローン病と同じように、原因がはっきりしていない、治りづらい病気です。

● 退院後
男性は、入院3か月後に検査を受けています。3か月後のBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)*は、194.5 pg/mlでした。(長時間心臓に負担がかかると、主に心室から分泌されるホルモン )

4か月後に、心臓の右側(右心)にカテーテルを入れての検査が行われました。

5か月目に退院したのか、在宅酸素療法が導入されています。新しい薬も、使われるようになりました。

その5か月後、BNPが、やっと25.1 pg/mlまで回復。(正常値は、 18.4pg/ml以下 )

7か月後、BNPは 10.8 pg/mlに。

男性が、このあと、肺動脈性肺高血圧症が完治したのかの報告はありません。が、青黛は止めていたでしょうから、完治したと予想されます。

● 青黛の長期的な使用

中国では、青黛が、古代から治療に使われたとあります。でも、使われた症状は、口内炎と言うように、短期的な症状だった。
潰瘍性大腸炎とクローン病は、治りにくく、再燃しやすい。このため、青黛を使い始めた人の中には、たとえ少量でも、何年も使い続けている人がいると予想されます。

● 検査
青黛による心臓への負担を調べるのに、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)という検査があります。


【参考文献】
厚生労働省: 難病 肺動脈性肺高血圧症
http://www.nanbyou.or.jp/entry/171

http://www.jsge.or.jp/files/uploads/houreitsuuchi20161227.pdf

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/hokenkinou/houreituuti.html



<a href="http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail3399.html">厚生労働省「植物由来製品による健康被害(疑い)について」 </a>


青黛の潰瘍性大腸炎に対する有効性を実証-慶大ら
<a href="http:// http://www.qlifepro.com/news/20171130/efficacy-of-indig-against-ulcerative-colitis.html"></a>