『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Aeneis's story] Ⅳ 『建国の地へ』 To the funding of a nation 第1章  イピロスへ  22

2019-12-10 06:18:55 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 オロンテスの持論は、『闘う!勝利する!それには食べ物が元である!』と固持している。
 船団の一同がオロンテスの配慮でもって、旨いスペッシャルパンでの夕食を終える。
 アエネアスとイリオネスは、宵が深まりゆく、潮騒騒ぐ波打ち際に立って話し合っている。
 『しかし、驚いたな。あのような話をこの辺境の地に来て耳にするとは、俺は真偽を疑っている。お前はどうだ?』
 『それは、私だって、真偽を疑っています。しかし、それはあり得る、真実ではなかろうかとも考えています。統領、真実であるとすれば。誰だと考えますかな?』
 『風聞は、トロイの王妃だということを考えれば、アンドロマケではないだろうかと考える。王妃と言えば、ヘカベかとも思うが、そうではあるまい。軍団長、とにかく、真偽を確かめる方策を考えてくれ。俺もそれについて、脳漿を搾る』
 『解りました。では朝が明けて、アサイチ会議でーーー』
 二人は自船に戻って行く、日は暮れる、隣にいる者が誰であるかが判らない闇である、天上には月がない、星のみが煌めいている、星の光では闇を葬り去ることはできないでいる。

 アエネアスは、ユールスとともに異郷の海に身を浸して朝行事を終える、浜に立つ、朝の挨拶を交わす者らと言葉を交わす、トロイを去って2年間、変わることのない光景の中に立っている。
 彼は、緊張をかくすことなく一同に接している、この辺境の地に到って、このような緊張する事態が惹起するとは考えてはいない、彼は、幸運か不運かを判じかねている。
 目覚めたときに彼は、『真偽を確かめる!』と決断を下していた。
 『どのようにして、さえぎるものの無い海と言う名の壁の向こうの真実をつきとめるか』である。
 イリオネスが来る、船長役の者らが二人を囲む、イリオネスが一同に告げる。
 『まあ~、大ごとだといえばそのように言える大事だ。朝めしを早々に済ませて集まってくれ。この事態について協議する』
 『解りました』
 一同がかもし出す雰囲気は、ただならぬものを感じさせる、朝食を済ませる、彼らが集まる、人気のない浜の一隅に集まる。
 イリオネスが協議の口火を切る。
 『統領!この事態の決断を言ってください』
 イリオネスの厳しい語調である。
 『おう、俺の決断か。真偽を確かめるだ』と言い切る。
 『一同、判ったな!真偽を確かめる!それをどのようにしてやるかを協議する』
 一同と目を合わせる、目が鋭い。
 『少々間をおく、考えろ!それで話し合う』
 場が鎮まる、パリヌルスが手を上げる。
 『軍団長、このケルキラから、かの地までの海路、土地事情が分からないでは方策の立てようがありません』
 『そうだな、今は不明だ。朝、浜を出て一日の航海でかの地の浜に着くと覚悟して方策をたてろ!』
 『解りました』
 彼らは、考える、『これは、戦略である』と位置づけて思考に及んだ。


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