9月下旬に日本へ帰国しました。
ブログを書くのがご無沙汰にならないように、9月までの事を少しずつ記していこうと思います(笑)
5月中旬のギャラリー再開から行っていた個展が6月いっぱいで終了し、7月に入ってから展示作品を入れ替える作業を行いました。
作業は以下の流れで、4日掛かっています。作品は何十万~何百万とするものなので、扱いにとても気を遣いました。
①壁に掛かっている作品を外して包装し、元々保管していた場所へ戻す。
②ネジ穴を塗料で埋め、乾いたらやすりで表面を滑らかにして最後に白いペンキを塗る。
③壁に貼っているテープ状の展示説明文の文字を1つずつ剥がす。
④新たに作品を掛ける場所をレーザーで正確に決める。
⑤作品を保管場所から取り出し、掛けていく。
⑥展示場所の清掃を行う。
結局個展で売れた作品は、30万程度のものが2点でした。
他の作品は大型のものが多く、車が買えるほどの価格なので、なかなか売るのは難しかったと思います。
ただ週末はお客さんの数が多かったので、展示アーティストの方を知ってもらうという意味では成功だったと、オーナーが言っていました。
7月からの展覧会は、所属アーティストの何名かの作品を展示するグループ展です。
個展を行わないのは、①これまでの個展で売れ残って在庫となった作品を減らすため、②7月に入るとバカンスとなるのでお客さんが減り、個展の売上がいまいちではアーティストに失礼、ということが関係しています。
展示予定の作品を見ながら展覧会のタイトルを何にするか話し合っていた時に、僕は「夏木立」が良いのではと提案してみました。
今回は、夏の自然を表す作品を展示しようということになっていたからです。
「夏木立」は夏の季語で、暑い日の中のちょっとした涼しさや静かさを表しており、それがギャラリーの展示空間・作品に合っていました。
コロナで落ち着かない状況に対して働きかける意味合いもあります。
また、日本の現代アートを扱うギャラリーなので、俳句のアイデアを使用するのに違和感はありません。
このように説明すると、オーナーに気に入ってもらえ、最終的にこのタイトルを採用してもらいました。
貢献できたのは少しだけですが、こういう瞬間は嬉しいものです。
夏木立を含む俳句3句を選んで、壁に記す展示も行いました。
こういう時のためではないですが、日本人として、和歌や俳句に使われる美しい日本語をもう少し知っておきたいなと思っています。
余談ですが、祖母からもらった「田辺聖子の小倉百人一首」「田辺聖子と読む蜻蛉日記」の2冊は、なかなか面白かったです。