府中駅近くに鎮座する東京五社にも数えられるとても大きな神社です。
111年(第12代景行天皇41年)5月5日、大國魂大神が降臨し、それを祀ったことに始まるとされています。その後、出雲臣の祖神、天穂日命の後裔が武蔵国造に任ぜられ、奉仕を行って以来、代々の国造が奉仕して祭務を行うようになったと伝えらています。
大化の改新(645年)の後、武蔵の国府が境内に置かれ、社を国衙の斎場とし、国司が奉仕して国内の祭務を総轄する所となりました。国司は任国内の全ての神社を一之宮から順に巡拝していましたが、その巡礼のための時間を節約するため、各国の国府近くに国内の神を合祀した総社を設けて祭祀をまとめて行うようになりましたが、そのうちの武蔵総社となります。
その後、本殿の両側に武蔵国内主な神、六所(ろくしょ)[小野大神、小河大神、氷川大神、秩父大神、金佐奈大神、杉山大神]を奉祀して六所宮とも称せられるようになりました。
1062年(康平5年)、前九年の役平定のために源頼義、義家父子が、国の天然記念物にも指定されている現在の"馬場大門のケヤキ並木"の起源となる欅の苗1000本を寄進します。また、源父子が神前にすももを供えたことから、その日とされる7月20には、毎年"すもも祭り"が行われています。
1182年(寿永元年)、源頼朝が葛西三郎清重を使節とし、正室政子の安産の祈願が行われます。1186年(文治2年)、頼朝は武蔵守義信を奉行として社殿を造営し、また1232年(貞永元年)2月に将軍頼経の代にも武蔵守資頼を奉行として社殿が修造されました。
1590年(天正18年)8月、徳川家康は、江戸入城後、武蔵国の総社として崇敬し、社領五百石を寄進し、社殿その他の造営が行われます。
1646年(正保3年)10月、類焼により社殿が焼失。1667年(寛文7年)、徳川家綱の命により、久世大和守広之が社殿を再建します。慶応年間(年~年)には、檜皮葺が銅板葺に改められました。
1872年(明治4年)、社号が"大國魂神社"に改められます。
2011年(平成23年)、齋館の新築、随神門の改築、手水舎の移設が行われ、さらに、2017年(平成29年)、西参道と鳥居が建設されました。
"くらやみ"祭と称される例大祭は、東京都指定無形民俗文化財に指定され、関東三大奇祭の一つに数えられています。
広い境内には、境内社も数多く、ゆっくりと時間をかけてお詣りしたい神社です。
2016年(平成28年)6月15日拝受
大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)
御祭神:中殿 大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)[=大国主命]
御霊大神(ごりょうおおかみ)
東殿 一之宮 小野大神(おののおおかみ)[小野神社(東京都多摩市)]
二之宮 小河大神(おがわのおおかみ)[二宮神社(東京都あきる野市)]
三之宮 氷川大神(ひかわのおおかみ)[氷川神社(埼玉県さいたま市)]
西殿 四之宮 秩父大神(ちちぶおおかみ)[秩父神社(埼玉県秩父市)]
五之宮 金佐奈大神(かなさのおおかみ)[金鑚神社(埼玉県児玉郡神川町)]
六之宮 杉山大神(すぎやまおおかみ)[杉山神社(神奈川県横浜市)]
御利益:厄除け、縁結び、商売繁盛など
摂社
宮乃咩神社(みやのめじんじゃ)[祭神 天鈿女命(あまのうずめのみこと)]
坪宮(つぼのみや:坪宮社、国造神社とも)[祭神 兄多毛比命(えたもひのみこと)]
末社
境内末社
松尾神社[祭神 大山咋命(おおやまくいのみこと)]
巽神社(たつみじんじゃ)[祭神 市杵嶋姫命(弁才天)]
東照宮[祭神 徳川家康]
住吉神社[祭神 表筒男命、中筒男命、底筒男命]
大鷲神社(おおとりじんじゃ)[祭神 大鷲大神]
神戸稲荷神社
水神社
境外末社
瀧神社[祭神 賀茂別雷命、玉依姫命、賀茂建角身命]
天神社[祭神 少名彦命(すくなひこのみこと)]
近隣の駅:府中本町駅(JR)徒歩2分
府中駅(京王線)徒歩5分
御朱印受付時間:9時~17時
公式サイト