彼女が口にした最後の言葉は
「永遠とは今」
話のきっかけが何だったのか忘れましたが、最初は双子の話から始まりました。
双子の顔がそっくりなのは、同じ遺伝子を持っているからだよ、という説明をしていました。
遺伝子という言葉は、前期の仮面ライダービルドに登場した、エボルトという地球外生命体が、遺伝子をどうたらっていう話をよくしていたので、息子氏にも多少身近に感じられたようです。ただ、仮面ライダーで使われていた「遺伝子」という言葉は、子供向けドラマということもあり、かなりざっくりしたイメージで使われていましたので、息子氏も言葉は知っていても、その意味は理解していないだろうと思いました。
実際、息子氏が言うには「知ってるよ、体の中にあるんでしょ」ということで、やはりざっくりしたイメージで捉えていて、その遺伝子がどのように機能して、人の体にどう影響するか、ということまでは理解していませんでした。もちろん、8歳でそれを理解するのは難しいと思います。私自身、どこまで正確に理解しているかと聞かれると自信がありません。
そこで、遺伝子というのは、体を作っている小さな小さな細胞という部品、ひとつひとつの中に、これまた小さな小さな遺伝子というものがあって、それが人の姿かたちの設計図になって、顔の形や、体の大きさなどを決めている、というような説明をしました。
息子氏にも、お父さんとお母さんの遺伝子が半分ずつ混じっていること、生きものはだいたいみんな遺伝子を持っていること、人間が生まれるずっと前、最初の生きものから遺伝子が受け継がれているのだよ、というような話をしました。
じゃあ地球が生まれる前は?と聞かれたので、地球が生まれる前は地球の生きものはいなかったから、遺伝子もなかったはずだけど、もしかしたら地球の生きものの素は宇宙から来たのかもしれないね、という話をしました。
ちょうど、かかみがはら航空宇宙博物館に行ってきた日の夜だったので、火星探査機や、はやぶさ2のことを話して、地球外探査の可能性についても少し触れました。
そこから、地球ができる前は何もなかったの?と聞かれたので、宇宙は地球ができるずっと前からあったよ、と答えました。すると、宇宙は小さな玉(ドッヂボールくらい)が爆発してできたんでしょ?と言うので、ビッグ・バンのことはどこかで覚えたんだなと思い、ボールよりもっとずっと小さな小さな目に見えないくらいめちゃんこ小さな粒から爆発して宇宙ができたと言われているよ、という説明をしました。
えーっ?と驚いた息子氏でしたが、そのあとすぐに「なんで宇宙ができたの?」と聞かれて返答に困りました。答えあぐねていると「最初から何もなければ丸く収まってたのに」と言いました。
それはそれですげぇ考えだな、と思いました。同時に、この年でそう思うほど辛いことでもあったのかと、少し心配になりました。
だから「たぶん何もなさすぎてつまらなかったんじゃない?神さまか何かが、退屈すぎて爆発したんだよ」と答えておきました。息子氏は可笑しそうに笑ってくれました。
ゲームか仮面ライダーにしか興味がないと思っていた息子氏が、8歳児なりに宇宙について考えたことがあるとは、少々の驚きました。また同時に嬉しさも感じました。これからも、人知の及ばない事柄に関心を持って成長してほしいと思います。
ということで、本日もお粗末さまでした。
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