ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

キラキラ輝く

2019-12-04 08:54:34 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題
「先生も悪くない」12月1日
 心療内科医海原純子氏が、『「こんな大人」の言うことはきけない』という表題でコラムを書かれていました。「身の丈」発言や桜を見る会にまつわる大人たちの醜い姿から、大人のあり方を考える内容です。その中で海原氏は、『できれば、すてきな大人の生き方をよりたくさん、子どもたちにみせたいものだ(略)後の世代に何を残すかは、子どもたちが、「あー、そんな大人になるのなら年をとるのも悪くないな」と思える大人がどのくらい増えるかで決まる』と書かれています。
 まったくそのとおりです。私は海原氏のコラムを読みながら、あることを連想していました。それは、先日目にした教員志望者が減っているという記事のことでした。教職は大変、自己犠牲を強いられるというイメージが強く、教員免許は取ったものの教職に就くことを躊躇う若者が多いという記事でした。
 私は、教え子の中の何人かとは今もときどき連絡を取り合っています。その中に教員免許を取ったが、教員にはならなかったという女性が複数います。アラフォーの彼女らにとって、大学を卒業した時代の教職は、安定し給与もそれなりの職であったはずですが、彼女らは教職を選択しませんでした。
 私の教え子は、300人ほどいますが、教職に就いたという者は一人もいないのです(連絡はないが教職に、という者はいるかもしれませんが)。彼女らにとって、担任時代の私の姿は、魅力的ではなかったのではないか、と考えてしまうのです。それは、私がよい教員であったか否かという視点とは別に、人として生き生きと前向きに意欲をもって日々を送っていたかという意味で、です。
 もちろん、生き生きと前向きに意欲をもって日々を送っていた教員の教え子でも、実際に教員になるのは100人に1人か2人という割合でしょう。別に自分を卑下する必要はないと思っています。ただ、教職志望者が減っていくということは、我が国の教育にとって大きな損失です。この危機を乗り越えるために、現職の教員は、人として魅力ある生き方を見せるということをもう少し意識してもよいのではないか、と考えます。そして、魅力ある生き方をしている教員の姿を積極的に広めていく、という施策が必要なのではないかと考えたのです。
 校長会や副校長会、様々な研究団体、教育研究所や大学の教育学部、それらの組織や機関が、書籍やネットなどを使い、魅力ある教員を発掘周知する、そんな取り組みを進めてみてはどうでしょうか。
 
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