ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

時代は変わった?

2019-12-08 09:16:49 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「今はOK?」12月3日
 栗田慎一記者が、『電車の中でインド人』という表題でコラムを書かれていました。その中で栗田氏は、東京メトロ東西線車内での出来事を綴られていました。『子どもたちは「ゆかいな牧場」を英語で重唱したり、スナック菓子を取り合ってけんかしたりと、とてもにぎやか。見ていてほほ笑ましいのだが、お父さんが「ここは日本だから静かに」と言うので、だれかに言われたのかと尋ねると、ガイドブックのコラムに「日本では公共の場で子どもが騒ぐとトラブルになります」と書いてあるという。インド人の実体験なのだろう。子どもにやさしくない国だと言われているのだ』と。
 違和感を覚えるのは私だけなのでしょうか。私は教員時代に遠足などで子供たちを引率するとき、車内では静かに、乗客の迷惑になるような行為はやめる、と指導してきました。私の指導が特異なのではなく、多くの学校の多くの教員が同じような指導をしているはずです。
 そして、2回ほど、「皆さん静かで行儀がいいわね」と褒めていただき、新聞の投書欄にも、「遠足に行く小学生の一団と車内で一緒になった。通勤時には電車内で一日の仕事の手順を確認するのを常にしているが、今日は(騒がしくて)駄目だな、と思っていたが、みんなドア付近を避け、静かにしている。どうしてそんなに静かにしていられるの、と訊くと、先生から言われているし、代々の伝統なんです。去年の6年生も静かで偉いって感心した人から学校に電話があったんです、との答えが返ってきた。名札を見ると○○小学校だった~」という投書が掲載されたものです。そのときは子供たちもとても喜んでいたものです。
 こうした指導は間違っているのでしょうか、行きすぎた指導だったのでしょうか。子供に対して優しくない対応だったのでしょうか。栗田氏のコラムを見て、自分の指導が否定されたようで複雑な気持ちになりました。それとも、私が担任をしていたころとは時代が変わり、常識が変わっているのでしょうか。私は今でも、電車内で歌を歌うなどもってのほか、地下鉄内でお菓子を取り出すことも非常識と思っているのですが。
 子供への躾のあり方は、時代と共に変化するものです。そしてそれは、外国ではこうだから、という「出羽守」的な一方的なものではなく、その国の多くの人たちの常識や感覚に則ったものでもあるはずだと思うのです。もちろん、日本人も外国に行ったときは、その国の風習を尊重するという条件付きですが。
 遠足に行く子供たちが、電車内で大声で歌い、お菓子を取り合う姿をほほ笑ましいと、温かく評価してもらえるのなら、私は自分の感覚で語ることを止めなければなりません。
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 言語への偏りを修正する | トップ | 拡大解釈可能 »

コメントを投稿

我が国の教育行政と学校の抱える問題」カテゴリの最新記事