新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

アメリカの大統領選挙

2020-10-01 08:30:52 | コラム
トランプ大統領対バイデン元副大統領の討論会:

実は、実況中継があると承知はしていたが、見ても聞いてもいなかった。と言うのも、如何なる状況になるかは大凡の見通しが立っていたし、夜になれば「報道1930」とPrime Newsに専門家が登場されて解説があると承知していたからだ。それ以外に正直に言えば、ここ数年ほどはめっきりと英語の聞き取り能力が衰えてきたので、悔しい思いをしたくなかったという私的な事情もあった。一寸だけ弁解をお許し願えば、英語の世界を離れて26年も過ぎれば、獲得形質だった英語の能力が衰えるも仕方があるまいと割り切っている。

午後7時半から聞きだした両方の番組で聞いた限りでは、結果はほぼ予想通りだったと思う。予想はドナルド・トランプという方のこれまでの約4年間の言動を見ていれば、あのような攻撃的というか司会者の制止を無視してまでもバイデン氏の発言に割り込むことは十分に予測できていた。しかし、バイデン氏についてはほとんど予備知識も何もないので、巷間流布されている認知症のような状態が果たして出てくるのかには関心はあった。残念ながら?そういう状況は出ていなかったと思う。

結果については色々な批評が出ていて「史上最悪」だの何のと様々である。木村太郎氏は「トランプ氏の完敗で、バイデン氏は十分に準備をして臨んできたし、屡々原稿に目を落としていたのがその表れ」という批評だったが、そういう意味ではトランプ氏は「朝飯前」(“piece of cake”)とでも軽く考えていたのではないかと疑わせる批評だった。中林早稲田大学教授は「トランプ氏はアメリカファーストを標榜されているが、実態は『自分ファースト』ではないのか」と決めつけられたが、私は以前からこう指摘して来た。

Prime News側では手嶋龍一氏がかなり手厳しくトランプ大統領の批判をされていたが、明治大学のアメリカ通の海野教授は明快な判定は下さなかった。但し、両方の番組に共通していた見方は「1回目では判定は下せない」という点と「トランプ大統領の税金問題に対する説明は不十分だ」という辺りだろう。トランプ氏はビジネスマンであれば節税(脱税ではない)をするのは当然だという説明は私には不十分だと聞こえた。気になったのは、手嶋氏が「トランプ氏には史上最強とも言われている強力な弁護団が付いていて、この点に関しては鉄壁の守りがある」と指摘された点だ。

どちらの局で誰が言ったことか記憶は曖昧だが「トランプ大統領が少しくらいこの討論会で少しくらいやり込められたからと言って、岩盤のラストベルト等の支持者の層がトランプ大統領不信に陥ることはないだろう」と指摘していたのが印象的だった。即ち、トランプ大統領はその点を意識してバイデン氏を責め立てているのだという解説のようだった。一寸だけ私の感想をも言わねばと思うが「余り印象的な中身がない討論会だった」と「バイデン氏は失点がほとんどなかったのでは」いう辺りだ。



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