新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

9月29日 その4 First name firstの世界を知ろう

2020-09-29 14:56:05 | コラム
「英語の教え方・学び方 #3」の補足である:

ここで敢えて追加で指摘して置くことは「アメリカ・ヨーロッパの諸国では、先ずファーストネームで呼び合うのがごく当たり前の文化である」という点だ。件名は敢えて英語にしたのはその点を強調したいからだった。私が不満であり極めて遺憾に感じていることは「テレビではアナウンサーたちが何の配慮も疑問にも思わずに原稿にあるままか、あるいはアメリカ・ヨーロッパの諸国ではファーストネームで呼び合うと知らないのか、初めて出てきた例えばジョン・ヘンリーのような氏名にに出会うと、躊躇せずに2回目から『ジョンさん』と言ってしまう点」なのだ。

先ほども例に挙げたが、この世には「マイケルさん」は数限りなくいるのだから、どのマイケルさんかを明らかにする為には「マイケル・ジョーダンさん」とか「マイケル・ジャクソンさん」と言うべきなのだ。ここで既に余談に行くが、長くアメリカに住んでおられる方とこのファーストネーム談義をした事があった。当然ながらマイケル・ジョーダンの例が出た。すると、その方は「誤りはそれだけではない。彼は『マイクル・ジョーダン』とするのが正しい」と指摘された。誠にご尤もで、正確には「マイクル」であるべきだった。

私は我が国の英語教育が徹底できていないので、未だにアメリカ・ヨーロッパの諸国では「ファーストネーム・ファースト」の文化である点が行き届いていないので、マスコミは何かと言えば「ロン・ヤスの親しい間柄」だの「シンゾー・ドナルドと呼び合う親密な間柄を確立された世界で唯一の総理大臣」などと、私に言わせればトンチンカンなことを、恥ずかしくもなく報じているのだ。勿論、初対面でいきなりファーストで呼びかけることは希にはあるかも知れない。

普通にはと言うか、私が常識だと思って実行していたことは「先ず名刺交換から入れば、その氏名を一度音読してから“これで正しいのでしょうか”と確認し、更に“May I call you John or Mr. Henry?”かと確認するようにしていた。相手がJohnではなくニックネームのJackを使っている場合には、そう言ってくれるので、初対面でも二言目にはファーストネームに移行できる。私の場合はMasaakiが名前であるが、数名の方に何度か薦められたMikeを採らずに、Masをニックネームにしていたので、“Please call me Mas, if you want.”のように名乗っていた。

零れ話の部類になるが、最初に転進したMeadのパルプの社長(他社ではVice president and general managerに当たる)は初対面の時に何度も私の名刺に目を落としては“Masaaki”と呼びかけていた。決して名字の方を呼ばなかった。22年以上ものアメリカ会社暮らしで、上からも同僚からも、工場の組合員たちからもMas以外で呼びかけられたことはなかった。これは決して組合員たちと親密だったからではない。工場では誰もが当たり前のようにファーストネームで呼び合っていたのを、組合員たちも真似だだけのこと。

我が国の文化が「年功序列と地位によって敬称を付けるるか、当世風に言う『ため口』にするか、『さん』をつけるか、『君』にするかには十分な配慮と注意が必要」なのである。その美風をアメリカ人を相手にした時にも当て嵌めようとされるのが我が国の奥ゆかしさである。だが、彼等は折角Mr.を付けて敬意を表しても、他人行儀で堅苦しいと解釈してしまうのだ。テレビで「マイケルさん」だの「ポールさん」と言っているのは未だ良いが、外国人と面と向かった場合には上記にように「何とお呼びすれば良いのですか」と問いかけて、親しい間柄を構築すれば良いのだと思う。



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