新宿少数民族の声

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11月23日 その2 日本シリーズ第2戦観戦記

2020-11-23 09:56:37 | コラム
矢張りセントラルリーグは格下か?:

昨22日夜は「セントラルリーグ格下論」がどのように立証されてしまうかを観察することになってしまった。正直に言えば「読売巨人軍嫌い」である私にとっては、良い結果だったのだが、試合の結果の余りの惨状に同情心さえ湧いてきた。如何に何でも13対2の敗戦で、安打5本の惨敗は悲惨だった。ジャイアンツの選手全体が最初からホークスに対する恐怖心があり、萎縮していたのではないかと見た。その自信のなさが、それでなくとも一人前にはほど遠い吉川2塁手の1回のエラーとなって現れ、いきなり「試合が終わった」と思わせられた。

冷静なる評論家として、あの試合に見た諸々の問題点を挙げてみようと思う。

先ずは原監督の投手起用の誤り。昨日の戦評で既に「今村程度の左投げの投手では柳田等を抑えきれない」と予告していた通りで、いきなり柳田に物凄い当たりのセンターの頭を越える2塁打で失点した。私は今村のあの膨らんだ顔付きは練習不足であり、鍛え上げられていない証拠だと見ている。格下の投手では無理だったと立証してしまった。私には何故戸郷を先発として使わないかと奇異に感じていたが、昨日の出来を見れば、あの程度ではというか自信の無さでは通用しないと解った。2番手で出していたのは正解だったとは気の毒だった。

気の毒だったのが敗戦処理で出された嘗て広島からFAで取ってきた大竹寛だった。あの使われ方も非情だと思うが、あの満塁にした場面でピッチャーゴロを捕って捕手に暴投するとは余りにも無残だった。何時までも読売ブランドにすがっていないで、自発的に引退したらどうか。言うなれば、老いぼれの失策で見るに堪えなかった。宮本と原は冷酷だとも思わせられた。

次は吉川尚のエラーだ。勝負の辛いところは「欠陥というか問題だと思う所、乃至は選手の駄目な点は平時には現れないのであり、『ここぞ』という重大な局面でその弱さが出てしまうもの」なのである。高橋由伸前監督の頃からジャイアンツは正二塁手を育成してこなかった。色々やってみた結果で確か遊撃手で獲ったはずの吉川に落ち着かせたようだが、2塁の守備はショートストップとはなるで違うのだ。吉川の駄目だった点は「あの飛び付いて捕った所までは良かったが、1塁に投げるべきか否かの判断を誤った」のが未熟だったし、試合の流れをホークスの献上したのだった。

昨夜はNHKのBSで宮本慎也の解説を聞いていた。宮本はパシフィックリーグには「パワーピッチャーが多いのだが、セントラルではそういう種類の投手に馴れていないのではないか」と気を遣った表現をしていた。工藤監督がそこまで読み切ったかどうかは知らないが、石川柊太という育成出身のテンポ良く速い球を投げ込んでくる投手に手もなく捻られてしまった。それが、速球投手に不慣れな為か格下だからかまでは読み切れなかったが、坂本、岡本、丸等の自信がない顔付きを見れば、「不慣れだ」というだけでは片付かないと思わせられた。

ホークスにも問題点はあると思う。2試合続けて圧倒的に勝った。それは良いのだが、昨夜のように15本もヒットを打って、ホームランを3本も打ったのは過剰ではなかったかという点だ。高校野球にも良くある現象だが、前の試合で沢山打ちすぎると次の試合では一転して打てなくなってしまう例を屡々見てきた。試合は1回で決まってしまったのだから、後は数多く揃えてあるパワーピッチャーにシリーズに馴れさせておけば良かったので、あれほど打つ必要はなかったのかと危惧する。もしかすると、ホークスのパワーバッターたちは「打撃練習」でもしていたのか。

残る問題点かも知れないのが周東であろう。彼だけがヒットが出ていないし、得意の盗塁もそれ故に四球で出た1度だけだ。あれは彼本来の打者としての実力なのか、ジャイアンツのスカウテイングが徹底していたのかの何れだと思う。だが、これまでには守備で結構良いところを見せていたので、あれ以上無理に要求しないでも良いのかも知れない。私が見た限りでは周東と松田は当たっていない。だが、他の者たちは余裕綽々だし、特に栗原は神がかっている当たり方だ。

明日から福岡で4試合やるのだが、原監督は記者会見で「その間に猛練習だ」と語ったと報じられていた。私はこれは見当違いだと思って読んだ。あの2試合での負け方は技術の問題ではなく、精神的なものだと思う。恐怖心と自信喪失で負けていたのではないか。こういう時にマスコミが常套的に使う「切り替えて」(何を切り替えろというのか知らないが)という問題だと思う。選手たちをウイルスに感染しない程度に自由にさせて、ホークスに10連敗した呪いから解放してやるべきではないのかな。



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