新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

恣意的にカタカナ語を使うのを止めろ

2020-04-03 07:54:27 | コラム
「クラスター」って何のこと:

これまでは「オーバーシュート」と「ロックダウン」という英語擬きの言葉の意味を解説もすることなく使っておられる方を批判してきたが、それ以外にも新型コロナウイルスの関連で「クラスター」が当たり前のように使われている。私はこの言葉をも使う必然性はないと思っている。何故、素直に「集団感染」と言わないかと不思議に思っている。率直に言えば、使っている連中は英語の単語の知識を衒っているとしか思えないのだ。あの偉い方もマスコミも、即刻「クラスター」ではなく、チャンとした日本語の「集団感染」とすべきだと主張する。

私はもとより余り日常的に使うことがなかったこの“cluster”という単語の意味は承知していた。というよりも、使われた場合の前後の脈絡からして「何らかの塊」だと推察していた。アメリカ人の中で暮らしていれば、知らない言葉が出て来る度に一々「それ何のこと」などと尋ねる訳にはいかないので、流れの中で推理して考える他ないのだ。

実は、このカタカナ語の登場があって、今回初めてジーニアス英和辞典を引いてみた。そこにあったのは「(花・果実などの)房、かたまり」が最初に出てきた。2番目が「動物の群」だった。実は、M社の包装システムには“Cluster Pak”という商品もあった。念の為に、Oxfordも見ておくと“a group of things of the same type that grow or appear close together”となっていた。不勉強にして英語では「集団感染」をどのように言うか考えたこともないが、何れあの賢夫人に教えを乞うてみよう。ふと思い当たった言葉は“massive”と“collective”だった。

何れにせよ、こういう重大な危機が迫っている時に、何も紛らわしい中途半端なカタカナ語を使う必要も必然性もないと思うが、如何なものだろうか。


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