My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

SONY DAS-703ESの音質評価。~手持ちの他DAC、CDPと比較。デジタルも難しい。~

2018-12-09 14:08:09 | DAC

DAS-703ESのメンテ、修理を終えてから約一週間、接続方法や機器を替えて、デジタル再生環境の比較試聴をしてみました。

使用した他の機器たちは以下です。
・CDプレーヤー:REVOX B226(TDA1541A-S1換装品)で固定
・プリアンプ:自作アンプ。E80F+ECC82カソードフォロワー。
・パワーアンプ:6C33C FOXBAT改良型
・スピーカー:JBL L26 Decade

ソースは、ジャズ・ボーカルで「All for you / Diana Krall」 Made in the EU. 
※私は洋楽CDは出来るだけ、オリジナル輸入盤を買うようにしています。

All for You
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Universal Jazz

ダイアナ・クラールのCDは、「Love Scenes」なども有名ですが、私は、こちらも音が良く内容も良いと思います。
このアルバムは、彼女の声に張りがあり良く伸びていて素晴らしく、途中で飽きることもなく、彼女の世界に引きずり込まれてゆきます。彼女の魅力全開です。全曲通して聴き入ってしまいます。
その中でもオーディオ評価的な聴きどころは、特に後半9曲目頭の彼女の弾くピアノです。何だかワイヤーか、椅子か、鍵盤か軋み音が聴こえます。それからボーカルが入り、包み込まれてゆきます。

そして、もう一枚、フュージョン系で「givin' it up / George Benson & Al Jarreau」です。

Givin It Up
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Concord Records

コンコード・ミュージックのレーベルで、ミキシング・エンジニアは、ダイアナ・クラールと同じ「アル・シュミット」です。但し、ミキシング・スタジオは違いCapital Studioで、且つ「Recorded with Monster Cable」とあります。音が滅茶苦茶良いです!!!。☆5つです。低音から高域までワイドレンジで、細かな音もバランス良く捉えれています。
アル・ジャロウの神業的なボーカル、ジョージ・ベンソンのメロウなギター、そして参加ミュージシャンが、フュージョン界の有名な凄腕揃いです。ポール・マッカートニーも参加しています。

 

(評価は3種類)

①REVOX B226のライン出力

②REVOX B226 デジタル出力→DAS-703ESアナログ出力

③REVOX B226 デジタル出力→DAS-703ESデジタル入力→GUSTARD DAC-X10(ES9018)アナログ出力
 ※注釈:DAS-703ES digital in->digital rec out。要するにDAS-703ESをデジタル信号のバッファ(中継)として使用。

 

(個人的な評価結果)

①は今迄聴いてきた音で一番円やか。ヨーロッパ的な雰囲気が出て聴いていて和む感じ。
 但し、②を聴いた後では少し暗い感じ。

②は最も音がクリアーでエッジが立っている。
 低音の質感も良い。音の輪郭がはっきりしていて1音1音が聴き取り易い。
 ウッドベースを爪弾く音、ピアノの鍵盤やペダルの音、ギターのピックの当たる音が良く聞こえる。
 エッジが立っているためか、空間表現が良い。ボーカルが際立つ。前に出てきて攻める感じの音。
 バックの演奏もクリアーではっきりと聴きとれる。
 音源のデータを取りこぼす事なく100%取り出している感じです。

③は、②の角が取れて色艶、憂いが入る。音は滑らかで聴きやすい。
 低音も良く伸びているけど、②よりは円やか。

 フュージョン系も聴いてみたが良い感じ。②に比べ音と音の間が埋まった感じ。


 (まとめ)

〇クリアー感: ② >> ③ > ① ※②が断トツです。

〇質感:何を持って質感と言うのか? 
  低音は重く、高域はクリアー、かつ全体に憂いがあり上品と言う事であれば、 
  ③ > ① > ②

〇空間表現:音の奥行き、左右への拡がり?臨場感?
  ② = ③ > ① 

〇音密度:音数の多さ
  ② = ③ > ① 

と言う事で、私が一番気に入ったのは、
③REVOX B226 デジタル出力→DAS-703ESデジタル入力→GUSTARD DAC-X10(ES9018)アナログ出力
です。
ダイアナ・クラールのボーカルの魅力、声の艶、ピアノのアタック、響き、余韻など。またフュージョンでは音のレンジの広さと、音の情報量、アタック感などが特に良いです。

②も悪くはありませんが、長時間聴いていると疲れます。まだデジタル臭さが残ります。
デジタルノイズに関して改造の余地あり。検討中です。

①に関しても、まだ改良の余地ありです。DEM用のコンデンサを換装する事で音質が変わるでしょう。さらにDEMの周波数を高くしても音質の変化が見込めそうです。こちらも検討中です。

弄りながら、その変化をしばらく楽しめそうです。

 

今回テストしていて、改めて判った事がありました。これも収穫です。ここからが重要かも?

それは、デジタル音声信号の扱いです。

CDPからのデジタル出力をあまり神経質にならずにDACに送り込んでいたのですが、実はここのインターフェースが重要でした。

各インターフェースでの条件ごとの波形を取って見ました。SPDIF(Coaxial)出力です。
※波形画像のなかのWid(1)の測定値は無視してください。

CDP B226のデジタル出力:
負荷ナシ。non-load レベルはp-pで1.17Vあります。

DAC-X10に接続:規格では0.5Vp-p±20%となっているので、こんなもんでしょう。

B226はデジタル出力を2つ持っているので、更にもう片方もDAS-703ESに接続します。
すると、レベルは減衰し、波形も訛ります。この状態ではDAC-X10はLOCKしませんでした。DAS-703ESはLOCKします。

そこで、B226のデジタル出力を1系統のみ使用し、DAS-703ESに入力、DAS-703ESのデジタル出力を使う事に。

B226 digital out → DAS-703ES degital in → DAS-703ES digital out → DAC-X10 digital in

この状態では、DAC-X10もきちんとLOCKしました。


そこで、B226とDAS-703ESのデジタル信号のインターフェース回路を見てみる事に。

CDP B226のデジタル信号の送り出し回路。右下にコアキシャルの出力端子が有ります。

 

これを見ると、アイソレーション・トランスの後に2つの端子が単純に並列に入っているだけです。
これでは2系統接続した場合は、インピーダンス的にも良くないでしょうね。インピーダンス・マッチング用の75Ωも入っていないです。

一方で、DAS-703ESのデジタル入出力のインターフェース回路です。

入力は75Ωで終端されバッファで受けて波形整形、送り出しはバッファ3個並列でアイソレーション用のパルス・トランスを強力にドライブしています。トランスの2次側にはインピーダンス整合用の75Ωが入っています。良く考えられています。しかもこのトランスが大きい。

この出力をES9018 DACに入力して聴くと、確かに音が良いのです。

因みに、DAC-X10(ES9018)もパルストランスで受けてバッファで波形整形しています。
波形整形後の波形はこの様になります。


更に、このES9018は、以前よく使っていたUSB入力よりも、このコアキシャルSPDIF入力の方が、その真価を発揮しているとも思えました。

USB入力は、やはりノイズ処理が難問かも知れないですね。

古い記事ですが、FIDELIXのここにも関連内容が書いてありました。


今回、デジタル信号インターフェースの扱いで、随分と音質が違うものだという事を学ばせて頂きました。

おそらく良質な同軸ケーブルの使用でも音質改善になるかも知れません。

最近は、4K8K対応の同軸ケーブル(特性インピーダンス75Ω)もありますので、S-4C-FB程度を使ってデジタル信号用のケーブルを作っても良いかなとも考えましたが、SPDIFの周波数3MHz程度に対して8K対応と言う事であれば3224MHzなので、何もそこまで必要ないと思い通常の75Ωビデオケーブルを手配しました。 

コアキシャルのデジタル信号接続に通常のアナログ音声用RCAケーブルを使用している人を見かけます(私もそうでした)が、特性インピーダンス75Ωのケーブルを使われた方が宜しいかと思います。

 


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