光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

京都・富山アート巡り#3 「百花繚乱ニッポン×ビジュツ展」京都文化博物館

2020年05月01日 | アート 各分野

2019年9月8日(日)のアート巡りの行程です。

◆立川を早朝出発、10時半前、京都着
  荷物をホテルに預けて早速、アート巡りへ

◆京都国立近代美術館へ
 ・企画展 「ドレスコード?―着る人たちのゲーム」展
 ・常設展
 次の細見美術館へ(歩いて6,7分)

◆細見美術館
 ・レスコヴィッチコレクション 広重・北斎とめぐるNIPPON
  (こちらは、撮影禁止でした)
 サラッと見て、次の京都文化博物館へ(地下鉄で)

◆京都文化博物館
 ・企画展「百花繚乱ニッポン×ビジュツ展」
 ・総合展示
 次のアートフェア  「artKYOTO 」を見るため二条城 へ(歩いて15分)

二条城
 アートフェアartKYOTO 」
 見終えて、二条城の門を出たら、もう16時50分。西日の射す二条通リを歩き、地下鉄で京都駅のホテルへ。

 
それでは、「百花繚乱ニッポン×ビジュツ展」の紹介を

 

 

 

 

チラシにも書かれている通り、ICOM(世界博物館会議)京都大会を記念して、東京富士美術館所蔵の日本美術の名品を

展示したものです。

京都文化博物館は初めてで、私は知らずに別館側から入りました。 

すると、下の写真のような明治期の建物で、ポスターの仕切りの向こうから、音楽が聞こえていました。

後でわかるのですが、この建物は、旧日本銀行 京都支店で、現在は多目的に利用されているのでした。

 

 

 係の方に、本館の展示場を教えてもらい、本館4階の特別展会場へ

チラシにも書かれている通り、展示方法は工夫を凝らしていました。 

ニッポンのビジュツとあえてカタカナで表現した意図、見終えてよく分かりました。 外国人にも、わかりやすかったのではないでしょうか。

まず、キーワードでふるいにかけた日本美術、最初は”キモカワ”・・・うーん そう来るか。

 

 

 若冲は、鶏の絵など緊張感のある精緻な作品で有名ですが、大胆にデフォルメした

こんな作品もあり、シンプルで力強い線が素晴らしい。 少しカワイイかな。

 

 

文句なしのカワユイ系。

 

 

 

 キモイ! こんな絵のどこに可愛さを感じるのか!・・・と憤っていたのですが

 

 

 懐の蝦蟇のご主人を見つめる眼、かわゆい。

 

 

国芳は絵も達者だし、皮肉っぽいユーモアも達者。  

 

 

 

 ドキッとする構図ですが、骸骨の描き方がさすが。

 

 

 

 この絵については、いちど浮世絵の講演会で説明を聞いたことがあります。

キャプションに付け足すと、遊女が営業中の相手は、窓にかかった手ぬぐいの柄を見ればわかるそうです。

広重さん、隅に置けない人ですね。

 

 

 

 このキモカワ分かります。 

戦のなかで、こんな兜をつけた相手に遭遇したら、眼を鯱にやった途端、バサッとやられそう。

 

 

 

 サムライ×日本美術編

ここでお断りしておきたいのですが、使用したカメラが旅行用のサブカメラであること、会場が美術作品専門の展示場ではないようで

柱で遮られるところがあること、照明もガラスに反射する箇所が多く、また、会場全体が狭くて、照明が暗い、加えて、鑑賞者も多く

撮影は人通りの途切れを待って、さっと済ませる必要がある・・・等の理由で、画像が鮮明ではありません。ご容赦を 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 鎧兜は、東京国立博物館でもよく見るのですが、ここまで揃っていて重厚なものは

なかなか見れません。

 

 

胸から上の部分です。 おや!兜の前立てに犬、しかも笑って駆けている!

名君と言われた斉彬、調べてみると、大河ドラマ『西郷どん』第13話で、輿入れする篤姫に斉彬公が「薩摩の守り神じゃ」と

手渡したものは、斉彬公の居室を飾っていた島津義弘の兜の前立ての〝きつね”・・・でした。

島津義弘といえば、関ヶ原の戦いで、敵中突破して、無事、薩摩に退いた猛将、・・でもキツネか、先ほどの鯱よりはカワイイけど。

 

 

 刀剣

東京国立博物館の展示では、白い布をかけた刀掛けに抜き身で展示されている事が多い。  アクリル樹脂を使った展示は初めて見ました。

茎の部分を鏡に映したり、工夫しています。

太刀も備前、長船近景、均整が取れて美しい。

 

 この太刀の、刃文をわかりやすくした展示。 太刀の全身押形も初めて見ました。

 

 

 

 

 次は長曽祢虎徹、よく切れたことで有名。

四つ胴切断は死体を4体重ねてそれを一刀で切断したという意味です。

東京国立博物館でも、同じく虎徹の四つ胴切断の刀がありました。

 

 

 

 

 次は乗物、豪華な装飾、そして劣化が少なくて綺麗なのには驚きました。

仙台から宇和島まで使ったのに・・・、修理を含めて保存が良かったのでしょう。

 

 

 

 

 

 四季×日本美術です。

 

 

 武蔵野図屏風。 私は武蔵野に住んでいますが、こんな風景は望むべくもない。 今だと秋草のところは市街地、たなびく金雲のところは

電柱や電線。 400年の時の差。

右隻はピンボケのため小さいサイズで。

 

 

 

 外国人に最も有名な日本美術は、これ!

 

 何度も見ても飽きない。

 

作品については、以前、東京富士美術館の

江戸絵画の真髄 ─秘蔵の若冲、蕭白、応挙、呉春の名品、初公開 !!その1

江戸絵画の真髄 ─秘蔵の若冲、蕭白、応挙、呉春の名品、初公開 !!その2

で紹介したものがありますので、そちらもご参考に。

以上です。 次は京都文化博物館の総合展示を紹介します。


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2 コメント

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アートツアー♪ (越後美人)
2020-05-05 06:28:44
充実したアートツアーでしたね。
絵画に版画、刀剣、武具、伊達の姫様の乗り物、等々
ジャンルが違っていて、
新鮮な驚きと楽しみがあったことと思います(^^♪
斉彬公が篤姫に薩摩の守りとして、義弘公のきつねの前立てを贈ったとは、
敵陣を突破した時の物で、篤姫の徳川家での重い役割を憂えて励ます意味で、
これ以上のお守りはないですね。
初めて知って鳥肌が立ちました。

太刀の全身押型も初めて見ました。
備前長船の刀剣美術館では見られなかった物です。
実物を見るよりも分かり易く細かい波文が詳細に描かれていて素晴らしいですね。
人の眼を通すと別な美しさが表現できるようですね。
珍しい物を見せて頂き、良いホームステイ美術鑑賞になりました(^_-)-☆

越後美人さんへ (te-reo)
2020-05-05 15:50:29
いつもコメント有難うございます。
そうですね、色んなジャンルがコンパクトにまとまって、ICOMできた海外の学芸員さんにも、分かり
やすかったと思います。
兜の狐の前立ては、このブログを書くとき気付いたもので、会場では目につかなかったものなのです。
ブログでレビューを書くために調べるのは、思いがけない気付きが得られて、楽しみの一つです。
越後美人さんに鳥肌をたてられて、光栄です。
越後美人さんの景徳鎮の花入れ、備前ぼたん皿など
の素敵なファミリー茶会、とてもよかったですね。

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