Astrolabio/Garybaldi | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 "ItalyのJimi Hendrix""Bambi" P.N. Fossati率いるGarybaldiといえばGuido Crepaxの描いた女性のイラストが強烈な印象を残す3面見開きのジャケットで知られるデビュー・アルバムNuda』であるわけだが、2ndアルバムの本作も中々素晴らしい。ジミヘンの再来とかジミヘンの後継者とか言われているギタリストは、それこそ世界中に結構いるのだろうが、Bambiの場合は Robin Trower Frank Marinoといった一流どころに負けていない。BambiがGarybaldiというバンドで残したある意味Italyらしい美意識混沌の世界は中々の聴きモノだ。単なるジミヘンのフォロワーという観点から離れてサウンドの面白さという点で考えれば1stよりも本作の方が個人的に好みである。前作でも鍵盤奏者Lio MarchiによるOrganMellotronはそれなりの効果を上げていたが、本作では、さらに音響的にも興味深いプレイで魅了する。加えてBambiのギターも本作ではEffectを効果的に使ったりDouble-Tracked GuitarでPsychedelic一辺倒ではないサウンドに深みを与えている。ドラムスのMaurizio Cassinelliも派手さこそないが変幻自在な演奏を堅実に支えている。Sandro Serraのベースも前任のAngelo Traversoに負けじと動き回っている。A面B面、各1曲づつという大曲志向ではあるが、スリリングなInterplayは間延びすることなく、Bambiを中心にProgressiveでテンションの高いかけ合いが続いていく。中々の力作だ。

 

 『Astrolabio』はGarybaldi73年にリリースした2ndアルバム。

A面すべてを使った大曲Madre Di Cose Perdute”。小鳥の囀りで長閑に始まる出だし。BambiのギターもHarmonicsなんか使って中々音響的にも面白い始まり方である。Effectを効果的に使ったギターの多重録音をバックに鍵盤奏者Lio Marchiによる抒情的なOrganがイイ感じで流れる。ギターを弾きながらBambiがGentleに歌いあげるとバックには幻想的なChorusが雰囲気たっぷりに盛り上げていく。まったりと穏やかなサウンドの心地良さに酔いしれていると、出ました、待ってましたのBambiのギター・ソロはやっぱりジミヘンの魂が乗り移ったかのような気合の入った弾きっぷり。すると突如として鍵盤がMinimalな音の粒子を浮遊させ、BambiはPsychedelicに弾き倒し。ここでの音響的な面白さは格別で永遠に続いて欲しいところだったが、なぜか始まるBoogieのリズムにのって、バンドはお気楽なBoogie Rockへと進む。バックにEchoきかせまくったVoiceを伴いバンドは何とも牧歌的な展開に。そして再びMinimalな鍵盤が登場。すると野性的なドラミングを合図にOrganをバックにしたDouble-Tracked Guitarの競演混沌とした世界に突入していく。圧巻の弾き倒しが続くと、静寂が訪れ、Bambiの優し気にかき鳴らされるギターのカッティングに癒される。

B面Live録音の長尺曲Sette?”1曲のみ。ここでも当然ながらBambiのジミヘン丸出しのギターと歌が全開である。BluesyなギターRiffで始まりギターとOrganのCall And Responseがカッコイイ。ドラム・ソロもFeatureされ、後半ドンドンTempoが速くなっていくと厳かに鳴り響き、曲が終わったか見せかけ、ギターの暴走Riffが始まり鍵盤をFeatureした白熱のInterplayが続く。

(Hit-C Fiore)