Fly Dude/Jimmy McGriff | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 大好きなOrgan奏者Jimmy McGriffSueSolid State、そしてBlue Noteにご機嫌なアルバムを残してくれたが、Groove Merchantからリリースしているアルバムも中々いけまっせ。なんと72年に音楽業界をRetireしてConnecticutで農場をやっていたそうだが、よくぞ音楽の世界に戻ってきてくれたものである。引退すると決めた時にCharles EarlandにHammond B-3を売り渡してしまったMcGriffではあったが、とあるClubのOrnerからプレゼントされて、再び手にした名器の響きは忘れていなかったのだろう。Hammond B-3とLeslieが生み出す漆黒のサウンドが、これまた70年代にSonny Lesterが設立したGroove Merchantにバッチリなのである。71年リリースの『Groove Grease』や翌年の『Let's Stay Together』のノリの良いSoul Jazzな路線も嫌いじゃないが、よりBluesyなJazzを聴かせてくれる本作が今の自分にはシックリくるのである。Hard-Boiled酒とヤニの香りが漂うド渋なJazz。ジャケットで、「あんさん、こんなんで、どうでっか?好きでっしゃろ、こういうの」と笑みを浮かべるMcGriffが良い。ギターにGeorge FreemanJohn Thomas、ドラムスにはOrgan Jazzならお手の物のMarion Booker Jr.、Tenor SaxにRonald Arnoldと人選も渋好み。前2作のようなR&BやSoulのCoverではなくCharlie ParkerJimmy Smithの曲を取り上げ、メンバーも含めた自作曲はBluesyにキメているのが良い。20代の頃は、派手なインタープレイが火花を散らしたり、腰を動かすノリノリのJazzに比べると、こういうJazzは地味に感じられて、それほど聴きこんでいなかったのだが、やっぱり年をとると、こういうBluesyなヤツが沁みますわ。ジワジワと味わい深さが沁みわたっていくお気に入りのスルメ盤である。

 

 『Fly Dude』はJimmy McGriff72年にリリースしたGroove Merchantから3作目のアルバム。

アルバム1発目は“Everyday I Have The Blues”。Blues Standardとしてもお馴染みこの曲を1曲目にもってくるあたり、わかってますなあ。

続いてはJimmy Smith御大の“Jumping the Blues”。軽快なノリでHammond B-3が炸裂している。黒々としたフレーズAggressiveリズムに切れ込んでいく感じが素晴らしい。George Freemanのギターもイイ感じ。

Les McCannの“Healin' Feeling”は黒光りしたコテコテな仕上がり。Freemanもイナタいソロを披露し、Ronald ArnoldのTenor Saxもイイ味を出している。しかし何といってもFunkyにキメまくるMcGriffのHammndがカッコ良すぎ。

McGriff自作の“Cotton Boy Blues”は8分越えのド渋なSlow Blues。Freemanのギターが沁みますなあ。

Charlie Parkerの“Yardbird Suite”。ステップを踏むような心地良く軽快な演奏。これまた指パッチンでご機嫌ですなあ。

これまた自作の“The Groove Fly”は渋すぎるBlues。Hammondソロでお得意のフレーズを挟むなどして大人の余裕が渋いっす。

ギタリストのGeorge Freeman作のBlues“It's You I Adore”。こちらもRelaxした演奏がイイ感じ。

最後をシメるのはMcGriff自作のFunky TuneButterfly”。Freemanのイナタ過ぎるギター・ソロに乾杯。

(Hit-C Fiore)