Howard Tate/Howard Tate | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Howard TateGeorgia州Macon生まれのSoul Singer。その名を知ったのは、大好きなRy CooderBop Till You DropでCoverした“Look at Granny Run Run”であった。Tateが歌ったOriginal Versionを聴いて一発でこのSingerの虜になってしまった。TateはGospelBluesをRootsに持つ歌唱で60年代から70年代前半までBillboard R&B ChartTop 20に入るヒット曲を出すなど活躍した後、音楽業界から引退していた。そして、2000年代に見事に復活したTateは、アルバムもリリースし、再びDeep Soulの大物として君臨、2003年には来日公演を行っている。Elvis CostelloもTateの“Either Side Of The Same Town”をCoverしていた。残念ながら2011年にこの世を去ってしまったが、その独特のHigh Toneを生かした伸びやかでSoulfulな歌声は多くのSoul Fanから愛されている。Tateは生まれて間もなくPhiladelphiaに移住し、Janis Joplinの激唱Coverで知られる“Cry Baby”の作者でもあるR&B SingerのGarnet Mimmsが組んでいたThe GainorsというGospel Groupに参加する。Mimmsの紹介で名Songwriter/ProducerのJerry Ragovoyと出会い、Verve Recordsと契約してPaul GriffinやRichard TeeやEric Gale、 Chuck Rainey、Herb Lovellといった東海岸のSession Musicianらと66~68年までに上述のDeep Soulな名曲を録音している。中でも“Stop”はJimi HendrixBand Of Gypsys、“Get It While You Can”はJanis JoplinがCoverしたことでも知られている。RagovoyのProduceでVerveからデビュー・アルバム『Get It While You Can』をリリース、70年にはLloyd PriceJohnny NashのProduceで『Howard Tate's Reaction』をリリースし、3rdアルバムとなる本作は再びRagovoyと組んでいる。ギターを弾くDavid SpinozzaがRagovoyとArrangerを分け合い、鍵盤にRichard Tee、ギターにEric Gale、ベースにGary Van ScyocJerry JemmottWilliam Salter、ドラムスにはBernard PurdieRick MarottaRobert 'Chocolate' Wrightといった布陣でTateを盛り立てる演奏が素晴らしい。

 

 『Hoaward Tate』はHoward Tate72年Atlanticからリリースしたアルバム。

アルバム1発目“She's A Burglar”は腰の据わったリズム隊にのってTateが気持ち良さそうに歌い上げていく。独特のFalsettoも冴えまくり、バックの演奏も最高。

これまた重たいリズム隊が腰にクる“8 Days On The Road”。Tateの抑え気味に入り、ここぞという時に得意のHigh ToneをきかせるSoulfulな歌いっぷりも最高。

渋いイントロから持っていかれる“You Don't Know Nothing About Love”はSouthern Soulの香りがたまらないBallad

またもや重心の低いリズム隊Horn隊が最高に映える“When I Was A Young Man”。

何とBob Dylanの“Girl Of The North Country”をド渋なSouthern Soul仕立てで聴かせてくれる。これはお見事。

エレピHorn隊がイイ感じの“Where Did My Baby Go”。

神妙なHammndから入るノリの良いKeep Cool (Don't Be A Fool)”。

The Bandの“Jemima Surrender”も激カッコイイSoulに仕上げている。バックのFunkyな演奏も最高。

Strugglin'”は女性Chorusを従えたSouthern Soul仕立てのBallad。これはたまらんすなあ。

It's Heavy”はぶっとくFunkyなベースにTateの軽やかなVocalが絶妙のContrastを描いているお気に入り曲。

これまたエレピのイントロから惹きこまれる“It's Your Move”。

アルバム最後をシメるのは男泣きのBalladThe Bitter End”。最高っす。

(Hit-C Fiore)