Os Farroupilhas/Conjunto Farroupilha | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 BrasilのChorus Groupを聴いていくと本当に奥が深い。Gauchoという言葉を知ったのは大好きなSteely Danのアルバムであったが、本日ご紹介するConjunto FarroupilhaというChorus GroupのLeader Tasso BangelBrasilの伝統音楽Gaúchoの間に伝ってきた音楽に影響を受けたという。GaúchoというのはBrasilの最南端に位置するRío Grande del Sur州やSanta Catarina州、Brasil南部最大の都市Curitibaを州都とするParaná州の3州からなるRegião Sul do BrasilRegión Centro-Oeste de BrasilBrasil中西部)やArgentinaやUruguayやParaguay、Chileの一部地域に17世紀から19世紀半ばにかけて居住していた遊牧民的な人々を指した言葉である。さて、作曲家のRoberto Eggersに作曲を学んだTasso Bangelが結成したConjunto Farroupilha30年以上の長い歴史を持つChorus Groupである。Río Grande del Sur州州都Farroupilhaの楽団という意味を持つ、このConjunto FarroupilhaのChorusを最初に聴いた時は衝撃といっても良かった。楽しそうに洒落っ気たっぷりに難易度の高いChorusをビシバシとキメまくっている。和声の凝り方も清々しさの中に複雑な要素をさりげなく盛り込み、TensionをきかせたChorusが一糸の乱れもなく次々にキマっていくのは爽快である。実は彼らのGaúchoとBrasileiroがイイ塩梅に交配しているアルバムは他に沢山あるのであるが、Jorge BenTom JobimPaulinho NogueiraOrlann Divoらの楽曲を取り上げた本作は、その洗練された技巧とBangelの複雑でありながら洒落っ気をきかせたArrangementsとEnsembleが面白いように炸裂して親しみやすい作品に仕上がっているのである。それにしても、このジャケットは面白い。ジャケットの笑顔の裏側にある技巧を凝らした完璧なChorusは圧巻である。

 

 『Os Farroupilhas』はConjunto Farroupilha63年にリリースしたアルバム。

アルバム1曲目Jorge Benの“Conjunto Farroupilha”。その生命感に満ち洗練されたHarmonyとバックの演奏も最高。

Silvio Cesar作の“O Que Eu Gosto De Você”。これまた演奏もChorusも最高に洒落のめしている。Elegantな中に洒落っ気もきいている。

Walter Santos作の“Azul Contente”はジャケットの彼らのように清潔感に溢れキッチリしたChorusが素晴らしい。元々優美な旋律を持つこの曲は彼らの清々しさに満ちたHarmonyにピッタリ。

Paulinho Nogueira哀感漂うMoça Da Chuva”。

Tom Jobimの名曲“Insensatez”。こちらも憂いを湛えた旋律極上のVocal Harmonyで奏でられ極楽気分。

LeaderのTasso Bangel作となる“A Menina De Trança”はさりげなく難易度の高いChorus Workがビシバシときまっていく。楽し気な曲調とは裏腹に、その超絶技巧に脱帽。

軽快Orlann Divo作“Bolinha De Sabâo”。Cuteな女性Chorusが良い。

Os Tres MoraisのSidney Morais作の“Isto É Bossa Nova”もただのオサレだけでは終わらない技巧を凝らしたChorusが極上のBossa Nova

完璧なA Cappellaで始まるJuca Chaves作の“Pequenha Marcha Para Um Grande Amor”はChorus時の和声の構成が素晴らしい。

Clasicalに始まる“Joâo Sebastiâo Bach”も楽しそうに超絶技巧のChorusがビシバシとキマっていく。最後のA Cappella圧巻である。

Haroldo BarbosaLuiz Reis作の“Palhaçada”。自由自在にキマるChorusが最高。

アルバム最後をシメるのはTasso Bangel作の極上の男女混声Chorus NumberVozes E Flôres”で夢見心地

(Hit-C Fiore)