PotliquorはLouisiana州Baton Rouge出身の70年代に活動していた4人組のRock Band。ギターと鍵盤、Harmonicaを演奏するVocalのGeorge RatzlaffとベースのGuy Schaefferを中心に60年代末に結成され、ギターにはLes Wallace、ドラムスにはJerry AmorosoがAuditionで選ばれている。Janus Recordsと契約して70年にデビュー・アルバム『First Taste』をリリースしている。所謂Sonthern Rockの先駆けとなるようなGroupではあったが強烈な個性に欠けていたこともあって日本では、彼らはそれほど知名度が高くない。元々地元で人気のあったCover Bandのメンバーが中心となっているだけあって歌も演奏も安定しているし、ZZ TopやAerosmithのOpening Actとして全国Tourに帯同して、それなりに人気を集めていたようだ。またLouisiana出身のバンドらしいLyricやタイトルは彼らの特徴の一つであるしBluesやGospelの影響が感じられるナンバーもあるのだが、如何せん、楽曲に少々魅力が足りないところが彼らの限界であったのかもしれない。Ratzlaffの男くさくてチョイと暑苦しいVocalはPowerfulだし、ピアノも跳ねるRock'n'Rollな勢いに満ち、HardでBluesyなRiffも繰り出すギターもイイ感じである。リズム隊もドッシリ安定した破綻のないBeatを叩き出していている。でも何かが足りない。その言ってしまえばB級な感じが彼らの魅力なのかもしれない。本作ではそんな彼らに女性Chorus隊やHorn隊が加わって良くも悪くも直球勝負だった音楽性に彼の地特有のGospel感覚が強まって中々の力作に仕上がっている。残暑厳しい季節が終わろうかという時期に、敢えてこういう暑苦しい盤を聴く。肉も野菜もガンガン食べて抵抗力つけまくりである。
『Levee Blues』はPotliquorが72年にJanus Recordsからリリースしたアルバム。
アルバム1曲目はドラムスから始まる“Cheer”。ピアノのRiffをバックに南部男らしいPowerfulなVocalが女性Chorus隊を従えてガッツリ歌い上げていく。Horn隊も加わって元気いっぱい、Gospel的な生命感に満ち溢れたOpener。
これまた力強いピアノのRiffから始まる男くさいShuffle“The Train”。これといった個性はないけれど少々大仰とも思えるChrus隊を従えてLiveでは盛り上がりそうなBoogieナンバー。どこまでも暑苦しいVocalが良い。
タイトル曲“Levee Blues”はイントロのHardなギターのRIffでガツンと一発。跳ねるピアノもイイ感じ。
Willie Dixonの“Rooster Blues”もHardなギターと重心の低いリズム隊でHard Rockな仕上がりが良い。
軽快なRock'n' Roll“Chattanooga”。Chorusもバッチリで彼らの実力が垣間見れる。
デビューアルバムでも演奏していた“You're No Good”を再演。女性Chorusを従えてゴリゴリのHard Rock仕様でキメている。
The Beatlesの“Lady Madonna”は女性Chotusを従えてGospelの香り漂う南部色強い仕上がりでCoverしているのが面白い。
1分足らずのピアノ弾き語り風の“When God Dips His Love In My Heart”をInterlude的に挟んでアルバム最後の曲へ。
ピアノ弾き語り風で始まる“Beyond The River Jordan”。途中からStringsも加わり、徐々にスケールが大きくなっていく。Chorus隊も従えてRatzlaffが力強く歌い上げて大団円。この辺はいかにも米国のバンドっぽい。
(Hit-C Fiore)